Locksley Hall Sixty Years After ロックスリー・ホール、六十年後

 

Locksley Hall Sixty Years After ロックスリー・ホール、六十年後

 

遅いぞ、孫よ!午前中を半ば、わしはこの砂浜を歩き回っておった。
再び、中に空洞を抱いた波が轟音を立てて崩れるのを眺め、

聞き覚えのあるダイシャクシギの鳴き声に、心は少年時代に戻った。
わしは死に近く、死はロックスリー・ホールにある。

そうか―お前の幸せな求婚は実らなったのか―彼女は申し分なく、すばらしい女性だったのに/
そしてお前は―子供じみた戯言と―お前のその子供っぽい愛をわしの愛に重ね合わせようというのか。

わし自身、愚かな過去について何度も口走ったことは間違いない。
戯言、戯言/わが古きイングランドも、最後は戯言の中で滅びるのかもしれない。

「呪いあれ!」だと?自分と同じ犠牲者を呪うのか?怒りに任せて、彼を老いぼれ呼ばわりするのか?
夢見る少年を誘惑した目なのだから、老いぼれだって騙せるだろう。

金持ちに乗り換えたのだと!金持ち?しかし、多分彼女は賢くなかったのだろう/
お前がうっとりした目で、彼女の肖像画にキスをしていたのを覚えておる。

広間には絵が飾ってある―エイミーがわしの首に腕を回している―
難破船の残骸に座って、日だまりの中で幸せそうにしている子供たちだ。

わしの人生の絵はそれとは違ったものだ。わしの首を抱きしめた彼女は、飛び去ってしまった/
わしは影の中に取り残され、難破船の中に一人座っているのだ。

お前の病は、もっと軽いものだ。彼女ゆえに病人になるとでもいうのか?
お前は、お前はならない!現代の恋愛家は、もっと軽く、現世的にできている。

エイミーはわしを愛し、エイミーはわしと添えなかった。エイミーは臆病な子供だった/
だがお前のジュディス―お前の俗物な―彼女は決してわしを狂わせることはなかっただろう。

