Early Sonnets 初期の十四行詩

 

Early Sonnets 初期の十四行詩

 

I.
To — 啓上

私たちが目を伏せて、じっと物思いにふけり、
前世の考えに傾き、あるいは混乱した神秘の
相似の夢に深く落ちてゆくようなとき/
どちらかがただ話したり、咳払いしたり、椅子を動かしたりするだけで、
驚きはどんどん大きくなって、「これらはすべて以前にもあったことだ。
いつ、どこでかだったかは分からないが、
これらはすべてあったことだ。」とまで言うようになる。
だから友よ、あなたに初めて会ったとき、
まるで合わせ鏡がお互いを映し出すように―
とても真実に―私たちの思いは
いつ、どこでかだったかは分からないが、
あなたには何度も会ったことがあると、
お互いがお互いの心と言葉の中に生きていたのだと、
互いに答えを出し合っていたのだ。

 

 

II.
To J.M.K J・M・K様 啓上

私の希望と心は君とともにあります―君は
第二のルターになり、戦う聖職者として、
主の宴から教会の強欲な者どもを追い払うでしょう/
埃をかぶった私たちのベルベット服は、君の助けを大いに必要としています:
君は、虫に食われた説教から抽出された、
古臭いことわざをだらだらと語る安息日の説教者ではありません/
しかし、君は神聖な安息日の半分も続いて、
疲れ果てた書記に机の下で舟を漕がせる、
眠気を誘うような蜜蜂の羽音を説教壇から聞くことを厭い、
そして、鉄の言葉で固めた論拠によって自らの大義のために戦い、
それを守り抜くため、燃えるようなエネルギーで
心に拍車をかけているのです。
天の玉座に座しておられる方は暗闇に向かって
稲妻の矢を放たれるでしょう。私は立ち止まってそれを見守ります。

 

*ジョン・ミッチェル・ケンブル(1807-1857、歴史家)はテニスンのケンブリッジ大学時代の友人で使徒団のメンバーでした。その初期の熱意をテニスンは称賛しましたが、結局のところ彼が宗教界に大きな影響を与えることはありませんでした。

 

 

III.

私の精神の力は、まるで轟音とともに
水源から噴き出し、野原に落ちてこだまを響かせ、
まさにその勢いとともに、ただひたすら流れ下る広大な川のように、
満ち溢れて、自由奔放である:―
それは力を増しながら、
町や塔、丘や岬、島々を通り過ぎ、
緑の塩の海の真ん中でも、何マイルにもわたって
その青い水を清らかに保つ。
私の力は、常にその支配力によって
賢明な者をたちまち魅了し、
やがては相容れない魂にも流れ込むだろう/
あたかもフロリダの偉大な湾流が、
メキシコ南部の豊かな恵みを
遠い北の海へと運ぶように。

 

 

IV.
Alexander アレキサンダー

神の戦士よ、その強き右腕は
その太守がシリアの門イッソスで血を流し、
あるいはメムニアのナフサ鉱山を越えて逃げ去って
永遠の恥辱を被った時、
ペルシャの王座を辱めた—
あなた(その足跡は砂に消え去った)は
二匹の、対等な王冠を戴いて滑ってゆく蛇に導かれ、
砂漠の中のヤシの木が茂る泉のほとり、
アモン神のオアシスへと喜び勇んで進んで行った。
カミアンの神託所はひっそりと月桂樹の木陰に、
その未知の神秘を隠していた:
そこで語られた高貴な言葉は、誰にも伝えられることはなかった/
ただ秘密の聖所から、頬を紅潮させ、瞳を輝かせながら
戻ってくるあなたの姿だけが見られたのである。

 

*アレキサンダー大王(BC356-323)はBC332年、リビアのアモン神殿を訪れて神託を受けました。

 

 

V.
Buonaparte ボナパルト

彼は樫の木のような頑強な心を鎮めようとした、
狂人め!—鎖で縛り、縄で繋ぎ止めようとしたのだ、
インドからインドまでの海と陸を支配するあの島の女王を。
しかし、昼日中に、彼は目を覚まされられた。
木の城壁から―確かな手によって火をつけられた―
ブリテンの砲火が次々と轟いて、稲妻と雷鳴と煙とともに、
コプトの砂浜に打ち寄せる波を鎮めたのだ。
エルシノアが遠い海原に響く戦いのうめき声を聞いた時、
打ち砕かれた帆柱と
突然上がる火の手で揺さぶることによって
私たちは彼に謙虚さを教えた/私たちは
もう一度、トラファルガーで彼にそれを教えた/ギデオンに
茨で懲らされた者たちのように、遅ればせながら、
否応なしに、彼は謙遜を学んだのだ。

 

・コプトはエジプトのことです。ナイルの海戦は1798年です。
・エルシノアはデンマークとスウェーデンの間の海峡の町で「ハムレット」の舞台でもあります。1801年のコペンハーゲンの戦いへの言及です。
・トラファルガーの海戦は1805年です。
・古代イスラエルの士師ギデオンは、戦いに協力しなかった町の指導者たちを茨で懲らしめました。

 

 

VI.
Poland ポーランド


おお神よ、いつまで人は踏みにじられ、

最も卑劣なる者たちに
虐げられなければならないのでしょうか?聖なる血は野を覆い尽くし、
煙を上げる町々はあなたに
叫び声を上げ、ポーランドの心は
震え続けることを止めません。東方のあの傲慢な野蛮人が
その広大な領土の外に新たな王冠を求め、
暴虐の力がさらに増大することを恐れているのです―
叫んでいます「主よ、いつまで続くのでしょうか?
いつまでこの冷酷なモスクワ人による
私たちへの抑圧が続くのでしょうか?」正義にして慈悲深き神よ、
ポーランドが三つに引き裂かれた時に、笑っていた我々を許したまえ/
正義のために立ち上がらなければならない、今この時に、傍観している我々を許したまえ―
血の涙を流して嘆くべきことです!

