Owd Roä. 老犬ローバー
さて、あの犬はもう耳が聞こえず、目が見えず、立てず、歩けないのだから、
ローバー、ローバー、ローバーと呼んでもしょうがない。
だが、この老いたローバーの晩年を、できる限り幸せなものにしてやりたい、
なぜなら、私はどんな人間よりもローバーに大きな借りがあるからだ。
お前は赤ん坊の頃、大きくなり過ぎる前、彼の背中に乗ったことがある、
彼はどんな用事でもしてくれた。いつもとても行儀が良かった。
ああ、だが彼は戦うときには意思を持って戦い/そしてそれを貫くことができたのだ、
ローバーは、いつどこに骨を埋めるべきかを知っている犬だった。
そして彼は王のように頭を高く上げ、尻尾を垂らすことはなかった、
私たちがハウラビーデールにいた頃、恥ずべきことなど何もなかったからだ。
生きている間、彼は私によく尽くしてくれた。だからディック、彼が死んだら、
私は弔辞を読んでやりたいと思っている。
彼はここで私たちを代表している国会議員よりも良識がある、
もし彼が州の代表に立候補したなら、私は彼に投票するだろう。
「忠実にして真実」―聖書の言葉だ―そして忠実にして真実な者は
二本足より、四本足で歩く者に十倍も見出されるだろう。
そして二本足の者は歩くが、四本足の者は走ることも知っている―
眠いか、ディッキー!しかし、時計が鳴るまで起きていなさい。
なぜなら、ハウラビーデールに住んでいた頃のローバーの話をしたいからだ。
十年前―だめ―だめ!エールは一杯だけにしておきなさい。
あれは私が生まれるずっと前に建てられた、奇妙な時代遅れの家だった、
煙突の半分は斜めに傾いて、干し草の束みたいにねじれていた。
秋になると、それを絵に描く人たちがやってきて、
画架を立てて、その玄関ポーチと、
折れた棒の上の双頭の鷲を描いていた/
そのレンガの上に生い茂っていたようなツタを、彼らは見たことがなかった/
そして―今はもうない、すべてはビートとカブの畑になって、
鋤で平らに耕されてしまった―その家で、ある夜、
私は一人座っていた、
足元にはローバーがいて、石のように静かに眠っていた。
クリスマスイブの、これと同じくらい寒い夜だった。そして牧草地も同じくらい真っ白だった、
そしてその夜、フェンスはすべて、風が吹き寄せた雪に支えられていた。
そして猫はローバーの隣で眠っていたが、私は起きていた、
タバコを吸いながら、いろいろ考えていた―ケーキを食べ過ぎてはいけないよ。
夕食の後、作男たちは歌を歌って、ビールを飲んで、
そして、それぞれ帰って行った/そこには誰もいなかった、彼らの誰もいなかった。
彼らは皆、幽霊が怖くて家に泊まりたがらなかったのだ、
だがディッキー、幽霊なんてのはネズミやハツカネズミに過ぎなかった。
そして私は一度、外を見た。谷はすっかり解けていた、
雪の中を長い黒い蛇のように流れる小川が見えたのだ。
そして私は、雪の塊が崖から小川に崩れ落ちる音を聞いた、
そして玄関に立っていると、首筋に雫が落ちるのを感じた。
そこで私はまた家に入って、過ぎ去った良き時代を思った、
そして戦争で儲けたお金、そしてこれから来る時代のこと/
もし国が外国の小麦を輸入するなら、
ブリテンの農民は、どうして再び立ち上がれるだろうか。
どうやって地代を払い、作男たちに給料を払えるだろうか?
すべては、自分自身に背を向けた男のせいだ。
君は私たちの上の部屋で寝ていた、君が呼ぶ声は私たちに聞こえなかっただろう、
だから母さんは、君と君の揺りかごを丸ごと下に降ろすよう私に言っていた/
君と一緒に寝ていた農場の娘は許しを得て、
その夜、家族のところに帰っていた、クリスマスイブだったからね/
しかし、母さんが床についたとき、私は君のことをすっかり忘れていた、
そして私は椅子に座ったまま眠ってしまった、自由貿易のことが頭から離れなかった。
そのうち夢を見た、地主様が入ってきたので、私は「地主様、もう遅い時間です、」と言った、
そして、彼の顔がそこの暖炉の薪のように赤くなっているのを見た。
そして彼は「今夜、地代を払えるか?」と言った。私は「いいえ」と答えた、
彼は私の髪を強く掴み、「ならば今夜、出て行ってもらう。」と言った。
「クリスマスイブに私を追い出すつもりですか?」と私は言った、
そのとき私は目を覚まし、ローバーが私の袖を引っ張り、引き裂いているのに気がついた。
彼が完全に狂ってしまったと思った。意図が全く分からなかった/
そして「離れろ、このケダモノめ」と言って、彼を蹴飛ばして、追い出した。
すると彼は階段を駆け上がって行った、首が折れたような音がした、
そして私は、小さなディッキー、君の寝室のドアに鍵がかかっていないことをすっかり忘れていた!
