The Poet’s Mind 詩人の心

 

The Poet’s Mind 詩人の心

 

I.
詩人の心を悩ませるな
 その浅はかな機知で:
詩人の心を悩ませるな/
 なぜなら、それは君には計り知れないからだ。
それは常に澄んで明るく、
水晶の川のように流れ/
光のように明るく、風のように澄んでいなければならない。

II.
暗い眉の詭弁家よ、近寄るな/
 ここは聖なる地だ/
 空虚な微笑みと冷え切った嘲笑は
   ここに来るな。
 この地を囲む月桂樹の灌木の
 あらゆる香り高い花に
私は聖なる水を注ごう。
花たちは君の残酷な喝采に卒倒するだろう。
 君の目には死があり、
 君の息には霜があって
 それは草木を枯らすだろう。
  君のいるところでは
   森の野鳥の大騒ぎも
   聞こえない。
庭の真ん中では鳥が上機嫌に歌っている。
君が入って来たなら、それは地面に落ちてしまうだろう。
中央では低い
   メロディアスな雷鳴とともに
   幕電のように常に輝き続ける
 噴水が飛び跳ねている/
それはあの遠い
 紫の山の脳から昼も夜も、

 常に引かれ続けている。
それは天上から山へと引かれている、
そしてそれは木陰の多い平らな芝生に湧き上がる、

そしてそれは不滅の愛の歌を歌う/
そして、その声はとても澄んでいて、豊かなのにもかかわらず、
君には決して聞こえないだろう、君の耳はあまりにも鈍い/
だから君は君がいるべきところに留まれ/君は罪に汚れている/
君が入って来たなら、それは大地に吸い込まれてしまうだろう。

 

 

2025.10.28
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/juvenilia/poetmind.html

Requiescat 安らかに眠れ

 

Requiescat 安らかに眠れ

 

あの広大な水面がゆっくりと穏やかに
 過ぎ去ってゆくところに、彼女の美しい小屋が建っている。
それは藁の屋根から土台まで
 滑ってゆく水に夢のように
映っている。

そして彼女はさらに美しい、しかし、ああ、なんと早く逝ってしまうことだろう!
 彼女の静かな人生の夢は、いま終わりを告げる。
彼女の平和な存在は、より完全な平和に向けて
 ゆっくりと過ぎ去ってゆく。

 

 

2025.10.26
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/enocharden/requiescat.html

北の農夫 ニュー・スタイル

 

北の農夫 ニュー・スタイル

 

I.
軽やかに走る、わしの馬の足音が聞こえるか?
財産、財産、財産―わしにはそう聞こえる。
財産、財産、財産―サム、悩んでいるお前は愚かだ:
馬の脚一本の方が、お前の脳みそ全部より役に立っている。

II.
止まれ―サム、お前に一言っておかなければならないことがある―あれは牧師の家だ―
人間は人間か、それとも鼠か、そんなことも分からないのか?
よく考える時だ―今週でお前も二十歳になる。
財産、財産―止まれ、だから、止まれ―独り言を言わせてくれ。

III.
わしと婆さんは、サミー、お前のことを話していた/
お前は母さんに話をして、そして母さんはわしに伝えた。
金のために結婚する気はない―牧師の娘が好きだ―
まいったな―愛のために結婚する―わしらはお前を愚か者だと思っている。

IV.
今日、その娘が通り過ぎるのを見た―聖人の日だ―鐘が鳴っていた。
お前はあの娘を美人だと思っている―しかしそんな娘はいっぱいいる、
金持ちの娘たちにもな―美人とは何か?―咲いている花だ。
しかし財産、財産は残って、財産、財産は増える。

V.
意固地になるな:時間をおけ:お前が怒るのもわかる。
わしが若い頃、娘っ子に夢中にならなかったと思うか?
しかし、あるクエーカー教徒の友達はよく言っていた:
「金のために結婚してはいけない、しかし金のあるところへ行け!」

VI.
そして私は金のあるところへ行った:そして母さんに会った、
たくさんの貯金があって、そして良い土地も持っていた。
母さんは美人ではなかったかもしれない:―わしは気にしなかった―
抱きしめたりキスしたりするには、無一文の娘と同じくらい都合よかったからな?

