Epitaph on General Gordon ゴードン将軍の碑文

 

Epitaph on General Gordon ゴードン将軍の碑文

ゴードン記念少年寄宿舎、ウォーキング

 

神の戦士、人の友、暴君の敵よ、
今や遠いスーダンの荒野のどこかで眠りについている、
あなたはすべての人の心の中に生きています、なぜならこの地球にかつて
これほど気高い人物が生まれたことはないと、誰もが知っているからです。

 

 

*チャールズ・ジョージ・ゴードン(1833-1885)軍人、太平天国の乱を鎮圧しましたが、スーダンで反乱軍に殺されました。
202510.3

https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/tiresias/generalgordon.html

A Dirge 葬送歌

 

A Dirge 葬送歌

 

I.
あなたの長き日の務めは終わった/
あなたの掌を胸に重ね、
両腕を組み、あなたの休息に向かえ。
   世人には言わせておけ。
銀色の白樺の影が
あなたの墓を包む緑の上を撫でる。
   世人には言わせておけ。

II.
あなたを悩ませる、憂いも、誹謗もない/
白布に包まれたあなたを苛むのは
ただ小さな冷たい虫のみ。
   世人には言わせておけ。
あなたの墓を包む緑の上を
光と影は絶えずさまよう。
   世人には言わせておけ。

III.
あなたは床の上で寝返りを打つまい/
唸る蜂は歌うだろうか
誹謗よりも甘い調べを?
   世人には言わせておけ。
あなたの墓を包む緑から
あなたは決して頭を上げないだろう。
   世人には言わせておけ。

IV.
ワニはあなたのために涙を流した/
スイカズラと野バラは偽りの涙よりも
甘い露を滴らせる。
   世人には言わせておけ。
あなたの墓を包む緑の上で
雨は木々の音楽を奏でる。
   世人には言わせておけ。

V.
あなたの周りに、深く絡み合った
棘のある薔薇の、弱々しく淡い花、
そして谷間の長いムラサキランの花が咲く。
   世人には言わせておけ。
あなたの墓を包む緑を通り抜けて
一雨ごとにこれらは忍び寄る。
   世人には言わせておけ。

VI.
金色の目をした美しいキンポウゲ/
儚いアオツリガネソウは稀な
ムラサキツメクサの刺繍をじっと見つめている。
   世人には言わせておけ。
あなたの墓を包む緑のような寝床は
王たちでさえ持っていない。
   世人には言わせておけ。

VII.
粗暴な声はあちらこちらをさまよう:
神の大いなる言葉の賜物が
濫用されてあなたの思い出をかき乱す:
   しかし世人には言わせておけ。
あなたの墓を包む緑の中で
セミの歌がはっきりと聞こえる。
   世人には言わせておけ。

 

 

*ワニが獲物を食べる時に流す涙は、偽善者の涙になぞらえられてきました。イングランドではセミは数が少なく、声が聞こえることは稀なようです。
2025.9.27
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/juvenilia/dirge.html

Rosalind ロザリンド

 

Rosalind ロザリンド

 

I.
我がロザリンド、我がロザリンド、
我が愉快なる隼よ、その輝く瞳で、
高速で飛び、あらゆる高さから
急降下して空中のすべての獲物を襲う、その自由の喜びよ、
我がロザリンド、我がロザリンド、
我が輝く瞳の、野性の瞳の隼よ、どこへ、
風も天気も気にせず、
どこへ飛ぶのか、どんな獲物を見つけるのか、
流れる風の上か下か?