そして私は再び椅子に座って、頭を床に落として眠り込んだ。
そして、ローバーが前よりもひどく私の袖を引っ張って、引き裂いているような気がした。
そして、もう一度彼を蹴ったと思ったら、代わりに君の母さんを蹴ってしまった。
「なに鼾をかいているの?家が燃えているのよ」と彼女は言った。
君の母さんは、農場の娘に口うるさかった。
少しも悪くなくても、しばしば、何か悪いことを見つけ出した
そして、彼女は私が罪を犯すことを強く警戒していた、
その娘は、農場で働いたどんな娘よりも自堕落でふしだらだったからだ。
しかし、私もよく注意していたのだが、母さんは口が過ぎることがあった、
だから私は椅子に座ったままでいた。私はからかわれていると思ったのだ。
そして私は「ベス、君が私に良くしてくれるなら、君に良くしてあげるよ」と言った。
しかし彼女は私の椅子を半ばひっくり返し、狂ったフクロウのように叫んだ―
「はしごを取りに行って。もし何かの役に立つのなら、起きなさい」
そして私は「もし私が役立たずでも―今では―全くの役立たずでも―
それでも、何でも言われた通りにするような、全くの役立たずじゃない」
「でも階段が燃えているのよ」と彼女は言った/そして彼女が泣いているのに気づいた。
そして彼女は「ディックを助けなきゃ、しっかりして!」と叫んだ。
そこで私は庭へはしごを取りに行って、壁に立てかけた。
そして登って、窓を叩き割った、
しかし熱が目に飛び込んできて、落っこちそうになった。
君の母さんははしごを支えて、怖がらないで、と言ってくれた、
そして私は怖くなかった。少なくとも怖がってはいなかったと思う/
しかし、煙で君がどこに寝ているのか分からなかった、息子よ、
そしてローバーは部屋にいて、狂ったようにワンワン、キャンキャンと吠えていた/
そして君も同じように泣き、叫んでいた。まるで噛まれたみたいに。
それは噛まれたのではなく、火傷だった。その跡はまだ君の肩に残っている。
そして私はローバー、ローバー、ローバーと呼んだ。半ば聞こえないだろうと思っていた、
しかし彼は私の子供を口にくわえて、炎の中を窓までやってきたのだ!
彼は名前を呼ばれると、慈悲の天使のように、
あるいは、誰かが炎の中で見た聖書の別の天使のように、
誰かが息子を求めたとき、彼女に息子を約束した天使のように、たちまちやってきた。
そしてローバーは、天使のように私の息子を救ってくれたのだ。
それで君を降ろして、私は「ローバーを助けなきゃいけない」と言った。
「あのケダモノを助けに?」私は彼女に「そうだ、行かなきゃいけない」と言った。
そして私は再び窓まで登って、老犬ローバーの頭を掴んだ。
毛がゴッソリ抜けた、最初は死んでいる、と思った/
馬の毛を焼くような匂いがして、モグラのように盲目に見えたのだ、
そして彼の半分は赤ん坊の肌のようになっていた。目を覚まさせることはできなかった。
しかし、私は彼を降ろして、納屋にたどり着いた、風が反対側に強く吹いていて、
風向きは変わりそうになかったので、納屋は燃えないと思ったのだ。
そして私はローバーの名を呼び続け、彼はようやく少し尻尾を振った。
しかし、雄鶏は夜通し鳴き続けた。今でもその声がきこえるようだ/
そして犬たちは周りで遠吠えしていた、そして君もキーキー泣いていた、
そして母さんはガミガミ言っては、我慢して、うめいて、またガミガミ言っていた。
そして屋根が落ちて、レンガや梁がガラガラと崩れる音が聞こえた、
火は審判の日のように燃え盛り、荒れ狂い、うろつき回っていた。
そこが十分に暖かかったことは間違いないが、納屋はとても寒かった。
そこで私たちは寄り添って小さくなって、できる限りお互いをかばい合った。
そしてローバーは意識を取り戻した。しかし母さんはずぶ濡れで、
可哀そうに、その晩、干し草の中で凍えて死んでしまった。
棟木が落ちるときには、教区の半分の人が駆けつけてくれていた―
遅過ぎた―しかし、今やすべてが終わった―すべてが終わったのだ―そして十年になる、
遅くなったな、もう寝なさい。だが、私も一緒に行って明かりを消そう、
もう火事のないように―じゃあ、小さなディック、おやすみ。
*原文はリンカンシャー訛りで書かれています。
2025.10.27
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