VII.
牧師の娘は何も持っていない、そして親父が死んでも何も相続しないだろう、
家庭教師か何かをやって、食っていかなきゃならない、分かるか:
なぜなら、やつはただの副牧師で、決して問題を解決できないだろう、
実際、やつはこの州に来る前に、自分でその種をまいていたのだ。

VIII.
やつは大学の借金をたくさん抱えてこの教区に来た、
それはやつにくっついて離れず、やつはまだそれから逃れられていない。
そしてやつは泥の中に仰向けに倒れていて、誰にも助けてもらえない、
仰向けに倒れた羊の方がましだ:それは、サミー、やつが愛のために結婚したからだ。

IX.
愛?愛とは何だ?お前は娘を、そしてその金も愛することができる、
それらは一緒に愛することができる、当然のことだ。
わしは母さんを、母さんの金のせいで愛せなかっただろうか?
いや―それはわしに母さんを大いに愛させた:それは愛する理由なのだ。

X.
ああ、そして母さんは、お前がその娘と結婚したがっていると言う、
紳士の生まれだぞ:わしらはお前を愚か者だと思っている。
止まれ、財産、止まらんか?―まったくどうしようもない愚か者だ―
だから、止まれ、止まらんか?くそったれ!―ハエがものすごくうるさい。

XI.
馬の頭のハエを追うから、そのフェンスの上のトネリコの枝を折ってくれ、すまんが!
紳士の生まれ!紳士の生まれとは何か?それは小銭のことだろうか?
財産、財産こそこの世のすべてだ、そして、サミー、もし天国で財産に意味がないなら
この世で財産を持っている者が一番幸せなのだから、わしは祝福されている。

XII.
家に押し入って盗みを働くのは、金を持っていて、
着るものがあって、いつも食い物にありつける者たちではない。
いや、それは、食い物にありつく方法を決して知らない連中だ。
わしの言葉を信じろ、サミー、貧乏人は総じてろくでなしだ。

XIII.
やつらか、あるいはその親父どもが、怠け者だったに違いない、
なぜなら、金を得るには、常に労働が必要だったはずからだ。
爺さんはほとんど何も持っていなかった/少なくとも金を隠していた。
しかし爺さんは働いて、自分をすり減らして死んだ、立派な死に方をしたんだ、本当だ。

XIV.
見ろ、あの丘の端からリグルズビー川が流れ出しているところを!
爺さんは農場を手に入れ、わしは製粉所を手に入れた/
そしてわしは橋も手に入れるつもりだ、そしてお前はそれを見るだろう/
そして、もしお前が良い相手と結婚するなら、土地はお前に譲ろう。

XV.
それらがわしの考えだ、サミー、だからわしは譲るつもりはない/
しかし、もしお前が悪い相手と結婚するなら、土地はディックに譲る。
さあ来い、財産、財産―馬が言っている―
財産、財産、財産―軽やかに、軽やかに駆けていけ。

 

 

*主人公には馬の蹄の音がproperty,propertyと聞こえています。原文はリンカンシャーの方言で書かれています。
2025.10.25
https://www.poetryfoundation.org/poems/45372/northern-farmer-new-style

Nothing will Die 何も死にはしない

 

Nothing will Die 何も死にはしない

 

川はいつ、私の眼の下を
     流れ続けることに倦むのだろう?
風はいつ、空を吹き続けることに
     倦むのだろう?
雲はいつ、流れ続けることに倦むのだろう?
胸はいつ、鼓動を続けることに倦むのだろう?
     そして自然は死ぬのだろうか?
決して、ああ!決して、何も死にはしない/
     川は流れ続け、
     風は吹き続け、
     雲は流れ続け、
     胸は鼓動を続け、
      何も死にはしはない。

   何も死にはしない/
   すべては永遠に
   変化する。
   今や世界は冬/
   秋と夏は
   とっくの昔に過ぎ去って/
   大地はその中心まで乾いている、
   しかし春が、新しい訪問者、
   豊かで奇妙な春が、風を
   ぐるぐると、
   隅から隅まで、
      そこかしこに
      吹かせ、空気は
   そして大地は
   再び生命で満たされるだろう。

