The Talking Oak しゃべる樫の木
門が再び私の後ろで閉まる/
私は再び目の前に
狩猟場の中に立つ、
崩れ落ちた修道院の壁を見る。
狩猟小屋の向こう、
その渦巻く煙の下には街が見える/
ああ!あの樫の木を見て
私がどんなにうれしいことだろう。
なぜなら、それまで心の中に燃えていた
私の情熱が最初に始まった頃、
私を三倍男らしくする愛は
答えを求めていて/
私は草原に立つあの樫の木に
際限もなく語りかけ、
聖母に訴えるカトリックよりも
大きな信念で訴えたからだ。
なぜなら、私はしばしば彼と二人きりで話をして、
自分の選択を彼に伝え、
彼は私の心を読み取って、
声に出して答えたからだ。
空の下で彼が囁いたことは、
他の誰にも理解できなかった/
しかし、私は彼が饒舌であることを、
大したおしゃべりだということを知っていた。
しかし、彼の返答を最後に聞いてから
数多くの物憂い時間が過ぎた/
彼に質問してみよう、そしてまだあの力が
残っているかどうか試してみよう。
膝までシダに隠れた、
その一番高い枝から
サムナー館の屋根が見える
サムナー狩猟場の大きな樫の木よ!
教えてくれ、私が彼女の名前を刻んだ、
お前の枝の下に
私のオリヴィアのように美しい
娘や人妻が休みに来たかどうか―
「おお、ウォルター、私はここで、
古き良き夏が
年々サムナー狩猟場に実らせた
あらゆる乙女の恵み(*白い肌)を守ってきた:
「頭を滑らかに剃り上げた
修道士が太っていた頃、
古の夏は、彼に帯を強く締めさせ、
娘たちの頬を叩いた。
「それはピーターのペンス(*法皇への献金)、
そしてロザリオと告解を嘲笑って、
荒っぽいハリー(*ヘンリー8世)が食料庫に侵入し、
僧衣を追い出すまでのことだ:
「そして私は、朝の五時から
シカを追い始める時に輝く
その男らしい一団の
二十ばかりの溌溂とした顔を見た/
「そしてすべての町から散歩に来る者たちを見た、
あの激しい風が巻き起こって、
陰鬱な醸造業者の魂が
コウノトリのように私のそばを通り過ぎるまで:
「忠実な血筋の少し軽はずみな娘たち、
そして紐をしっかり締めて賞賛される
他の娘たち、しかし清教徒のコルセットを巻くには
その蕾は膨らみすぎていた:
「そして私は数多くの美人グループに影をさしかけた
彼女達が生まれたのは
フードと張り骨のドレスの、ティーカップの時代、
すなわち、つけボクロが流行っていた頃/
「そして、腕と脚には蝶結びの華やかなリボン、
当時流行のキューピッドが
私の周りを飛び跳ねて、笑って、
そして、金ぴかの矢を鋭く射た。
「誓って言おう(違ったなら全ての葉を
虫にひどく刺されても構わない)
あなたが心を焦しているこの娘は、
それらすべての三倍の価値があると/
「なぜなら、それらとそれらのものは、自然の法によって、
とっくに色褪せてしまった/
しかし、春ごとに私は見てきた
あなたのオリヴィアが咲いていくのを、
「彼女が野原ではしゃぎ回る
幼児だった頃から、
その十代の乙女の花が
十から五つを数えるまで。
「葉っぱ、風、雨にかけて誓う
(その耳でよく聞いておけ)
私は五百年の年輪に
囲まれている—
「しかし、私が初めて影を落とすようになった頃から、
これほど軽々と草の上を、
音楽のように、これほど軽やかに通り過ぎた
生き物はなかった:
「草地を新鮮にするために
飛び回る妖精に
絶妙に似ている、
しかし、はるかに痩せていると思った。」
ああ、お前の瘤のある膝をシダで覆い隠せ、
そして狩猟場を見下ろし/
そして一番高い枝から
サムナー館の屋根を見渡せ!