金の指輪よりもダイヤモンドのネックレスを大切にする女、
春の朝よりも冬の日没を美しいと感じる女。

心の中で、彼に早く死んで欲しいと思っている女、
「死が二人を分かつまで」と誓ったのに、未亡人になることを望んでいる女。

俗物から生まれた俗物の女。満足しているがいい。
質素な農家でさえ、家系の価値を教えてくれることがあるというのに。

あそこの礼拝堂、今ではゆっくりと地面に沈みつつあるあの礼拝堂には、
わしの先祖である戦士が、足元に犬を置いて眠っている。

十字を切る!かつて彼は海を渡って、イスラム教徒の傲慢を打ち砕いたのだ/
戦士は死に、彼の栄光は消え、彼が命を捧げた大義もまた消え失せた。

それでも、わしとエイミーは何度、あの朽ちかけた会堂の通路に立ち止まって、
憂いに沈みながら、わが血統の創始者を見つめたことだろうか。

今日、わしは再びそこに立った。そして昔、祈りを捧げた場所、
ロックスリー家の紋章の深紅に塗られた窓枠のすぐ下には―

出産で命を落とし、母子ともに死んだわしのエイミーが
白いイタリア産の大理石になって、今も微笑んでいるかのようだ、

死んだのだ―六十年も前に。そして今や、彼女の年老いた夫も死んだ―
この年老いた白髪頭の夢想家は、身をかがめて彼女の大理石の額にキスをした。

青春の炎、愚行、激怒、呪い、情熱的な涙は消え去った、
まるで惑星の黎明期の炎、洪水、地震のように消え去った。

かつてわしを揺さぶった炎も、今では静かな灰と化してしまった。
死んだ火山の表面には、消えゆく日の光が冷たく留まっている。

青春時代の暴君は消え去り、内陣の石の下で、沈黙している。
若さの美徳を―わしはそれらを許しているのだ―すべて白い骨の上に黒く浮かび上がらせて。

ともに野営した仲間たちも消え去った。敵との戦いで命を落とした者もいれば、
老齢や病気でゆっくりと死んでいった者もいる。地上のすべてのものがそうであるように。

四十年間、わしと黄金の人生をともにした、
女性の魅力と、男性の寛容さを兼ね備えていた彼女も消え去った、

意志が強く、知恵に富んでいたエディス、しかも謙虚で優しく、
心の奥底まで女性であり、優しい足先までも女性だった彼女、

まさに女性の中の女性であり、心身を病んだ者の看護婦であり、
わしと人々を繋ぐ壊れた鎖を、再び繋ぎ止めてくれた彼女も。

今日、わしが海岸を彷徨っているとき、エイミーが一緒にいて、
わしらの近くには、そのうっすらした亡霊を微笑みながら見ている、エディスの聖い影があった。

お前の父親で船乗りだったわが息子、レナードも、早くに海で亡くなった/
エイミーやわしの血筋の中で、お前だけがわしに残されたのだ。

優しい心の持ち主だったお前の母親も、一人残されることを寂しがって、
かつて自分の心臓の傍で鼓動していた、より強い心臓を恋しがっていた。

真理は真理であるがゆえに、勇敢であると同時に真実だった彼は真理を熱愛していた/
善は善であるがゆえに、彼は善に従った。彼は既に墓の向こうを見ていたのだ、

お前よりも賢明だ。不毛な死を万物の王者と考え、
棺桶こそが、この過剰に悲劇的なドラマの幕切れと考えているお前よりも!

死ぬと分かっていながら、甲板に留まり、女性や子供たちを救って、
沈みゆく船とともに沈んだ彼の死は美しかった。

永遠に去ってしまった!永遠に?いや―わが滅びゆく種族が始まって以来、
常に、常に、そして永遠に、人間を導く光が存在した。

奴隷を野蛮に埋葬し、妻を殺した(*殉死)者たちも、
自らの中に、来世という聖なる情熱を感じていた。

インディアンの戦士たちは、夜の向こうにある、より広大な狩猟場を夢見る/
黒いオーストラリア人でさえ、死ぬときには白人として戻ってくることを願う。

真理には真理、善には善!善、真、純粋、正義―
「永遠」という魅力が失われたなら、それらは砕けて塵になってしまう。

「前へ、前へ」という叫びは過ぎ去って、深まる闇の中に消えてしまった/
消えた、あるいは沈黙する墓の中から、静かに聞こえてくるだけだ。

わしの人生の朝の驚異の半分、時間と空間に対する勝利は、
頻繁さによって新鮮さを失い、習慣によって最もありふれた普通のものになってしまった!

「前へ」という声が響いていた、そして多くの声の中にわしの声もあった。
一万年が過ぎるまで、この「前へ」という叫びを黙らせよう。

遥か昔に消え去った種族の中で、古代アッシリアの王たちは、
戦いで捕らえた捕虜の皮を剥いだ―鉄の心を持つ勝利者たちだった。

後の時代、アジアにおいて、荒々しいモンゴル人を率いたティムールは、
八万人の人間の頭蓋骨で恐ろしい塔を築いた。

そして、エドワード1世の時代、イングランドの名が最も高かった時代に、
キリスト教徒の征服者たちは、征服されたキリスト教徒を捕らえ、炎の中に投げ込んだ。
(*フランスでカタリ派が滅ぼされた)

敵を愛し、憎む者を祝福せよと、最も偉大な方は言われた。
教会におけるキリスト教の愛は、異教徒の憎しみにそっくりだった。

祝福という黄金の恵みから、人は自身への呪いを鋳造した。
カエサル(*皇帝)のローマ、ペテロ(*教皇)のローマ、どちらが残酷だったのか?どちらが悪かったのか?