   世界は決して作られたものではない/
   それは変化するが、色あせない。
   だから風を自由に吹かせよう/
   なぜなら、夕べと朝は
      永遠に
      やってくるのだから。
   何も生まれなかった/
   何も死にはしない/
   万物は変化するのだ。

 

 

2025.10.24
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/juvenilia/nothingwilldie.html

All Things will Die 万物は死ぬ

 

All Things will Die 万物は死ぬ

 

私の眼の下を青い川は
     音を立てながら流れ/
南風は空に
     広く暖かく吹いている
白い雲は次から次へと飛び去る。
この五月の朝、すべての胸は喜びに満ち、
     陽気に鼓動する/
   だが、万物は死なねばならない。
  川は流れるのを止めるだろう。
  風は吹くのを止めるだろう。
  雲は飛び去るのを止めるだろう。
  胸は鼓動を止めるだろう。
   なぜなら、万物は死なねばならないのだから。
     万物は死ねばならない。
  春は二度と来ないだろう。
     ああ、虚しさよ!
  死は戸口で待っている。
  見よ! 友は皆、
  ワインと浮かれ騒ぎを捨てていく。
  私たちは呼ばれて―行かねばならない。
  低く、とても低く横たえられて、
  闇の中に横たわらねばならない。
  陽気な歌は静まり/
  鳥の声は
  もはや聞こえず、
  丘の上の風の音も、聞こえない。
     ああ、悲惨さよ!
  聞け! 君たちに語っている間にも、
  死が私を呼んでいる、
  顎は落ち、
  赤い頬は青ざめ、
  強い手足は動かなくなる/
  温い血に氷が混じり、
  眼の玉は動かなくなる。
  九度、鐘が鳴り響く。
  陽気な人々よ、さらば。
  誰もが知る通り、
     古い大地は
     遠い昔に
     誕生した。
  そして古い大地は死なねばならない。
  だから暖かい風よ、吹け、
  青い波よ、岸に打ち寄せろ/
  なぜなら、夕べと朝よ
  君たちは
  決して永遠ではないからだ。
  万物は生まれた。
  君たちは二度と生まれないだろう。
  なぜなら、万物は死なねばならないのだから。

 

 

2025.10.24
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/juvenilia/allthingswilldie.html

Nothing will Die 何も死にはしない

 

Nothing will Die 何も死にはしない

 

私の眼下の川は飽きることなく
     いつまで流れ続けるのだろう?
風は飽きることなく
     いつまで空を吹き続けるのだろう?
雲は飽きることなく、いつまで流れ続けるのだろう?
胸は飽きることなく、いつまで鼓動を続けるだろう?
     そして自然は死ぬのだろうか?
決して、ああ!決して、何も死にはしない/
     川は流れ続け、
     風は吹き続け、
     雲は流れ続け、
     胸は鼓動を続け、
      何も死にはしはない。

    何も死にはしない/
    すべては永遠に
    変化する。
    今は世界の冬/
    秋と夏は
    とっくの昔に過ぎ去った/
    大地はその中心まで乾いている、
    しかし春が、新しい訪問者、
    豊かで奇妙な春が、
    ぐるぐると、
    隅から隅まで、
      あちらこちらへ、
      空気が、そして大地が
    再び生命で満たされるまで
    風を吹かせるだろう。

    世界は決して作られたものではない/
    それは変化するが、色あせない。
    だから風を自由に吹かせよう/
    なぜなら、夕べと朝は
    永遠に
    続くのだから。
    何も生まれなかった/
    何も死にはしない/
    万物は変化するのだ。

 

 

2025.10.24
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/juvenilia/nothingwilldie.html

All Things will Die 万物は死ぬ

 

All Things will Die 万物は死ぬ

 

