The Death of the Old Year 古き年の死

 

The Death of the Old Year 古き年の死

 

膝まで積もる冬の雪、
冬の風は物憂いため息をつく。
教会の鐘を、悲しく、ゆっくりと鳴らせ、
静かに歩き、低く話せ、
古き年は死にゆくのだから。
   古き年よ、死んではならない/
   あなたは快く、我らのもとに来たのだから、
   あなたは確かに、我らと共に生きたのだから、
   古き年よ、死んではならない。

彼は静かに横たわって、動かない/
彼が夜明けを見ることはないだろう。
彼は天上に、来世を持たない。
彼は友と、そして真実の愛をくれた、
そして新しき年は、それらを奪い去るだろう。
   古き年よ、去ってはならない/
   あなたは長く我々とともにあった、
   あなたは我らと共に喜び合った、
   古き年よ、去ってはならない。

彼は泡があふれるほどに、なみなみと注いだ/
こんなに楽しい年は、もうないだろう。
たとえ、彼の目がかすんでゆこうとも、
そして彼の敵が彼を悪く言おうとも、
彼は私にとっての友だった。
   古き年よ、死んではならない/
   我らはあなたと共に、泣き、笑ったのだから、
   私も半ば、一緒に死にたいくらいだ、
   古き年よ、あなたがもし死なければならないのなら。

彼はふざけ、冷やかしてばかりだった。
しかし彼の陽気な冗談も、すべて終わった。
彼の死に目に会うため、荒野を越えて
彼の息子と後継者が、馬を駆ってやってくるが、
彼はその前に死んでいるだろう。
   誰もが我が身を案じる。
   星空の冷たい夜だ、友よ、
   そして陽気で大胆な新しき年は、友よ、
   自分のものを奪いに来る。

なんて苦しそうな息だ!雪の上で
今、コケコッコーと鳴く鶏の声が聞こえた。
影があちらこちらと揺らめく/
コオロギが鳴き/灯火は暗く燃える/
もうすぐ12時だ。
   死ぬ前に、握手をしよう。
   古き年よ、我らはあなたを深く悼むだろう。
   あなたのために、我らに何ができるだろうか?
   死ぬ前に、遠慮なく言ってくれ。

彼の顔は鋭く、細くなってきている。
ああ!我らの友は逝ってしまった。
彼の目を閉じさせ、顎を縛れ。
亡骸から離れ、彼を入れよ
そこに一人、立っている者を、
   そして戸口で待っている者を。
   床には新しい足音、友よ、
   そして戸口には新しい顔、友よ、
   戸口には新しい顔。

 

 

2025.8.26
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/ladyshalott/deatholdyear.html

The Tears of Heaven 大空の涙

 

The Tears of Heaven 大空の涙

 

大空は大地の上で、朝まで夜通し泣いている、
暗闇で泣いている、恥じて泣いている、
なぜなら大地が数えきれないほどの年月、
自ら作り出した悪によって自らを荒廃させ、
不名誉の果実を刈り取っているからだ。
そして日中、大空はその澄んだ、深く青い目に涙を溜めて、
昼間の明るい光を降らせ、
大地の疲れた顔に微笑みかけて
できることなら回心させようとしている。

 

 

2025.8.22
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/suppressedpoems/tearsheaven.html

Circumstance 物事

 

Circumstance 物事

 

ヒースの草原で狂ったように悪ふざけをする
二つの村の二人の子供/
お祭りで出会う二人の他人/
果樹園の壁にもたれてささやく二人の恋人たち/
黄金の安らぎで固く一つに結ばれた、二つの命/
教会の灰色の尖塔の隣で、静かな雨に洗われる
草むした二つの墓と、ヒナギクの花/
一つの村落に生まれ育つ二人の子供/
このようにして生命の環は、巡り、巡る。

 

 

2025.8.20
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/juvenilia/circumstance.html

The Snowdrop マツユキソウ

 

The Snowdrop マツユキソウ

 

もっと、もっと、咲け、
二月の白い乙女よ、
昔も今も、
寒い季節に一人、
先頭を切ってやって来る、
楽しい季節の予言者、
五月の予言者、
バラたちの予言者よ、
もっと、もっと、咲け、
二月の白い乙女よ!

 

MANY, many welcomes,
February fair-maid,
Ever as of old time,
Solitary firstling,
Coming in the cold time,
Prophet of the gay time,
Prophet of the May time,
Prophet of the roses,
Many, many welcomes,
February fair-maid!

