The Dawn 夜明け

 

The Dawn 夜明け

「君たちはまだ子供だ。」

エジプトの神官からソロンへ。


 

 

I.
夜明けの赤!
ティルスのモロクの赤く焼けた手のひらで泣き叫ぶ赤ん坊、
南方の森で、兄弟であることを忘れて人間を食らう人間、
主の御名の下に、次から次へと、魂を炎の餌食にする司祭たち、
首狩り族と、人間の血の上を漂うダホメーの舟!

II.
夜明けの赤!
神なき民衆の怒り、キリストに似ていない王たちの浮かれ騒ぎ、
そして都市に降り注ぎ、農場を燃え上がらせる戦争の稲妻、
なぜならバビロンは生まれたばかりの嬰児、ローマは腕に抱かれた赤子、
そしてロンドン、パリ、その他すべてはまだ手引き紐につながれた子供だからである。

III.
夜明けであって昼間ではない、
不名誉がその食人の宴で冷血の名前を口にし、
そして肉体と魂が滅びて、ともに沈み、
そして千の都市の新聞がその獣臭さゆえに重宝され、
あるいは硬貨や小切手のために汚れなき真実が容易に侵犯されるときは。

IV.
夜明けであって昼間ではない!
低い獣の巣穴から登ってきた者、心と魂を持った人間、
四つ足の意思の奴隷ではない者がこれほどまでに少ないことは恥ではないだろうか?
しかし、もし太陽の光がまだ二千万の夏を与えてくれるなら、
人類の真昼にほど遠い我々にも、成長のための時間はある。

V.
夜明けの赤!
その赤は薄まりつつあるのだろうか?そうあって欲しい、しかしいつ、我々は
いまだ徘徊して、我々を悩ませる野獣の亡霊を葬り去って、自由になれるのだろうか?
百、千の冬の後だろうか?ああ、我々の子供たちはどうなっているのだろうか、
十万、百万の夏の後の人間たちは?

 

 

*ダホメーは現在のアフリカ・ベナンの旧名、奴隷狩りで有名でした。
2025.10.10
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/deathofoenone/dawn.html

The Roses on the Terrace テラスのローズとバラ

 

The Roses on the Terrace テラスのローズとバラ

 

ローズ、五十年前、このテラスで、
   私が人生の六月を、あなたが五月を迎えていた頃、
「私のバラ(*ローズ)」という二語に、あなたは顔を赤らめた、
   そして今、私の髪は白く、あなたのそれは灰色になり、
五十年前のあの赤面は、愛しい人よ、
   過ぎ去った日のバラ色だが、まるで五十マイル先の
青を背にして輝いている私たちのテラスの
   この赤いバラのように、今日、私には近く感じられる。

 

 

2025.10.10
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/demeter/rosesterrace.html

Child-Songs 子供の歌

 

Child-Songs 子供の歌

 

I.
街の子

かわいい小さな女の子、どこに行きたいの?
 このきれいなお家から、お母さんのお家から、どこに行きたいの?
「遠く、遠くへ」とかわいい小さな女の子は言いました。
「アツバサクラソウとアネモネ、
 バラとユリとフウリンソウのお花畑へ。」

かわいい小さな女の子、どこに行きたいの?
 このきれいなお家から、私たちの街のお家から、どこに行きたいの?
「遠く、遠くへ」とかわいい小さな女の子は言いました。
「クローバーとクレマチス、
 デイジーとキンポウゲとスイカズラの花の野原へ。」

II.
ミニーとウィニー

ミニーとウィニーは
 貝殻の中で眠っていました。
お眠りなさい、小さなお嬢さんたち!
 はい、とてもよく眠っていました。

貝殻の中はピンク色、
 外は銀色/
まわりには大きな海の音が
 聞こえていました。

お眠りなさい、小さなお嬢さんたち!
 ゆっくりとお眠りなさい!
こだまは後から後から
 月に昇っては消えてゆきます。

二つの明るい星が
 貝殻を覗き込みました。
「どんな夢を見ているんだろう?
 ぜんぜんわからないね?」

緑色のムネアカヒワが
 畑から飛び出しました/
起きなさい、小さなお嬢さんたち、
 もうお日さまが高いですよ!