Ⅱ.
すばしっこいひばりの最も密やかな歌、
海へと駆け上がる影、
雨の間の稲妻の閃光、
草原を駆け下りる日の光、
せせらぐ小川、その道すがら
立ち止まることなく、
平原のリュウキンカを襲う風でさえ、
我が隼ロザリンド、お前ほど、
鮮やかで、大胆で、自由ではない。
お前は他者の痛みを気にしない、
なぜならお前は喜びの魂、
一切の混じりけのない輝く金属だからだ。
生命がお前の血管を駆け巡り、きらめき、
そして唇と目から
千の微細な光を放っている。
お前の隼の目は勝利を熱望し、
熱望して輝き、尖った光で私を貫いて
じっと見つめている/
そしてしばしばそれらは、小川に踊る陽光のように
きらめき、輝く、
そしてお前の言葉は、苦く聞こえ、
鋭利で数が少ない、しかし苦く聞こえるのは、
歓喜があまりにも速過ぎるからだ。

Ⅲ.
降りて来い、家に戻れ、我がロザリンド、
我が陽気なる若い隼、我がロザリンド。
お前はあまりに長く、高い空にいる/
お前はあまりにも長くさまよい、思いのままに旋回している/
しかし、誰を殺すかを気にしない
お前の無思慮な目を、
そして、露に濡れた赤いヒースの花のように、
朝日に触れて
眩しく輝くお前の頬を
私たちは覆わなければならない。私たちはお前を縛って
しっかりと繋いでおかなければならない、我がロザリンド、
しっかりと、しっかりとだ、我が野性の瞳のロザリンド、
そしてお前の翼を鎮め、お前に愛を教えよう:
私たちがお前を空から、そして昼と夜の、
北から南への、その愉快な飛翔の喜びから
呼び戻したなら/私たちはお前を絹の紐でしっかりと縛って、
そしてお前のバラ色の唇から、苦い言葉を
キスで洗い流そう。

 

 

2025.9.27
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/juvenilia/rosalind.html

Song(THE WINDS, as at their hour of birth) 歌(風は生まれた時のように)

 

Song(THE WINDS, as at their hour of birth) 歌 (風は生まれた時のように)

 

風は生まれた時のように、
 波立つ海に吹きつけ、
うねる大地を低く吹き抜けて
 柔らかな前奏曲を奏でた「我らは自由。」

歌いながらさざ波の立つ海へと流れる
 小川は幾重ものユリの列を通り抜け
鈴のようなせせらぎを花たちの間で
 チリンと小さく鳴らした「我らは自由。」

 

 

2025.9.26
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/juvenilia/songwinds.html

The Palace of Art 芸術の宮殿

 

The Palace of Art 芸術の宮殿

 

