ゲティスバーグ演説
エイブラハム・リンカーン
訳者より:1863年11月19日、ゲティスバーグ国立戦没者墓地の開所式で行われた、あまりにも有名な演説です。日本語訳はいろいろありますが、演説調で訳してみました。
原文:https://americancenterjapan.com/aboutusa/translations/2390/#enlist
八十七年前、私たちの父祖はこの大陸に自由を母体とし、すべての人間は平等につくられたという信念に捧げられた、新しい国家を誕生させました。
いま私たちは、この国家が、あるいはこのようにして生まれ、このような信念に捧げられた国家が長く存続できるか否かが試される、大きな内戦を戦っているのであります。私たちはその戦争の大きな戦場に集まりました。この戦場の一部を、国家を存続させるために命を捧げた人たちの最後の安息の地として捧げるために来たのであります。私たちのこの行動は、まったく正しく、適切なものであります。
しかし、より大きな意味において、私たちにはこの地を―捧げることも―清めることも―聖別することもできません。生死を問わず、この地で奮闘した勇士たちが既に、私たちの乏しい力が何かをつけ加えたり差し引いたりできないほどに、この地を清めたからであります。私たちがここで何を言ったとしても、世界はほとんど気に留めることもなく、長く覚えていることもないでしょう。しかし、彼らがここで成し遂げたことは、決して忘れ去られることがありません。この地で戦った彼らがここまで気高く前進させてきた未完の仕事に、ここで捧げられなければならないのは、むしろ生きている私たち自身なのであります。ここで私たち自身を捧げなければならない、私たちに残された大きな仕事とは、これらの名誉ある戦死者がそのために最後まで力を尽くし、献身した大義を受け継いでそれ以上に献身すること―その死を無駄にしないとここに固く決意すること―神の下にこの国に新しい自由を誕生させること―そして人民の人民による人民のための政府を地上から決して消滅させないことなのであります。
2023.8.10