フランスはすべての人々に光を示し、すべての人々のための福音を説いた。
ケルトの民は悪魔になって、金切り声を上げ、光を血で消し去った。

希望は常にその山の上にあって、夜明けを待ち望んでいた―
まだ昇らない太陽から―暗闇の上に―太陽の光を戴くときを。

結局のところわしらは、原初の部族の情熱を超越したのだろうか?
「敵を殺せ、憎いのならば」しかし「敵」は人間だった。

わしらは彼らよりも堕落したのだろうか?農民たちは寄る辺ない馬を(*酷使して)不具にし、
罪のない牛を茅葺屋根の下に追い込み、優しい獣たちを生きたまま焼く。(*地主への抵抗としてのCattle Maiming)

獣たち―お前たちを傷つけたりしない獣たちは、真夜中に焼かれ、
死ぬ間際の苦悶に身をよじった姿の、物言わぬ母親にすがりついている、

生前、生後のその子供たちと一緒に、朝に発見される!わしらは悪魔なのか?人間なのか?
優しいアッシジの聖フランチェスコ、彼が再びここにいてくれたなら。

彼は普遍的な愛ゆえに、花を姉妹、兄弟と呼び―
そして、わしらと全く何も変わらない痛みを感じる―獣たちをもそう呼んでいた!

混沌、秩序!秩序、混沌!すべてがどのように終わるのかを、誰が知っているだろうか?
広い世界の年代記を読み、その知恵を友とするがいい。

最良の希望を持ちながら、現在を過去の宿命的な娘として捉え、
今この時に対峙するための心構えをするがいい。だが、今この時が続くなどと夢見るな。

ああ、ダイナマイトとリボルバーが、お前に賢明であるための勇気を残してくれるなら/
これほどまでの脅威と狂気、書物と言葉の嘘に満ち溢れていた時代があっただろうか?

羨望は愛の仮面をかぶって、しらふの事実を嘲笑いながら、
最も弱い者と最も強い者に「お前たちは平等だ、平等に生まれたのだ」と叫ぶ。

平等に生まれた?ああ、そうだ。もし、あちらの丘と平地の高さが同じなのであれば。
雄弁家よ、その過熱した言葉の蜃気楼でわしらに魔法をかけ、

ライオンを猫より大きく見えないように、
猫をライオンより大きく見えるようにせよ―民衆による支配は結局自滅に終わる。(*ライオンは偉大、猫は卑小の象徴)

ロシアがわがインドの国境を突破する。戦うべきか?屈服すべきか?
立ち止まれ!ラッパを鳴らす前に、畑からの声を聞け。

今や一つの皇帝の笏の下にある三億人の人々を、
わしらは保持すべきか?解放すべきか?鋤の投票を受け入れるべきなのだろうか。

いや、彼らは真実を感じ、従うだろう。もし、王国を滅ぼすライバル政党の、
お前たちとお前たちが、語るときに完全に真実を語るならば。

真実であり、信頼に足り、心の完全な高潔さにおいて神の子、人の王である農夫、羊飼いが、
熟練した嘘つきの選挙演説を見上げているのをわしは見かけた、

一度ならず見かけた、そして今でも見かけられるだろう/
高い者はそうやって低い者を操る、その低い者は高い者なのだが。

あちらこちらで、貧しい農民の赤ん坊が、神授の権利によって王として生まれて来る/
あちらこちらで、領主は、自分の牛や豚よりも下劣である。

混沌、秩序!秩序、混沌!再び、うんざりするようなゲーム。
自由、自殺する自由、そして彼らは自由の名を叫びながら死んでいく。

一歩ずつ、わしらはヨーロッパに、すべての人々に知られている自由を獲得した/
一歩ずつ、わしらは偉大さに向かって上って行った―口達者な者たちゆえに、わしらは没落するかもしれない。