しかし、しばしば私の誓いを聞いてきた、
私が彼女の名前を刻んだ樫の木よ、
オリヴィアが最後に
お前の枝の下に遊びに来たのはいつか教えてくれ。
「ああ、昨日、知っているだろうが、
町で祭りがあった/
彼女の父親は良い肘掛け椅子から立ち上がって、
狩猟馬に乗って出かけた。
「アルバートも彼と一緒に馬で来た。
私は彼を見て嬉しかった:
カウスリップとオックスリップが似ているように、
彼女と少年は似ているのだ。
「一時間ほど経って、
まだらの灰色馬に引かれた
車輪の低い馬車に、背筋を伸ばして座った
彼女の母親が門を出た。
「しかし、彼女だけは、家にいた。
そして屋根に上って、
あなたが来た道を上から、
不満そうに見ていた。
「小説は半開きのまま、
ローズウッドの棚に置かれていた/
新しいピアノは閉じられたままだった:
彼女は楽しそうではなかった。
「それから彼女は駆け出した、子馬のように元気に、
ヒバリよりも生き生きと。
彼女は目の前の、そして庭園の
すべての木立にその声を響かせた。
「軽い風が翼に乗って彼女を追いかけ、
追いかける途中で激しくなって、
その愛らしい娘の
できる限り近くにまとわりついた:
「しかし、吹く風よりも軽く
彼女はとても素早く動き回った。
彼女が触れた花は傾いては立ち上った、
そして彼女を一目見ようと振り返った。
「そしてここに彼女が来た、私の周りで遊んで、
あなたが作った私の『巨大な幹/』の
三つの詩節を全部、
私に歌ってくれた。
「そして、喜び戯れるあまり
彼女は私の腰周りを測ろうとした。
ああ、私の胴はあまりに太くて、
抱きしめてもらうことができなかった。
「私が、私の周りに、ここ私の隣に
立っている若くて美しいブナだったら
良かった、彼女の手は一つに絡み合って、
しっかりと組み合わされたことだろう。
「それでも、その圧力はスイカズラのかよわい抱擁よりも、
あるいはベリーをつけるブライオニーが
足元に絡みつくのを感じる時よりも
三倍も甘く感じられた。
ああ、お前の膝の周りをシダで覆い隠し、
サムナー狩猟場を影で覆え!
お前のてっぺんの枝からいつまでも
サムナー館の屋根が見えんことを!
しかし教えてほしい、彼女は名前を読んだだろうか?
最後に私が胸を弾ませながら
お前の枝の下に休みに来た時、
数多くの誓いとともに刻んだ名前を。
「ああ、読んだ、彼女は私のこの瘤のある膝の周りを
ぐるぐる、ぐるぐると歩き回った。
そして見つけ、見つけた名前にキスして、
そして甘くささやいた、あなたが彫ったのだと。
「一粒の涙が震えながらこぼれ、
そして私の表皮を伝って落ちた。
私の触覚は粗雑なものだ、
しかし、彼女は泣いたと私は信じている。
「そして彼女の頬にバラ色の光が輝き、
彼女は平原を向こうまで見渡した。
しかし、動物はなにもいなかった。
彼女はもう一度私にキスした。
「彼女のキスはとても親しく、優しかったので、
信じてほしいのだが、
私は硬く、樹皮もしわくちゃな木だが、
それでも樹液をかき乱されたほどだ。
「そして一年が過ぎたことを示す
あの春の盲目の衝動のように
私は私の最も内側の年輪にさえ
喜びを見出した。
「その波打つ香油のような
巻き毛を愛撫し
乙女の柔らかい手のひらを
その手のクッションで押せる者は三倍も幸せだ。
「私は、ここ森の中に根を下ろしている、
そして、私の退屈な植物の愛を
雄蕊と花粉によって
気だるく調整している。
「なぜなら、ああ、友よ、詩人が歌う
葉っぱの中に息づくものが、
その樹皮を脱ぎ捨てて歩けた
時代は短かった。
「しかし、もし私が、昔のように、
小枝、枝、茎から、
それらに散らばっている生命を吸い込んで、
一つに集めることができたなら、
「彼女が私を見逃すことはなかっただろう/
そして軽やかに走り寄って来たことだろう、
彼女のキスに、私は高い利子をつけて
キスを返したことだろう。
ああ、葉っぱの塔を高く繁らせ、
そして野原を見下ろせ、
木陰の中にお前の愛を探し求めよ、
しかし私の愛はお前のものだ。
