Love and Duty 愛と義務

 

Love and Duty 愛と義務

 

この世でついに結末を見出せなかった愛に、
いかなる続きがあるというのか?流れる涙と、砕ける心か?
あるいは、最初からなかったもののように、すべては同じままなのか?
 決してそうではない。巡る時の中で「過ち」が
「真実」の父になることがあるだろうか?賢者に忌み嫌われる
狂気による、自由の片鱗への、盲目的で傲慢な叫びが、
法の体系や帝国に結実することがあるだろうか?罪そのものが
しばしば「太陽」に通じている、雲の玄関になることがあるだろうか?
そして、この驚くべき愛だけが、死んで
道端の塵になるというのか?あるいは若き日の悪夢、自らの亡霊となって、
打ち砕かれた人生の廃墟の中で
鬱々と思い悩みながら孤独な月日を送るというのか!
 もし、それがその通りで、それが本当にすべてなのだとしたら、
小さな脳、石のような心、活気のない日々を見つめるどんよりした瞳、
機械のようにあちらこちらを長々と歩き回る、
決まりきった灰色の人生、そして無感覚な終焉のほうが、よっぽどましだ。
だが、私は君の愛によって、より気高い存在になったのではなかったか?
私は三倍も無価値ではなくなった!「愛」によって
君もまたそのようになった、そして、その年齢よりも優れた人になった。
「太陽」は軌道を走り、「月」は
満ちて欠ける。待てばいい、そうすれば「愛」そのものが、
うなだれた知識の花を知恵という果実に変えてくれるだろう。
待てばいい:私は「時」を、
そしてそれを何らかの完璧な終焉に導く存在を強く信じている。
 ならば誰かが言うだろう、なぜ良きことのために悪しきことを行なわなかったのか?
なぜ愉しみを選ばなかったのか?と。私のしたことこそが、
その答えになるだろう。私は正しきを知り、
それを行ったのだ/人は神ではないが、
最も人間らしくある時、最も神に近づくのだ。―
―だから、これが君と私にとって良きことなのだと思わせてくれ―
不幸なことだ、私の知恵が平穏を命じるにもかかわらず、
心がそれについていけないとは!どんなにか辛かっただろう、
愛に陶然とした、半ば潤んだ瞳が、私の瞳の上に留まる
その切なる、切なる一瞬、敢えてそれを見つめ返さないことが!
君の低い声が震えて、
途切れてしまいがちになる時、私の声を
完璧に保ち続けることが、
―情熱が躍り出して、君の首に縋りつき、
その胸に(望んでやまない安らぎよ!)
脳と感覚と魂を圧していた重苦しい涙の霧を、
雨のように降らせてしまわないよう、
それを縛り付けて、堪えることが!
 愛そのものが、愛に抗って、
私たちを引き離そうとしたのだ、そして「愛」が愛する「義務」が―
ああ、この世の呪いが―愛されながら憎まれるものが―
「死」のように君と私の愛しい抱擁の間に割り込んで、
そして「この方は誰ですか?あなたの花嫁は私です、」と叫びながら、
君から私を引き離したのだ。
       私の言葉を難解と感じる人がいるかもしれない、
しかし、私は彼らに語っているのではない―
いや、君に語っているのでさえない、私の中に住んでいる君に語っているのだ:
君と私の運命は辛いものだ:君もよく知っている通りだ。
「愛」がこのように去ることがあり得るだろうか?一度なりとも
言葉を交わせたのは、良いことではなかったのか?良いことでなかったはずはない。
あらゆる良きものをもたらす緩やかで甘美な時間が、
あらゆる悪しきものをもたらす緩やかで悲しい時間が、
そして悪しきものから生じるすべての良きものが、あの夜を運んできたのだ。
私たちは二人きりで座っていた。
そして心に大きな空洞をつくってしまった切なる願いに、
想い慕う瞳が言葉を与えていた、
それは一生に一度の涙を流しながらも、
見つめる相手を焼き尽くさんばかりだった。
       忘我は、やがて抱擁になって、
最後にしようとして、決して最後にできなかったキスの間に、
いくつもの出会いと別れが、際限もなく生まれては消えた。
そして勧告と慰めの後に、男を強くする
真実の言葉があった/
やがて闇は薄れ、頭の上で
その短い夜に、夕映えと朝焼けの光が
混じり合った/夏の夜は、私たちの声を聞こうと
星たちの間で歩みを止め/星たちは
愛の魔法にかかったように耳を澄ましていた:「時」の輪は
その場に留まったままで回り続けていた、しかし、ついに終わりがやって来た。
 ああ、その時、自らの破滅に突き進むため
覚悟を決めた人々のように、私たち二人は立ち上がって、
盲目的な一つの情熱と苦痛の叫びによって
―ひとつの人生が終わるときの―
死を前にした激しい告発のように、
愛のすべてを掬い上げ、それを言葉にして、
永遠の別れを告げたのだ。
         生きてくれ―それでも、生きてくれ―
人生に必要なものはすべて意志することが可能であると知りながら、
痛切すぎる悲哀に打ちひしがれる必要があるだろうか―
幸せに生きて欲しい/花を慈しみ/私の祝福に
包まれながら!もし私の「影」が君の想いをよぎって
その平穏を乱すことがあるなら、
忘れ去ることはできずとも―すぐにはー
すべてを忘れ去らずとも
それを記憶の最も暗い奥底へと追いやって、
より穏やかな時間に思い出せばいい。
もし私の影が君の夢に現れるなら、
どうか、満ち足りた表情であらんことを、
真実とは裏腹な、穏やかな瞳で、
君に遠くの光を指さし、
あるいはその心の荷を下ろして、
爽やかな目覚めのその時まで、
君を安らかに憩わせんことを、
やがて朝一番のかすかなさえずりが、完全な合唱に変わり、
そして朝が真珠の鍬を引いて、
美しい緑の野原と東の海の彼方の、
渦高い雲に光の畝を立てるその時まで。

 

 

2026.2.1
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/englishidyls/loveduty.html