 

 

*原文は童謡「雪(雪やこんこ)」のメロディーで歌えることに気づきました。
2025.8.21
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/demeter/snowdrop.html

The Bridesmaid 花嫁介添人

 

The Bridesmaid 花嫁介添人

 

ああ、花嫁介添人よ、幸せの絆が結ばれる前に、
あまりにも泣いたせいで、君の目はほとんど見なくなっていた/
君の姉は微笑んで言った、「私のために泣かないで!
幸せな花嫁介添人は、幸せな花嫁になるわ。」
そして、夫婦が肩を並べて立っていると、
愛が上機嫌で二人の間に降りてきた、
そして、左肩越しに笑って言った、
「ああ、幸せな花嫁介添人よ、幸せな花嫁になりなさい。」
そして私はすぐに心地よい真実を知った。
優しい儀式が君を泣かせているとき、
私は君が隠すことができなかった涙ゆえに君を愛し、
そして君の手を握って、君が握り返すのを感じた、
そして考えた、「私は独り寝にうんざりしている。
ああ、幸せな花嫁介添人よ、幸せな花嫁になりなさい!」

 

 

2025.8.21
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/juvenilia/earlysonnets.html#bridesmaid

Song:The Owl 歌:フクロウ

 

Song:The Owl 歌:フクロウ

 

I.
猫が走って家に帰り、辺りが明るくなり、
 地面の露は冷たく、
遠くの小川は静かに流れ、
 風車が風を切って回り、
 風車が風を切って回るとき/
  シロフクロウは一羽、
  五感を温めながら鐘楼に留まっている。

II.
陽気な乳しぼりの娘が掛け金を鳴らし、
 刈りたての干し草がすばらしく香り、
わらぶき屋根の下で雄鶏が鳴き、
 二度、三度と繰り返し、
 二度、三度と繰り返すとき/
  シロフクロウは一羽、
  五感を温めながら鐘楼に留まっている。

 

 

2025.8.20
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/juvenilia/owl.html

To Dante ダンテ殿 啓上

 

To Dante ダンテ殿 啓上

 

六百年の長きにわたって君臨し、その力は増し、
そして今も増し続けている王よ、あなたの
麗しのフィレンツェが、あなたの誕生を称え、
今やイタリアの冠たるフィレンツェが、
私に一節の賛辞を求めたのです、
私は、一日限りの花冠しか持たないものですが、
色褪せてゆく一輪の花をあなたの足元に捧げましょう。

 

 

2025.8.20
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/ballads/dante.html

The Charge of the Light Brigade 軽騎兵隊の突撃

 

The Charge of the Light Brigade 軽騎兵隊の突撃

 

I
半リーグ、半リーグ、
半リーグ先へ、
 死の谷の中に六百騎はいた。
「軽騎兵隊、前進!
大砲に向かって突撃!」命令が出た。
死の谷の中を
 六百騎は進んだ。

II
「軽騎兵隊、前進!」
動揺する者はいただろうか?
いや、いなかった、しかし、誰かが
 過ちを犯したことは分かっていた。
 彼らは返答しない、
 彼らは理由を聞かない、
 彼らはただ実行し、死ぬだけ。
 死の谷の中を
 六百騎は進んだ。

III
右に大砲、
左に大砲、
正面に大砲、
 一斉砲撃、轟音/
銃弾と砲弾の中を、
彼らは立派に勇敢に進んで行った、
死の顎の中へ、
地獄の入り口に
 六百騎は進んで行った。

IV
抜き身のサーベルは閃いた、
空中で翻っては閃いた、
砲手を斬りつけ、
敵軍に突撃して、
 世界中を驚かせた。
それは砲煙の中に突入し、
敵の陣地を突破した/
コサックとロシア兵は
サーベルの一撃によろめき、
 打ち砕かれ、引き裂かれた。
そして彼らは引き返したが、
 六百騎ではなかった。

V
右に大砲、
左に大砲、
正面に大砲、
 一斉砲撃、轟音/
銃弾と砲弾の中で、
馬も英雄も倒れた。
立派に戦った者たちは
死の顎を通り抜け、
地獄の口から戻ってきた、
生き残ったのはすべて、
 六百騎の生き残りだった。

VI
彼らの栄光が失われることがあるだろうか?
ああ、世界中を驚かせた
 彼らの途方もない突撃よ!
彼らが敢行した突撃に栄光あれ!
高貴なる六百騎、
 軽騎兵隊に栄光あれ!

