from The Princess: Tears, Idle Tears 「王女」より:涙、かいなき涙

 

from The Princess: Tears, Idle Tears 「王女」より:涙、かいなき涙

 

涙、かいなき涙、その意味するところを私は知らない、
涙は何らかの神聖な絶望の淵から
心にわき上がり、目に集まって来る、
幸せな秋の野原を眺めて、
もはや過ぎ去った日々を思う時に。

   それは冥界の友を運んでくる帆を、
最初に輝かせる光のように鮮やかで、
すべての愛する者たちとともに水平線の向こうに沈んでゆく帆を
赤く染める最後の光のように悲しい/
とても悲しく、とても鮮やかだ、もはや過ぎ去った日々は

   ああ、それはまだ暗い夏の夜明けに、
死にゆく目に窓がゆっくりと四角く輝き始める前に、
死にゆく耳に聞こえてくる目覚めかけた鳥たちの
最初の鳴き声のように、悲しく、奇妙だ/
とても悲しく、とても奇妙だ、もはや過ぎ去った日々は。

   それは死後に思い出されるキスのように愛しく、
望みなき空想によって別人の唇にする
偽りのキスのように甘い/愛のように深く、
初恋のように深く、そしてありとあらゆる後悔で狂おしいほどだ/
ああ、もはや生の中の死だ、もはや過ぎ去った日々は!

 

 

2025.11.19
https://www.poetryfoundation.org/poems/45384/the-princess-tears-idle-tears