The First Quarrel(In the Isle of Wight.) 初めての喧嘩(ワイト島で)

 

The First Quarrel(In the Isle of Wight.)
初めての喧嘩(ワイト島で)

 

I.
「少し待ちなさい」と仰るのですね「きっと大丈夫だから」と。
でも、その子は大変なときに生まれて、とても弱々しく、とても白い顔をしています。
待ちなさい!かつて、私は待ちました―長くは待ちませんでした。
今、私は待って、待って、ハリーを待っています―いえ、いえ、誤解しないで下さい!
ハリーと私は結婚していました。その子に恥じることはありません、
その子は正式な結婚で生まれたのです、ただ、夫が死んだ後に生まれたのです。
私はその子のために15年働いてきました、私は働いて、そして終わりを待っています。
私はこの世界に一人ぼっちで、先生以外に友達もいません。

II.
先生、もしお待ちいただけるなら、私の昔の話をさせて下さい。
ハリーと私が子供だった頃、あの人は私を「僕の可愛い奥さん」と呼んでいました/
彼が一緒にいると幸せに、いないと悲しくなりました。
そして一緒に遊んでいるとき、私は遊びよりも彼が好きだったのです/
彼は私にヒナギクで鎖を作ってくれました―彼は私にリュウキンカの玉を作ってくれました、
彼は失礼な男の子たちをやっつけてくれました、私は誰よりも彼が一番好きでした。
私はおてんばで、家ではよく叱られていましたが、
ハリーとは決して喧嘩できませんでした―彼の顔を見さえすれば満足だったのです。

III.
ハリーの親戚にドーセットの農夫がいました。農場に
元気で丈夫な若者を欲しがっていました/人が送られてきて、父親は同意しました/
そしてハリーは何年かドーセットシャーの農場に行くことになりました/
私は悲しむ彼を埠頭まで歩いて見送り、そして私たちは涙ながらに別れました。
船が動き始め、私たちは鐘が鳴るのを聞きました、
「僕は君以外の誰も愛さない、神様のご加護を、僕の可愛いネル。」

IV.
私は子供で、彼も子供でした、そして彼は災難に遭ったのです/
農場に彼と一緒に働いている、あばずれがいました、
彼女は誰かに騙され、捨てられて、罪と恥に塗れていたのです。
そして彼女はハリーと罪を犯しました/一番悪いのはその娘なのです。

V.
そして月日が過ぎ、小さかった私の背も伸びました。
男たちは娘たちの噂をしました「あの中ではネリーが一番だよ。」
私は彼らを相手にしないで、自分にできる限りのことを身につけました。
ハリーが帰ってきたときに、良い奥さんになりたかったのです。

VI.
私は大いに不幸せでもあり、大いに幸せでもありました。
野原に出れば「僕は君以外の誰も愛さない」という声が聞こえたからです/
ヒバリは朝に「僕は君以外の誰も愛さない」と歌い、
ナイチンゲールは夜に「僕は君以外の誰も愛さない」と歌っていました。

VII.
そしてハリーはついに帰ってきました、でも彼は恥ずかしそうに私を横目で見て、
少し私を悩ませました、でも言ってくれました、とても長い月日が過ぎて、
私はとても大人っぽく、背が高くなった―私はもう彼を忘れてしまったかもしれない―
男たちは他にもいたんだから―そう思ったから―彼は今の私を見るのが怖かったんだ、って。

VIII.
野原に冷たい霜が降りたクリスマスの日に、私たちは結婚しました。
レッドベリーの中で結婚したのです、まるで5月みたいに浮かれていました―
楽しい時でした、私の家と私の夫は私の自慢でした。
私たちは風と潮に乗った海峡の船のようでした。

IX.
でも、島には仕事がありませんでした、村々を探し回ってもダメでした、
そこでハリーは仕事を探して、ソレント海峡を渡りました/
そして手紙が来ました「見つかったよ、可愛い奥さん、六週間の仕事だ/
明日1時間だけ家に帰る、そして君にキスしてから行く。」