 

 

*1リーグ=3マイル、テーマはクリミア戦争のバラクラヴァの戦い(Battle of Balaclava)です。命令伝達の齟齬のため、軽騎兵隊は敵の砲兵陣地に危険な正面突撃を行ない、多数の死傷者を出しました。
2025.8.19
https://www.poetryfoundation.org/poems/45319/the-charge-of-the-light-brigade

Of Old Sat Freedom on the Heights かつて自由は高みに座し

 

Of Old Sat Freedom on the Heights かつて自由は高みに座し

 

かつて自由は高みに座し、
その足元には雷鳴が轟いていた。
頭上には星の光が揺れていた。
奔流のぶつかり合いを彼女は聞いていた。

予言の力を持つ彼女は
そこにいることを楽しんでいた、
しかし、彼女の力強い声の断片は
風に乗って流れて来た。

そして彼女は町と野に降りてきて
人間に交わった、
そして自らの顔の豊かさを
その部分ごとに人々に示した―

壮大な仕事の厳かな母は
神のごとく、三叉の矛を握り、
王のごとく、王冠を戴いて、
彼女の島の祭壇から見下ろしている。

彼女の開かれた目は真実を求めている。
そこには千年の叡智が宿っている。
願わくば永遠の若さが
その目の光を涙から守らんことを/

その美しい姿が立ち輝いて、
私たちの日々を明るくし、私たちの夢を照らし出し、
聖なる唇が
過激主義者たちの嘘を嘲らんことを!

 

 

2025.8.8
https://www.poetryfoundation.org/poems/45374/of-old-sat-freedom-on-the-heights

The First Quarrel(In the Isle of Wight.) 初めての喧嘩(ワイト島で)

 

The First Quarrel(In the Isle of Wight.)
初めての喧嘩(ワイト島で)

 

I.
「少し待ちなさい」と仰るのですね「きっと大丈夫だから」と。
でも、その子は大変なときに生まれて、とても弱々しく、とても白い顔をしています。
待ちなさい!かつて、私は待ちました―長くは待ちませんでした。
今、私は待って、待って、ハリーを待っています―いえ、いえ、誤解しないで下さい!
ハリーと私は結婚していました。その子に恥じることはありません、
その子は正式な結婚で生まれたのです、ただ、夫が死んだ後に生まれたのです。
私はその子のために15年働いてきました、私は働いて、そして終わりを待っています。
私はこの世界に一人ぼっちで、先生以外に友達もいません。

II.
先生、もしお待ちいただけるなら、私の昔の話をさせて下さい。
ハリーと私が子供だった頃、あの人は私を「僕の可愛い奥さん」と呼んでいました/
彼が一緒にいると幸せに、いないと悲しくなりました。
そして一緒に遊んでいるとき、私は遊びよりも彼が好きだったのです/
彼は私にヒナギクで鎖を作ってくれました―彼は私にリュウキンカの玉を作ってくれました、
彼は失礼な男の子たちをやっつけてくれました、私は誰よりも彼が一番好きでした。
私はおてんばで、家ではよく叱られていましたが、
ハリーとは決して喧嘩できませんでした―彼の顔を見さえすれば満足だったのです。

III.
ハリーの親戚にドーセットの農夫がいました。農場に
元気で丈夫な若者を欲しがっていました/人が送られてきて、父親は同意しました/
そしてハリーは何年かドーセットシャーの農場に行くことになりました/
私は悲しむ彼を埠頭まで歩いて見送り、そして私たちは涙ながらに別れました。
船が動き始め、私たちは鐘が鳴るのを聞きました、
「僕は君以外の誰も愛さない、神様のご加護を、僕の可愛いネル。」

IV.
私は子供で、彼も子供でした、そして彼は災難に遭ったのです/
農場に彼と一緒に働いている、あばずれがいました、
彼女は誰かに騙され、捨てられて、罪と恥に塗れていたのです。
そして彼女はハリーと罪を犯しました/一番悪いのはその娘なのです。

V.
そして月日が過ぎ、小さかった私の背も伸びました。
男たちは娘たちの噂をしました「あの中ではネリーが一番だよ。」
私は彼らを相手にしないで、自分にできる限りのことを身につけました。
ハリーが帰ってきたときに、良い奥さんになりたかったのです。

VI.
私は大いに不幸せでもあり、大いに幸せでもありました。
野原に出れば「僕は君以外の誰も愛さない」という声が聞こえたからです/
ヒバリは朝に「僕は君以外の誰も愛さない」と歌い、
ナイチンゲールは夜に「僕は君以外の誰も愛さない」と歌っていました。

VII.
そしてハリーはついに帰ってきました、でも彼は恥ずかしそうに私を横目で見て、
少し私を悩ませました、でも言ってくれました、とても長い月日が過ぎて、
私はとても大人っぽく、背が高くなった―私はもう彼を忘れてしまったかもしれない―
男たちは他にもいたんだから―そう思ったから―彼は今の私を見るのが怖かったんだ、って。