民の声に取り入ろうとするお前たちよ―彼らに「経験など役に立たない」と伝えよ。
お前たちの王に媚びて、字が読めない者だけに支配権があると教えよ。

力ある者をその地位から引きずり下ろせ。だが、柔和な者をその場所に据えるな/
知恵を市場でさらし者にし、その顔に生ゴミを投げつけろ。

自然をひっくり返し、そして、通りの叫び声とともに叫び、
脳の上に足を置いて、脳は足にあると断言せよ。

信仰も希望もない、古い暗黒時代を取り戻せ、
国家、教会、玉座を壊し、その瓦礫を坂から転げ落とせ。

著作家―エッセイスト、無神論者、小説家、リアリスト、詩人、劇作家よ、お前たちの役割を果たせ。
芸術の生きた色彩で、本性の許されざる恥を描け。

お前の兄弟の悪徳を暴き、自らの汚い情欲を剥き出しにしろ/
寡黙を、敬虔さを打ち倒して―前へ―ありのままを―見せつけろ。

芽を出した少年のバラを、お前たちの下水で育てろ/
流れが清らかにならないよう、泉に下水を流し込め。

乙女の空想を、ゾラ主義の飼い葉桶の中で転げ回らせろ。
―前へ、前へ、ああ、後ろへも、下へも、深淵までも。

最悪の者を操り、上ってゆく人々を堕落させるために全力を尽くせ/
わしらは獣から這い上がってきたのだろうか?それなら、再び獣の中へもどるのだろうか?

お前たちの無法な大騒ぎにはうんざりだ、わしは「塵は塵に」、これだけだ、
新しい世界が始まる前の、健全な古き良き世界の塵だ。

わしが興奮しているって?お前は―驚いているな―まあ、わしの年齢には似合わないかもしれない―
辛抱してくれ!死にかけの役者に、舞台で最後の台詞を言わせてくれ。

時代遅れの老いぼれの、眠りに落ちる前の叫びか?
流れが狭くなる音か、それとも深海の音楽か?

ああ、確かにわしは年老いており、灰色の考えを持っている。なぜなら、わしは灰色だからだ。
嵐のような変化の後で、わしらは元と変わらない五月を見られるだろうか?

狂気の後、虐殺の後、ジャコバン主義(*フランス革命後の独裁政権)とジャックリーの乱(*1358年のフランスの農民反乱)の後、
わしが見ることのない時代に、人間を導く、より聖なる力が現れるだろうか?

組織やすべての制度、王国や共和国が崩壊した後に、
全員は一人のために、一人は全員のためにという―より優しく、より高く、より聖なる力が?

すべての完全な頭脳、半分の頭脳を持つ種族が、正義、愛、真理に導かれ/
わが青春のすべての幻の通りに、ついにすべての人々が一つになるのだろうか?

科学によってすべての病が癒され、足を引きずる者も、耳が聞こえない者も、目の見えない者もいなくなり/
より弱い者からより強い者が生まれ、より丈夫な体、より大きな心を持つのだろうか?

地球がついに戦争のない、単一の種族の、単一の言語が話される世界になる―
わしはそれを遠くから見てきた―そうなるためには地球は若すぎるということはないのではないか?―

あらゆる狂気の虎が口輪をかけられ、あらゆる情欲の蛇が殺され、
あらゆる険しい谷が庭園になり、あらゆる燃え盛る砂漠が耕され、

北極から南極まであまねく収穫に覆われ、大地は微笑み、
あまねく海は、すべての戦争のない島々を穏やかに洗う。

戦争がない?数十人が数千人になり、数千人が数百万人に増えたとき―
地上のすべての収穫はあまりにも少なすぎる―戦争をしない人々など想像できるだろうか?

戦争がなくなる?その日はすぐには来ないだろう。その日はいつか来るのだろうか?遅かれ早かれ?
この地球が使い古され、あの死んだ世界、月のように死ぬまでに、それは可能だろうか?

新しい天文学は、それを死んだ世界と呼んでいる…今日、この時間に、
この砂丘の切れ目からロックスリー・タワーが見える場所で、

ここでわしらは会った。エイミーと―最後に会ったのは―六十年前だ―
彼女とわしは―月はちょうど門の塔の上で、今、お前が見ている場所で、

バラ色に輝いて緑がかった光を落としていた―
ここでわしらは立ち止まって、抱きしめ合い、永遠に続くと思った誓いを立てた…

死んだ。だが、その生きた光は、広間を、砂丘を、草を照らしている!
月の光は太陽の光であって、太陽自身もいつか消え去るとはいえ。

その近くには金星が!より太陽に近く、おそらく決して色褪せることのない花に覆われて、
わしらのより地上的な地球を見下ろして微笑んでいる。

詩人が、すべての良きものをもたらす者と呼んだヘスペロス。
すべての良きものはヘスペロスの下に集まるのかもしれない。完璧な人々、完璧な王たちも。

ヘスペロス―金星―わしらがあの光輝や火星に生まれついていたなら
わしらは自分たちが呻き声を上げている地球を、夕星の中で最も美しい星と見ていただろう。

あの平和な光の点から、戦争と虐殺、策略と狂気、欲望と悪意、
吠えるロンドン、狂乱のパリを、想像できただろうか?