 

・ポーランドは十八世紀にロシア、プロイセン、オーストリアに分割され、完全に領土を失いました。ナポレオン戦争後はポーランド立憲王国として国土の3/4をロシアに支配されていました。当初は大幅な自治権を持っていましたが、次第に強権的に支配されるようになり、1830年に蜂起が起こりましたが鎮圧されました。

 

 

VII.

その細い手に愛撫され、たしなめられ、
あれこれと、とりとめもない唄を歌いながら、
軽やかな「希望」は「美」が呼びかけるときには舞い下りて、
あらゆる半音階の間を駆け抜けたものだった/
そして、「眠り」が「希望」を薔薇色の帯で縛りつけると、
「空想」がやって来て枕元に座り、
絶えずまとわりつくブヨを追い払って、
妖精の国から聞こえる歌で目覚めさせたものだった。
しかし今や、それらが「美」とともに生きることは少なくなった。
「希望」はもはや元の「希望」ではなく、彼方をさまようばかり、
舌もつれで甘美な愛の誓いを囁くこともない/
そして、夕暮れに葦原の地平線の下に沈む
一つ星よりも哀しい「空想」は、
不幸な「空想」は、荒野で寝ずの番をしている。

 

 

VIII.

その姿、その姿こそが雄弁なのだ!
ただ踊り、歌い、華やかに着飾り、あらゆる手を尽くして
皆の視線を集めることよりも高貴な願いが、
彼女の胸を騒がせたりはしないのだ/
しかし、私たちがくるくるとダンスしているとき
かつて私の心から平穏を奪った
あの美しい胸が、そのとても近くにあることに気付いて
私の空想は一瞬、至福に包まれた。
一瞬、優しい涙が、
かつて心を揺り動かした願望の幻が、
いかなる微笑みをもってしても取り戻せない情熱の亡霊が現れた―
ああ!思わせぶりな女よ、彼女は人を愛することができない、
たとえ、その足元に千年間キスしたとしても、
彼女はただ称賛を受け入れるだけで、気にも留めないだろう。

 

 

IX.

彫刻家よ、あなたは目の前に横たわる
死者の顔型を取るために涙を流しているのか?
ああ、青ざめた画家よ、あなたは記憶の中の
亡き友を描いて、過去を嘆いているのか?
泣き続けよ/愛はその対象よりも長く生き続けられるのだ。
その対象が生きているなら/私にはなおさら泣く理由がある:
私の涙は、愛の涙ではない、とめどなく流れ落ちる涙は、
愛の涙ではなく、愛が消えてしまうかも知れないことを嘆く涙なのだ。
私はそれと、陽気な乾杯などしない。
それが座っている隣には座りたくはない―
ああ、哀れみよ―それを声に出してはならない、
それは大地に囁いて、秘密の死とともに、
緑のクリスマスが疲れ果てた骨を満たす
穴の中に永遠に閉じ込めてしまえ。

 

*クリスマスに雪がない、温暖な冬には疫病が流行って大勢の死者が出るとされていました。

 

 

X.

もし私が、望み通りに愛されるなら、
この広大な地球上に、そして生と死の間の
あらゆる悪の中に、恐れるべきものなど
あるだろうか―もしあなたが私を愛してくれるなら?
もしあなたが私のものになるなら、まるで伝え聞く
どこかの大海原の底の、苦い塩水の中に湧き出る真水の泉のように
清らかな愛は、内なる世界と外なる世界の
あらゆる苦しみを突き破り、切り裂くだろう。
たとえ、新たな洪水が千の山々から押し寄せて、
轟音を立てる何マイルもの泡を、眼に見える限り
はるか下まで広がっている谷底に投げ込もうとも、
遠く離れた山の上で二人きり、手に手を取り合って、
―静かに―あらゆる苦しみから解き放たれて、死を待つことは
恐れではなく、喜びだろう。

 

 

XI.
The Bridesmaid 花嫁介添人

ああ、花嫁介添人よ、幸せの絆が結ばれる前に、
あまりにも泣いたせいで、君の目はほとんど見なくなっていた/
君の姉は微笑んで言った、「私のために泣かないで!
幸せな花嫁介添人は、幸せな花嫁になるわ。」
そして、夫婦が肩を並べて立っていると、
愛が上機嫌で二人の間に降りてきた、
そして、左の肩越しに笑って言った、
「ああ、幸せな花嫁介添人よ、幸せな花嫁になりなさい。」
そして私はすぐに心地よい真実を知った。
優しい儀式が君を泣かせているとき、
私は君が隠すことができなかった涙ゆえに君を愛し、
そして君の手を握って、そして君が握り返すのを感じた、
そして考えた、「私は独り寝にうんざりしている。
ああ、幸せな花嫁介添人よ、幸せな花嫁になりなさい!」

 

 

2025.11.8
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