私の眼下に青い川は
     音を立てながら流れ/
南風は空に
     広く暖かく吹いている
白い雲は次から次へと過ぎ去っていく。
この五月の朝、すべての胸は喜びに満ち、
     陽気に鼓動する/
    だが、万物は死なねばならない。
   川は流れるのを止めるだろう。
   風は吹くのを止めるだろう。
   雲は過ぎ去るのを止めるだろう。
   胸は鼓動を止めるだろう。
    なぜなら、万物は死なねばならないのだから。
     万物は死なねばならない。
   春は二度と来ないだろう。
     ああ、虚しさよ!
   死は戸口で待っている。
   見よ! 友は皆、
   ワインと浮かれ騒ぎを捨てていく。
   私たちは呼ばれて―行かねばならない。
   低く、とても低く横たえられて、
   闇の中に横たわらねばならない。
   陽気な歌は静まり/
   鳥の声は
   もはや聞こえず、
   丘の上の風の音も、聞こえない。
     ああ、悲惨さよ!
   聞け! 君たちに語っている間にも、
   死が私を呼んでいる、
   顎は落ち、
   赤い頬は青ざめ、
   強い手足は動かなくなる/
   温い血に氷が混じり、
   眼の玉は動かなくなる。
   九度、鐘が鳴り響く。
   陽気な人々よ、さらば。
     誰もが知る通り、
     古い大地は
     遠い昔に
     誕生した。
   そして古い大地は死なねばならない。
   だから暖かい風よ、吹け、
   青い波よ、岸に打ち寄せろ/
   なぜなら、君たちが見る夕べと朝は
   決して永遠ではないからだ。
   万物は生まれた。
   君たちは二度と生まれないだろう。
   なぜなら、万物は死なねばならないのだから。

 

 

2025.10.24
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/juvenilia/allthingswilldie.html

Madeline マデリーン

 

Madeline マデリーン

 

I.
君は黄金の倦怠に浸ったりはしない、
 眠っているような夏の静けさとは無縁な、
 変わり続けるマデリーン。
 突然の、甘美で奇妙な眼差し、
 魅力的な意地悪と愛すべき怒り、
そして目まぐるしい変化の軽やかさ、
 光と影の間を君はさまよい歩く。

II.
微笑み、眉をひそめる君は、いつも
恋の知識に満ちている。
君の豊かな微笑みは
深遠で明瞭な啓示/しかし誰が知るだろう、
微笑みとひそめた眉のどちらが速く消え去るかなど?
誰が知るだろう、
   微笑みとひそめた眉のどちらが甘美かなど?
その完璧な美しさでひそめられた眉が
額の上で、太陽に縁取られた小さな雲のように、
神々しい瞳に薄暗く覆いかぶさる、
   変わり続けるマデリーン。
 君の微笑みとひそめた眉は互いに
  疎遠なものではなく、
  それぞれが最も愛しい兄弟であって/
 刻一刻とお互いの中に織り込まれる
  絹のような光沢を持った色糸。
  全ての神秘は君のもの/
 微笑み、眉をひそめる君は、いつも
 恋の知識に満ちている、
   すべての変わりゆくマデリーン。

III.
移ろいゆく情熱に煽られた
 繊細な、突然の炎が、
  君の周りに燃え上がって、踊る:
 君の手をキスしようとすると、
羞恥の怒りが流れ出て
 君の穏やかな眼差しにあふれる、
そして黒い眉は突然、
下に向かって弧を描く:
しかし私が顔をそむけると、
君は私に引き止めるために、
 乞いもせず、無駄に争いもせず、
  しかしその間、じっと見つめることで、
 私の弾む心をすべて
  微笑みの黄金の網に絡め取ってしまう/
そのとき狂気と至福の中で、
もし私の唇が大胆にも
君の細い指に恋のキスを試みるなら、
君はまた怒りに顔を赤くする/
そして黒い眉は突然、
下に向かって弧を描く。

 

 

2025.10.22
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/juvenilia/madeline.html

The Sea-Fairies 海の妖精たち

 

The Sea-Fairies 海の妖精たち

 

船乗りたちは疲れて、ゆっくりと航海していた、
そして緑の岸辺と流れてゆく泡の間に、
愛らしい顔、丸みを帯びた腕、そして
小さな金の竪琴を抱いた胸が見えた、
そして彼らが考え込み、
半ば慄きながらささやき合っていると、
大海原の上に甲高い歌が聞こえた。