天空の美しい銀色の星を一瞥して、
憧れ、手を握りしめて「ああ、あそこに生まれたかった」とつぶやかなかっただろうか?

前へ、後ろへ、後ろへ、前へ、計り知れない海の中で、
お前やわしには知り得ない、より大きな潮の干満に揺られながら。

すべての太陽は―これらは無数の人間の象徴に過ぎないのだろうか、
計画者、あるいは計画の影を見る、人間や心の?

地球にだけ悪があるのだろうか?それとも、あらゆる人の住む惑星に苦痛があるのだろうか?
ここでは、健全な合言葉「進化」に感謝するがいい、

理想的な善を求めて常に登り続ける進化、
そして進化を泥の中に引きずり込む先祖返り。

人が何者なので神はこれを御心に留められるのか?と聖歌の王は叫んだ(*詩編8章3節)/
虫けらのように、絶え間なく兄弟の虫けらに罪を犯し

一方で沈黙の天は回転し、太陽はその炎の道をたどり、
その周りを旋回するすべての惑星は、一日に何百万マイルも閃いて行く。

その最高傑作である人間が生まれる前に、永遠の何倍もの歳月が地球を形作った。
地球が無人になり、見捨てられた後にも、永遠の何倍もの歳月が過ぎ去るかもしれない。

地球はとても巨大である、しかしとても限られている―塩の池、小さな土地―
緑と紺碧の薄い皮―山の鎖、砂の粒に!

だからこそ、わしらを造られた方は、わしらがやがてより強くなることを意図されて、
人間の目の前に、まったく無限の天空を置かれ、

人間の魂を通して、ご自身の影という、無限のものを示されたのである/
内側は原子の中で無限であり、外側は全体の中で無限である。

・・・・・

ここにロックスリー・ホールがある、わが孫よ、ここにライオンが守る門がある。
今夜はロックスリー・ホールには泊められない―明日だ―お前は、お前は来るのが遅すぎた。

脱線した―お前の列車が―ほとんど脱線しかかった?車輪が粉々に?大変だったな!
よろしい、お前の説く前進を祝ってやろうかね?(*テニスンは鉄道を前進の象徴としている)

わしらが科学と共に歩み、繁栄を誇っている間、
都市の子供たちが、魂と感覚を都市のぬかるみに浸し、汚しているのは良いことなのだろうか?