 

 

2025.10.10
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/misc/childsongs.html

The Captain 船長

 

The Captain 船長

 

恐怖だけで人を支配する人は
 ひどい悪事を行なっているのです。
それは大変深刻な過ちなのです。
 彼にこの歌を聞かせましょう。
勇敢な船長がいました/船員たちは
 イングランドの自由人の勇敢な息子、
大胆で誠実な船乗りで、
 勇敢な乗組員たちでした。
しかし彼らは船長の圧制を憎んでいました/
 彼は厳格で、軽率でした。
それゆえ、あらゆる些細な違反のたびに
 部下に鞭打ち刑を行なったのです。
日々、船長の気性は
 より厳しく、より残酷になっていくようでした。
くすぶった石炭のような秘められた怒りが
 一人一人の血の中に燃えていました。
しかし彼は栄光を望み、
 どこに行ったとしても
自分の船の名前を
 偉大なものにしたいと思っていました。
こうして彼らはヤシの丘の下、
 遠い南の海を航海して
岬や島々、
 数多くの港を通り過ぎました。
ある日、彼らが航海していると
 広大な大海原の向こう、
北の方角に、帆を広げた
 フランス船が見えました。
そのとき船長は顔色を変え、
 喜びの声を上げました。
しかし、船員たちの目には
 曇った喜びが灯りました。
「追え」と彼は命じ/船は前進しました、
 風が吹いていました/
船は堂々と、軽やかに、北に進んで、
 敵に近づきました。
そのとき船員たちは憎むべき船長を見ました。
 待ち望んでいたときが来たのです。
黙って腕を組んだまま、彼らは動きませんでした—
 一発の砲弾も放ちませんでした。
そして彼らの破滅を告げる
 敵の雷鳴を聞いたのです/
大気は引き裂かれ、
 凄まじい轟音が響き渡りました。
マストは折れ、甲板は壊れ、
 弾丸は雨のように降り注ぎ/
マストと甲板の上に船員たちの血と脳が
 飛び散りました。
マストは折れ/甲板は壊れ/
 すべての母親の息子たちは—
言葉もなく—それぞれ自分の大砲のそばに—
 崩れ落ちました。
甲板に横たわる彼らは
 険しい顔をしていました。
血まみれで、死に瀕した彼らは
 微笑んでいました。
船長が自分の名を上げるために
 頼りにしていた者たちが
静かな抵抗の微笑みとともに
 彼を恥辱に売り渡したのです。
屈辱と怒りに混乱して、
 彼は青くなり、そして赤くなりました、
そして彼自身も致命傷を負って
 死体の上に倒れました。
悲惨な過ち!恐るべき虐殺!
 それから何年も経ちました/
水の下に、乗組員と船長は
 並んで眠っています。
そこでは朽ちてゆく彼らの上で
 大洋の日光が揺れています、
そして一羽の海鳥が
 羽ばたき一つで通り過ぎます。

 

 

2025.10.8
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/englishidyls/captain.html

Charity 慈善

 

Charity 慈善

 