X.
そこで私は家を片付け始めました、彼が帰って来るのだから当然ですよね?
そして私は隅の方に貼り付けられた古い木箱を見つけました、
中は古いガラクタでいっぱいでした、そして、手紙が一通ありました。
スズメバチの巣に手を突っ込んだ方がマシでした。

XI.
「恋しいあなたへ」―手紙でした―読みました―
「あなたは近くで私の仕事を見つけると約束してくれました、私は死んだ方がマシです―
あなたは私にキスして約束してくれましたね?あなたは約束を守ってくれませんでした、ねえ、
あなたが行ってしまって、私は死んでしまいそうになりました、そして、そうなっていた方がマシでした。」

XII.
私もそうなっていた方がマシでした―あの楽しかった頃に、
ハリーと私が―最初で最後の―喧嘩をする前に。

XIII.
ハリーが入ってきました、そして私は私を狂わせた手紙を彼に投げつけました、
そして彼はすぐに、それについて全部、子供に話すように簡単に話してくれました、
「僕の独身時代のことが、僕の妻に何の関係がある?
僕は妻を裏切らない男であって、君を裏切ったことはない/
それにその女も悪い人ではなかった。」「じゃあ」と私は言った「私だって全然一番良い人じゃない。」
そして彼は私に微笑みました「違うのかい、愛しい人?さあ、さあ、可愛い奥さん、もうやめよう!
男と女は違う、そんなに騒ぐことじゃない。」
しかし彼の言葉は私をさらに怒らせました、そして私は言いました「あなたその女とずっと一緒だったのね、
その間、私は前と変わらず、ずっとあなたを愛していたのに。」
そして彼がしばらく黙っていたので、私はますます腹が立ちました。
それから彼は優しく私の手を撫でました「昔のことは昔のことだよ!」
「昔のことですって!私と結婚したとき、あなた隠していたわね!」と私は言いました。
「昔のことはまた起こるかもね/そして私が子供を産むときに死んだら、
その女に―罪と恥のその女に―あなたは私の子供の世話をさせるのね!
あなたはその女を二番目の母親にするのね!私その女大嫌い―そしてあなたが大嫌い!」
ああ、ハリー、私の夫、私が狂ったように意地悪をしていたとき、
あなたはあんなにやさしく語りかけるより、私が青黒くなるまで殴ってくれていた方が良かった。
「ちょっと待って、ね、きっと大丈夫だから。」

XIV.
そして彼は雨の中を三度歩き回りました、そして私は彼を見つめていました、
そして彼が入ってきたとき、私は自分の心が固くなっているのを感じました、彼はずぶ濡れでした。
そして私は「濡れたものを脱いで」とも「乾いたものを着て」とも言いませんでした。
そして彼が別れを告げたとき、私は自分の心が固くなっていることを知りました。
「君は僕が大嫌いだと言った、エレン、しかしそれは嘘だ、そうだよね/
僕はしばらく君と分かれなきゃいけない―行く前にキスしてくれないか?」

XV.
「行くのね!あの女のところへ行くのね―キスしたいなら―あの女にキスなさい」と私は言いました―
私は臨月を迎えていました、おかしくなっていたのだと思います―
「キスされるより呪われた方がマシよ!」―自分が何を言っているのかわかりませんでした、
私は彼から顔をそむけました、そして彼は後ろを向いて、そして出て行きました。

XVI.
それから彼は私に手紙をくれました「僕は仕事をしなくちゃいけない/
君は僕にキスしてくれなかった、ね、でも僕は君以外の誰も愛したことがない/
喧嘩のことは悪かったと思っているし、手紙のことも悪かったと思っている。
ジャージーに六週間の仕事がある、今夜船で行く。」

XVII.
そして風が吹き始めました、そして私は海に出ている彼のことを考えました。
そして自分が悪かったと思いました。彼はいつも私に優しかったのです。
「ちょっと待って、ね、きっと大丈夫だから」―
そしてその夜、船は沈んだのです―その夜、船は沈んだのです。

 

 

*ネル、ネリーはエレンの愛称
2025.8.3
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/ballads/firstquarrel.html