どこへ、どこへ、どこへ行くの?逃げないで。
どこへ行くの、緑の野原から、幸せの花が咲いている海岸から?
ここでは昼も夜も、泉から噴き出した豊かな水が
野原をさまよい、滝から飛び跳ねて降り注ぎ/
そして谷間の生き生きした緑を通り抜けて、銀色と深紅の貝殻を洗います、
響きの豊かな海の上には
白いツリガネソウが咲き乱れる牧草の丘があります:
こちら、こちら、こちらへ来て帆を畳みなさい、
こちらへ来なさい、私たちのところへ:
こちら、こちらへ来て、戯れ、遊びなさい/
ここでは泣くのはカモメだけ/
一日中あなたのために歌わせて下さい:
船乗りさん、船乗りさん、帆を畳みなさい、
ここでは至福の丘と谷があります、
そして風が楽しく、楽しく歌います、
そして入江と湾はきらきらと光っています、
そして虹が出て、自由な島々の上にかかっています/
そして砂浜の曲線も虹のようです/
こちら、こちらへ来て、見て下さい/
そして虹は静かな波の上にかかっています、
そして入り江と洞窟は甘美な色をしています、
そしてあなたの歓迎も甘美なものです:
ああ、こちら、こちらへ来て、私たちの王になって下さい、
私たちは陽気な花嫁なのですから:
甘いキスをしましょう、甘い言葉を語りましょう:
ああ、聞いて、聞いて下さい、あなたの目は
楽しみと愛と喜びに輝くでしょう:
ああ、聞いて、聞いて下さい、金の弦の
鋭く澄んだ響きが高い波を駆け上るとき
あなたの目は輝くでしょう。
いったい世界のどこに、世界のどこに
こんなに幸せな海岸があるでしょう?
どこへ行くの?聞いて、行かないで、:船乗りさん、船乗りさん、逃げないで。

 

 

2025.10.19
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/juvenilia/seafairies.html

Isabel イザベル

 

Isabel イザベル

 

I.
伏せられもせず、過度に輝きもせず、しかし
 その静かな魂の透明な聖堂の中で
 清らかなウェスタの思惟に守られた
  澄んだ、熱を帯びない、消えることのない
貞節の炎が明るく灯った瞳/聖母のように、
その頭の両側に
大きく広げられない髪/
 黄金の慈愛の
 夏の静けさが永遠に宿る甘美な唇、
それらはあなたの揺るぎない心の影だった、
  尊敬すべきイザベル、
女性の堅忍の堂々たる花、完璧な妻、
  清らかな謙譲の極みであって、頂点。

II.
明晰で研ぎ澄まされた知性によって、
 過失と罪を見分ける
  直観的な判断力/自制の賢明さ/
  その心の蒼白い板に
 黄金の文字で刻まれた結婚の法/
今なお燃え上がって、
その法を読むための光を与える愛/少しの力もない
お世辞、しかし苦悩の時には
  繊細なペースで流れ出し、不思議に
心と脳に直接響いて、極度の優しさで
  疑い深い傲慢の外郭を陥落させてしまう
最も巧みな助言/
耐え、従う勇気/
噂話と支配への嫌悪、
穏やかな生涯によって栄冠を得るイザベル、
結婚の女王、最も完璧な妻。

III.
まろやかな冬の月明かり/
濁った川とともに流れ
 ともに進んでいく中で、
  より速い動きとより澄んだ光で、
  強情な兄弟の悩みの渦を吸収していく澄んだ川/
  もしそれがなかったなら
  鈴のような花の房と、互いの上にもたれ合って
  芳香を放っている豊かな果実の房をつけたまま、
 完全に倒れてしまっていたであろう幹を
  覆って支え、支えられる寄生植物―
  それは神の予兆:―この世において他の誰も、
(彼女の最も美しい姿はすべて神の御業、
偉大な慈愛の神の御業に違いないとはいえ)
これほどまでに完成された、鍛え抜かれた清らかさを持ってはいない。

 

 

*テニスンの母エリザベス(1780-1865)について書かれた詩です。牧師の娘で、牧師だったテニスンの父と結婚し、12人の子供の母親になりました。しかし夫は精神疾患で酒と麻薬に溺れ、酷い家庭内暴力を振るっていたそうです。テニスンはそんな母の苦労を見て育ちました。父はテニスンが22歳の時に死去しました。
2025.10.21
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/juvenilia/isabel.html