I.
「かぐわしい夏の時間を無駄にして」何をしているのか、とあなたはおっしゃいます。
目が見えないのですか?私は一人の女性のお墓を花で飾っているのです。

II.
聖書が言う通り、女は世界を滅ぼしました。
そしてある男性が私の世界を滅ぼしました、しかし、祝福あれ、ある女性が私を地獄から救ってくれました。

III.
私を愛しているですって?ああ、そうでしょう―間違いなく―あなたが私を捨て去るまでは!
ドレス、レース、宝石を下さっても、花嫁の指輪を下さることは決してないでしょう。

IV.
今、私を可愛い人、素敵な人と呼んで下さるのはうれしいことです。
でもしばらくしたら、私と道で会っても、知らん顔でしょうね?

V.
あなたに初めて会った時―彼があなたを連れてきた時!―私は目をそらしました。
そして、その冷たい青い目には、今も獲物を狙う獣のような光が宿っています。

VI.
あなたは彼の友人でした―あなた―あなたは―彼が私を花嫁にすると約束した時、
私を裏切ろうとしていたことを知っていたのです―知っていたのです―あなたは彼が嘘をついたことを知っていたのです。

VII.
彼は相続人、州の半分もの地所を遺贈された人と結婚したのです。
私は自分の運命を知った時、絶望して、彼のいる方角に向かって嘆き、呪いました。

VIII.
ナイフを手にして、川岸に降りていって、
「たったの一突きで、永遠の安らぎが得られるのだわ」と一人嘆きました。

IX.
あの男は、私の最期を知ったなら、少しは後悔するでしょうか?
それとも、ワインを飲みながら仲間の遊び人たちに、私を征服したと自慢するのでしょうか?

X.
お金―手切れ金―彼のお金を、私は彼に返しました―
そこを少しよけて下さいませんか?あなたの影がお墓に落ちています。

XI.
二両の列車が衝突しました。彼はそのとき、そこで一瞬のうちに圧し潰されて死んでしまいました。
しかし、新婚の妻は、彼のすぐ隣に座っていたにもかかわらず、無傷でした。

XII.
彼女は彼が持っていた私の手紙を見つけました。私の非難と侮辱の嘆きを/
私は彼と、彼が結婚した女性と、私が生まれた日を呪っていたのです。

XIII.
彼は永遠に葬り去られました。そして一週間後―ああ―
悪魔のように歓迎されない見知らぬ人、一人の未亡人が私を訪ねて来たのです:

XIV.
私は顔を壁に向けました、私は狂っていました、私は荒れ狂っていたのです。
私の不名誉な時、私生児の誕生の時が近づいていました。

XV.
ああ、悲しむ人をなだめ、ごまかし、嘘をつき、丸め込むことができるあなた。
男の人、あなたには魂を愛する魂など想像できますか?

XVI.
私は彼女を女性として、妻として呪っていました。そして私は妻として、女性として、
かつて地上を歩いた中で最も優しい、キリストのような存在を見つけたのです。

XVII.
彼女は私を見守り、世話をし、食事を与え、昼も夜も私のベッドのそばに座っていました。
幸いにも死産だった男の子の喜びのない誕生の日まで。

XVIII.
それであなたのお名前は?何とおっしゃるの?私は彼女に尋ねました。彼女は突然
忍耐強い顔を輝かせて言いました「私の愛する人、おいとまする前にお教えしましょう。」

XIX.
そしてついにそれを知った時、私は叫んで、イスから飛び上がりました。
私は泣いて、彼女の手をキスし、彼女の足元に身を投げました。

XX.
そして私たちは、彼女にその名前を与えた彼のために、彼のために一緒に祈りました。
彼女は私が生きていくために十分なものを残してくれました。私は恥の報酬を払う必要がなくなったのです。

XXI.
彼女は病室で看護をしていた時にかかった熱病で亡くなりました。
彼女は高い天国の中の天国で、彼女の主と顔と顔を合わせています。

XXII.
そして神は、この冷酷な世界のどこにも、彼女のような存在を見つけられることはないでしょう!
私の話は終わりました。行って下さい。私は彼女のお墓を花で飾っているのです。

 

 

2025.10.9
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/deathofoenone/charity.html

The Silent Voices 静かな声

 

The Silent Voices 静かな声

 

黒衣をまとった、ものを言わぬ時が
私の寝床に夢を運んでくる時、
死者たちの静かな声よ、そんなに頻繁に
過去の低い道へ、
そして沈んでしまった太陽のもとへと、
私を呼び戻さないでくれ!
むしろ、静かな声よ、私を誘ってくれ、
彼方の高みに向かって
高く、どこまでも高く昇り続ける
またたく星の軌道へと!