ああ、シダの中に深く隠れて繁れ、
古い樫の木よ、私はお前をとても愛している/
お前が私に教えてくれたこと
そしてまだ語っていないことについてとても感謝している。
「もう少しだけ話そう:暖かい日だった/
ついに遊び疲れて、
彼女は頭を腕にのせ、
そして私の足元に横たわった。
「彼女のまぶたはその絹の軒を垂れた。
私は彼女の目に息を吹きかけた
それは私のすべての最盛期の葉っぱの
ため息混じりの歓迎だった。
「私は、群れをなす生命の音を捉えた—
街からの音楽を—
鼓笛隊のつぶやきを
そしてそれを私の中に吸収した。
「時々、私は一本の光線を滑らせて
彼女の影になった目に当てた/
金色の蝶のように舞わせた/
「三本目は彼女の首にきらめかせて
ネックレスを輝かせた/
もう一本は、頭から細い足首まで
太陽の小片のように滑らせた。
「それから私は濃く暗い腕を広げ、
そして休む彼女の体に影をさしかけて—
その金色の頭に露を、
その胸にドングリを落とした。
「しかし、彼女は驚いて跳ね起き、
それをほじり出して、私の小さな樫を
胸からつまみ出した、
そして露の中に投げ捨てた。
「それは心を込めた贈り物だったのだ—
私の親族を切り倒すために
木こりが斧を振り上げるのを
見たときのような痛みを私は感じた。
「私の最も美しい子だったから
私はそれを揺り落としたのだ。
それはあなたの隣に、草の中に転がっている。
ああ、一度だけキスしてやってくれ。
「ああ、キスする唇のない私に代わって、
二度、三度キスしてやってくれ、
野原にかつてなかったほどに
美しい樫の木になるだろうから。
ハーブとシダにさらに深く分け入れ、
狩猟場のさらに先を見ろ、
お前の大枝を高く伸ばせ、
サムナー館の正面が見えるまで。
いつか幸せな未来に
より美しい愛の果実が宿るかもしれないところに
ほんの一瞬、横たわった
お前の果実は愛に祝福されている。
私はそれに二度、三度とキスする。
生命を成熟させるその暖かさは
中にいる赤ちゃん樫の木の
心を動かすだろう。
しかし、王国が転覆しても、
あるいは手から手へと渡っても、
この地にお前の葉っぱとドングリが
尽きることは決してない。
ここからリザード岬(*ブリテン島西南端)までの間で
最も美しく話す木であるお前を決して、
ノコギリが切り倒すことなく、
斧がバラバラにすることのなきように。
ああ、すべての甘くゴクリと鳴る喉よ
塔のようなお前のてっぺんで揺れ動け!
すべての満天の星よ
お前の足元に香油の露を落とせ!
すべての絹のような羽根のような草よ、伸びよ—
そしてそれが沈んだり膨らんだりするとき
豊かな南風がお前の周りを吹き
大聖堂の鐘が鳴る。
肥えた土はお前の
深く、枝分かれした根を養う!
北の朝は銀色の穂を
お前の上に高く突き出す!
そして、稲妻よ、お前を焦がすなかれ、
しかし低い雷よ、
眠っているようにゴロゴロ鳴って
お前を大きく奥深くする芳醇な雨を降らせろ!
そして私は厳粛に誓う、
お前だけを立会人として
私はオリヴィアに誠実を誓い、
そして彼女を私の花嫁にしよう。
そして結婚の朝、
彼女はドリュアス(*木の精)のように、
葉っぱとドングリが交互に並んだ花冠で
髪を飾るだろう。
そして私は散文と韻文を書こう、
そして両方でお前をより称賛しよう。
詩人がブナやライムを、
あるいは黒ずんだキジバトが住み、
そして神秘的な言葉が語られた
テッサリアの茂みを称賛するよりも称賛しよう/
そしてイングランドが
すべての道が暗くなって、
そしてはるか下を粗野な賛美歌を口ずさむ
円頂党(*清教徒革命の議会派)の馬が行き過ぎるまで
若きチャールズを匿った、
お前の有名な兄弟樫を称賛するよりも称賛しよう。
2025.9.6
*清教徒革命で処刑されたチャールズ1世は追手を逃れるために樫の木の上で一晩を過ごしたことがある。
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/englishidyls/talkingoak.html