薄暗い裏通りでは、進歩の足は麻痺して立ち止まっており、
犯罪と飢餓は、何千人もの乙女たちを道端に投げ出す。

親方は、やつれた裁縫女の日々のパンを惜しんでいる。
一室の汚い屋根裏部屋に、生者と死者が詰め込まれている。

燻るような熱病の炎が、腐った床を這いずり回り、
そして、貧困層のうさぎ小屋の中には、混み合った近親相姦の寝台がある。

いや、勘弁してくれ、「前へ」と叫ぶのは、お前たちには希望と若さがある、しかし、わしは―
八十の冬を越えた犬は、その叫びについてゆくには足が弱り過ぎている、

足が弱って、年老いて、時代遅れになって、今や夜に向かっているのだ/
それでも、わしは台頭する種族には、少しでも光に向かう熱意を持っていてもらいたい。

夕暮れの薄れゆく光だろうか?夜明けのかすかな光だろうか?
老いの目には、夜明けの光が、日没の光に見えるかもしれない。

来るべき無数の変化のはるか向こうで、地球は
今のお前やわしの想像もつかない何物かになっているだろう。

地球はこの世で最悪の場所になるかもしれない、あるいは、もしこの世で最高の場所になったとしても、
地球は安心して人類の子孫を理想の人間と認められるだろうか。

だから、前に進め、だが時の流れが数多くの後ろに向かう流れによって、
どのように逸れ、曲がり、それ自身に立ち返るかを忘れるな。

今夜はホールには泊められない、わが孫よ!死と静寂がいる。
最後の眠りについた主人を、その最初の暗さの中に憩わせてやれ。

彼の方が、わしよりも価値ある魂の持ち主だった。健全で正直な、田舎紳士で、
親切な地主で、陽気な仲間だった―若い頃の嫉妬は見る目を誤らせる。

胸から毒を捨て、脳から狂気を追い払え。
踏みつけた蛇によって、お前が無駄に生きてこなかったことを知れ。

若い頃の!老いと若きは、まだ下級学校の生徒に過ぎない、
そして、自らの愚かさに気づいたことがない者は、最も賢い人間ではない。

あちらにわが新しい海辺の村がある―芸術と優雅さはますます失われている。
科学は成長し、美は衰退する―スレート葺きの醜い屋根!

古い宿が一つだけ残っている、そこにはロックスリー家の盾がぶら下がっている、
百姓の牛が「右足を上げて歩くライオン」を角で突き飛ばしていなければ。

哀れな古い紋章、哀れな古い歴史、哀れな古い詩が過ぎ去ってゆく、
古い政治的常識を溺れさせる平凡の洪水の中に!

消え去った声に向かって叫ぶ、八十歳の哀れな年老いた声!
わしが愛するのは消え去った声だけであって、わしのすべての歩みは死者に向かっている。

世界のすべてはわしにとって亡霊である、そして、幻影が消え去るにつれて、
八十年の希望のすべては、前方の、遥か遠い彼方にあるのだ。

・・・・・

その宿で―わしは覚えている―彼が死んだ今、わしはそれを後悔している―
道化師みたいだ―偶然、彼はわしに会った―わしは彼が差し出した手を拒んだのだ。

崩れかけたレンガをつる草がすっぽり覆っているあの窓から―
当時わしは幼く、エディスはたったの六歳だったが―

激しい雨の日に、わしがこのアーチの道で雨宿りをしていたとき―
花の中の花のように、エディスの愛らしい顔が覗いていた。

今夜ここで!明日ホールで、礼拝堂の鐘が鳴るとき!
暗い部屋の中で「私はあなたを深く愛していました」という嘆きをわしは聞くだろうか。

そして、玄関を揺るがす鐘の音―花嫁の迎えが来たのだ。
身体をすくませて、わしを押しのけ、金切り声を上げて、わしの傍から出て行った彼女の―

黙りこくってしまったな!お前、わしのレオナルドよ。お前の今日を使い、無駄にするな、
人々の間を動き回って、彼らを知れ、

男やもめになってから六十年間、質素な隣人たちを助けようと努め、
貧しい人々に仕え、小屋を建て、学校を立ち上げ、沼を干拓した彼の後に続け。

彼は今、あの中傷を聞いているだろうか?聞いていないと誰が断言できるだろう?
もし、五十人に一人でも彼のような人間がいれば、地上が最悪の場所になることはないだろう。

それが天国のような最高の場所になるためには、神がゲームに参加しなければならない。
いや、わしらには見えもせず、名前も分からないが、

わしらの内なる善の力、悪の力として感じられ、
意志の泉に、香油を振り注いだり、毒を撒き散らしたりするものが、わしらの周りにあるのかもしれない。

砂漠の道を照らす星に従え、お前のものであろうと、わしのものであろうと。
前へ、人間の最も高い本質が聖なるものであるとわかるまで。

光に従い、正しいことを行え―人は自分の運命を半ば支配できるのだから―
空っぽの墓に座っている不死の天使(*キリストの復活)を見るまでは。

前へ、嵐のような時を飛び去らせ、過去に混じらせるがいい。
気が進まなかったわしも、彼を愛するようになった。愛は最後には勝利するだろう。

八十歳で亡くなったのだ。わしと同じ年齢だ。わしとお前で棺を担ごう/
そして、お前を領主にして主人、ロックスリー・ホールの新しい家長とする。

 

 

2025.7.5
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/locksleyhall/locksleyhall.html

| カテゴリー : テニスン | 投稿者 : 上田エリヤ