 

 

2025.10.8
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/deathofoenone/silentvoices.html

Second Song To the Same. 二番目の歌 同上(*Song: The Owlの続き)

 

Second Song To the Same. 二番目の歌 同上(*Song: The Owlの続き)

 

I.
お前のトゥウィッは静まった、
 昨夜お前のトゥウゥは、
闇に浮かび上がった、
 こだまはあまりに喜びすぎて、
 こだまはあまりに喜びすぎて、
  調子を崩してしまい、
  今日はかすれた声をしている。

II.
お前のトゥウゥはほんの少しも
 真似ができないけれど/
もう一度お前の歌を真似てみたい/
 お前のトゥウィッを誘うために、
 お前のトゥウィッを誘うために、
  あの長くて大きな声を誘うために、
  トゥウゥ、トゥウィッ、トゥウィッ、トゥウゥ-ウゥ-ウゥ。

 

 

2025.10.8
*イギリスではフクロウは「トゥウィッ、トゥウゥ」と鳴くようです。
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/juvenilia/secondsong.html

Beautiful City 美しい都市

 

Beautiful City 美しい都市

 

美しい都市、ヨーロッパの混乱の中心であり噴火口、
人間の平等の権利のために情熱的な叫び声をあげるあなたよ、
市民の狂気の奔流の中で、いかにしばしばあなたの革命は
再び振出しに戻る進化に過ぎないことが証明されてきただろうか!

 

 

2025.10.3
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/demeter/beautifulcity.html

Early Spring 早春

 

Early Spring 早春

 

I.
再び、天の力が
 すべてを新しくし、
赤く耕された丘を
 愛に満ちた青で覆う/
クロウタドリは意思を持っている、
 ウタツグミも同じである。

II.
天の扉が開く/
 ガラスの空から
ヤコブの梯子が
 緑の草に降り、
そして山の壁を越えて
 若い天使たちが通り過ぎる。

III.
彼らの前を通り雨が行き、
 つぼみが開き、
平野が輝いて、
 大水が通り過ぎる/
星々は彼らの手から
 森へと投げられる。

IV.
生き生きした空気がどんなに優しく
 森を扇ぐことだろう、
砂浜のはるか下に
 眠る深い海の
軽い寝息を
 陸は聞いている。

V.
ああ、躍動する血よ、
 季節の誘いに従え!
ああ、心よ、穏やかに、安らかに、
 見下ろし、見上げよ、
クロッカスの杯のように暖かく、
 スノードロップのように清らかに!

VI.
過去と未来は少しばかりの魔法で
 あの谷の輝き、
遠くの青い丘、
 そしていかにもはかない
音と香りの共感を
 きらめかせては消えてゆく!

VII.
軽やかな鳥よ、
 お前が密やかにさえずるまで、
優美な空想は広がる、
 そしてそっとかき回されて、
言葉から言葉へと移ってゆく
 変化の小さな鐘を鳴らす。

VIII.
今や天の力が
 すべてを新しくし、
冷たさを溶かし、
 花を露で満たす/
クロウタドリは意思を持っている、
 詩人も同じである。

 

 

2025.10.7
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/tiresias/earlyspring.html

Epitaph on Caxton キャクストンの墓碑銘

 

Epitaph on Caxton キャクストンの墓碑銘

聖マーガレット教会、ウェストミンスター

 


EIAT LUX(彼のモットー)

 

あなたの願いは「光を―もっと光を―世の終わりまで!」でした。
あなたは夜の上に広がってゆく光を見られました、
しかし、その光が落とす影までは見られませんでした、
いまだ「光から放たれた光」に打ち消されない影までは。

 

 

2025.10.3
*ウィリアム・キャクストン(1415-1492)はイングランドで最初に印刷会社を興しました。原文のrawestはsawestの間違いのようです。「光から放たれた光」とはキリストのことです。
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/tiresias/caxton.html