アミールの伝言

 

THE AMIR’S MESSAGE.

Alfred Lyall

 

アミールの伝言

アルフレッド・ライアル

 

原文テキスト:
https://www.ebooksread.com/authors-eng/alfred-lyall/verses-written-in-india-lay/page-2-verses-written-in-india-lay.shtml
原文画像:
https://books.google.co.jp/books?id=03k-AAAAYAAJ&pg=PA67&hl=ja&source=gbs_toc_r&cad=3#v=onepage&q=THE%20AMIR’S%20MESSAGE&f=false

 

I.
ドゥルドニ・ハーンであるアブドゥルラフマンは、ギルザイの首長に書き送った:
「神は私をアフガン人のアミールとされた。しかしあなたの丘にいるあなたは自由である。
「私は剣と印章によって統治する。私に追従や賄賂は通用しない;
「私は高貴なギルザイ族から報酬も貢ぎ物も受け取らない;
「あなたに誓約も約束も求めない;私は許す、誰もが知るように
「あなたが頑なに私に歯向かったことを、そしてあなたの友は私の敵だったことを。
「今や、シェル・アリの息子たちは亡命し、優れた部下たちはばらばらになって逃げ去った、
「そして逃げ延びた者たちは家を失った、そして私が見つけた者たちはみな死んでいた。
「それが慈悲深き御方の御業である、その御心が賞と罰を決められるのである。
「その御方が、富と報復、すなわち血に染まった墓に落ちる涙を決められるのである。
「今、剣が静まっている間に、新たな血が流れる前に、
「私は賢者の助言を求めている。
「最後の傭兵の産地だったマーヴからは、一族がみな遠くに散らばってしまった、
「そして、トルクメニスタンの馬はロシア皇帝の大砲につながれている。
「そこで、あなたが安心して安全に移動するために、
「私の家臣の中からか、私の軍勢の中から、
「あなたが最も信頼し、あなたの部族が知り、
「敬愛する、忠実な心の持ち主を選ばれよ;
「そうしてあなたがカブールまで無事に騎行されるなら、
私たちの生涯の確執はなくなるだろう。」

II.
ギルザイの首長は返事を書いた―「私たちの道は狭く険しいものです、
「太陽が渓谷を激しく焼き、深い谷を雪解け水が流れています;
「カブール川の浅瀬はあのアフリディ人に見張られております;
「私たちが去年の春、彼の仲間を追い回したことを、彼はよく覚えております。
「あなたのキブルの城塞は高くそびえ立ち、多くの人々がそこに住み、休んでいます;
「アミールたちは来客を歓迎されますが、辞去を急かされることはありません;
「そこで、よそ者には安全な護衛と、勇敢な友人の誓いが欠かせません;
「私の知っている者たちの中から誰を選びましょうか、誰を遣わすようアミールにお願い申し上げましょうか。
「ギルザイの民が信頼するヴァジール、ヌール・アフメドを遣わしていただけますか?
「彼は長い間、地下牢に閉じ込められておりました、彼の真実の大胆な心は塵に返りました。
「西の平原から呼ばれたジャムシーディー・アガを遣わしていただけますか?
「彼は部下の騎兵隊の黒い天幕を去って、二度と彼らを率いることはありませんでした。
「すべてのアフガニスタン人を立ち上がせる、グズニのムーラをお願いしてよろしいでしょうか?
「彼は昨年あなたの宴会に招かれました―彼の魂は天国にあります。
「彼の一族の名において誓いを立てる、首長のファイズラはどこにいるのでしょう?
「彼は松に覆われた高地からも、コヒストドンのブドウ畑からも遠く離れたところにいます:
「彼は他の者たちとともに行って―皆消えてしまいました;彼はあなたの城の門をくぐったのです;
「今、私が選んだ彼らは来るでしょうか?私は彼らが顔を見せるのを待ちたいと思います;
「カブールには夜の影が降りていて、降りて行く道は暗く、
「そして守護者である丘は、私を呼び戻す警告の声を発しています;
「ギルザイ人をその山に留まらせよ、そして伝言の通りに出発させるのは、
「アミールがたった一人でも確かな友を遣わしたとき―墓場が死者を送り出したときだけにせよ。」

 

2023.11.7