VIII.
野原に冷たい霜が降りたクリスマスの日に、私たちは結婚しました。
レッドベリーの中で結婚したのです、まるで5月みたいに浮かれていました―
楽しい時でした、私の家と私の夫は私の自慢でした。
私たちは風と潮に乗った海峡の船のようでした。

IX.
でも、島には仕事がありませんでした、村々を探し回ってもダメでした、
そこでハリーは仕事を探して、ソレント海峡を渡りました/
そして手紙が来ました「見つかったよ、可愛い奥さん、六週間の仕事だ/
明日1時間だけ家に帰る、そして君にキスしてから行く。」

X.
そこで私は家を片付け始めました、彼が帰って来るのだから当然ですよね?
そして私は隅の方に貼り付けられた古い木箱を見つけました、
中は古いガラクタでいっぱいでした、そして、手紙が一通ありました。
スズメバチの巣に手を突っ込んだ方がマシでした。

XI.
「恋しいあなたへ」―手紙でした―読みました―
「あなたは近くで私の仕事を見つけると約束してくれました、私は死んだ方がマシです―
あなたは私にキスして約束してくれましたね?あなたは約束を守ってくれませんでした、ねえ、
あなたが行ってしまって、私は死んでしまいそうになりました、そして、そうなっていた方がマシでした。」

XII.
私もそうなっていた方がマシでした―あの楽しかった頃に、
ハリーと私が―最初で最後の―喧嘩をする前に。

XIII.
ハリーが入ってきました、そして私は私を狂わせた手紙を彼に投げつけました、
そして彼はすぐに、それについて全部、子供に話すように簡単に話してくれました、
「僕の独身時代のことが、僕の妻に何の関係がある?
僕は妻を裏切らない男であって、君を裏切ったことはない/
それにその女も悪い人ではなかった。」「じゃあ」と私は言った「私だって全然一番良い人じゃない。」
そして彼は私に微笑みました「違うのかい、愛しい人?さあ、さあ、可愛い奥さん、もうやめよう!
男と女は違う、そんなに騒ぐことじゃない。」
しかし彼の言葉は私をさらに怒らせました、そして私は言いました「あなたその女とずっと一緒だったのね、
その間、私は前と変わらず、ずっとあなたを愛していたのに。」
そして彼がしばらく黙っていたので、私はますます腹が立ちました。
それから彼は優しく私の手を撫でました「昔のことは昔のことだよ!」
「昔のことですって!私と結婚したとき、あなた隠していたわね!」と私は言いました。
「昔のことはまた起こるかもね/そして私が子供を産むときに死んだら、
その女に―罪と恥のその女に―あなたは私の子供の世話をさせるのね!
あなたはその女を二番目の母親にするのね!私その女大嫌い―そしてあなたが大嫌い!」
ああ、ハリー、私の夫、私が狂ったように意地悪をしていたとき、
あなたはあんなにやさしく語りかけるより、私が青黒くなるまで殴ってくれていた方が良かった。
「ちょっと待って、ね、きっと大丈夫だから。」

XIV.
そして彼は雨の中を三度歩き回りました、そして私は彼を見つめていました、
そして彼が入ってきたとき、私は自分の心が固くなっているのを感じました、彼はずぶ濡れでした。
そして私は「濡れたものを脱いで」とも「乾いたものを着て」とも言いませんでした。
そして彼が別れを告げたとき、私は自分の心が固くなっていることを知りました。
「君は僕が大嫌いだと言った、エレン、しかしそれは嘘だ、そうだよね/
僕はしばらく君と分かれなきゃいけない―行く前にキスしてくれないか?」

XV.
「行くのね!あの女のところへ行くのね―キスしたいなら―あの女にキスなさい」と私は言いました―
私は臨月を迎えていました、おかしくなっていたのだと思います―
「キスされるより呪われた方がマシよ!」―自分が何を言っているのかわかりませんでした、
私は彼から顔をそむけました、そして彼は後ろを向いて、そして出て行きました。

XVI.
それから彼は私に手紙をくれました「僕は仕事をしなくちゃいけない/
君は僕にキスしてくれなかった、ね、でも僕は君以外の誰も愛したことがない/
喧嘩のことは悪かったと思っているし、手紙のことも悪かったと思っている。
ジャージーに六週間の仕事がある、今夜船で行く。」

XVII.
そして風が吹き始めました、そして私は海に出ている彼のことを考えました。
そして自分が悪かったと思いました。彼はいつも私に優しかったのです。
「ちょっと待って、ね、きっと大丈夫だから」―
そしてその夜、船は沈んだのです―その夜、船は沈んだのです。

 

 

*ネル、ネリーはエレンの愛称
2025.8.3
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/ballads/firstquarrel.html