魂が永遠に安らかに住まうために、
 私は堂々たる歓楽の館を建てた。
私は言った「ああ、魂よ、楽しく飲み騒げ。
 親愛なる魂よ、すべて上手くいくだろう。」

私は磨かれた真鍮のように滑らかな、
 巨大な岩の高台を選んだ。
草深い平らな牧草地の上に
 輝かしい城壁が連なって、突然、光を放った。

私はそれを堅固に築いた。岩棚や崖はむき出しで、
 あるいは曲がりくねった階段になってそびえていた。
私の魂は一人、
 その高貴な宮殿で暮らすのだ。

そして「世界が回り回るとき」と私は言った。
 「物言わぬ王として、遠くから、静かに君臨せよ。
土星が回転するとき、その不動の影が
 輝く環の上で眠るように。」

すぐに私の魂は答えた。
 「私を信頼しなさい、私は至福のうちに
私のために建てられたこの大邸宅に、
 王のように豊かに、広々と暮らすでしょう。」

・・・・・
・・・・・

私は東西南北に四つの中庭を作った、
 それぞれに四角い芝生があり、
そこから泡立つ泉が噴き出し、
 竜の黄金の峡谷に流れ込んでいた。

涼しい緑の中庭の周りには、
 大樹のように枝分かれした回廊が並び、
泉から噴き出す豊かな水の
 響き渡る音が一晩中こだましていた。

そして屋根の周りには金箔の回廊があって、
 野生の白鳥が羽を伸ばすところ、空が
海と砂に沈み込むところまでを
 遠く広く見渡すことができた。

四つの噴出口からの四つの流れは
 山を下る一本の奔流になり、流れ下っては
霧の層になり、落ちるとともに漂って
 虹をかけていた。

そして、どの峰にも
 彫像がつま先で立って、
あらゆる香りの香料の雲を
 金の杯から蒸気のように噴き出しているように見えた。

それで彼女は思った。「この大きな虹が太陽の中で揺れ、
 あの甘い香りが立ちこめるとき、
盲いていない目で
 私の宮殿を見つめるのは誰だろうか?」

なぜなら、あの甘い香りは立ち上って消えることがなく。
 そして、日が沈む時も昇る時も、
金色の柵で囲まれた明るい空中回廊は、
 炎の房飾りのように燃えていたのだから。

同じように、霜のような塔を頂いた、
 アーチが絡み合う暗い小洞窟からは、
深く設置されたステンドグラスが
 ゆっくりと燃える深紅の炎のように見えたのだから。

・・・・・
・・・・・

私の魂が満ち足りて、
 一日中、部屋から部屋へと渡り歩いたのは
心地よい暗闇に覆われた
 音が長く反響する、数多くの回廊だった。

宮殿には大小の部屋がいっぱいに並んでいて、
 すべてが多様で、どれもが生きた自然が生み出した
完璧なもので、私の静かな魂のあらゆる気分や
 変化にぴったりと合っていた。

けばけばしい夏の朝を描いた
 緑や青のタペストリーが掛けられた部屋があって、
その中では、ベルトを締めた狩人が頬を膨らませて、
 花冠で飾られたラッパを吹いていた。

ある部屋は真っ暗で赤く染まった―砂地だった、
 そこを誰かが一人で歩き回っていた、
低く大きな月におぼろに照らされた大地を、
 彼は永遠に歩き回っていた。

ある部屋には、危険な岩浜と荒れ狂う波が描かれていた。
 壁のような強風の中、轟く洞穴の下で
それが押し上げては引き下がり、
 岩にぶつかっては砕ける咆哮が聞こえるようだった。

ある部屋には、果てしない平原で家畜の群れのそばを
 曲がりくねってゆったりと流れる水量の豊かな川、
雨の筋の影を伴って、低く垂れ込めた雷雲の
 不揃いな周縁部が描かれていた。

ある部屋には、蒸し暑い中で労働に励む収穫者がいた。
 前景では彼らが麦束を束ね、後景には
油が豊富に取れる、
 風に白く染まる高地が広がっていた。

ある部屋には、石と鉱滓の黒い前景があり、
 その先には高地が続き、さらに高い場所では
白く長い雲が尊大な岩山を遮っており、
 そして最も高い場所には雪と炎があった。

そして一つは、イングランドの家―露に濡れた牧草地、
 露に濡れた木々に、眠りよりも柔らかく
たれ込める灰色の黄昏―すべてが整然と保存された、
 昔ながらの安らぎの地である。

これらのみならず、そこには真実が描いたものに他ならない、
 陽気な、重々しい、甘美な、厳しいといった
ありとあらゆる心の気分にふさわしい、
 ありとあらゆる美しい風景があった。

・・・・・
・・・・・

あるいは、陽の光が降り注ぐ暖かな牧草地で、
 高価な赤縞メノウの枝細工の下に、
幼子を腕に抱いて、微笑みながら座っている
 十字架の傍らの聖母がいた。

あるいは、海辺の透明な城壁の街で、
 金メッキのオルガンのパイプの傍らに、
髪に白いバラを飾った聖セシリアが眠っていた/
 天使が彼女を見つめていた。

あるいは、楽園のポーチに群がった
 一群の乙女たちが
死にゆくイスラム教徒を見るために腰を屈め、
 両手と目で「あなたをお待ちしています」と言っていた。

あるいは、深く傷ついた伝説のウーサーの息子が
 アヴァロンの谷の美しい緑の傾斜地に
朦朧として横たわり、
 すすり泣く女王たちに見守られていた。

あるいは、アウソニア(*イタリア南部)の王が耳に片手を当てて
 足音に耳を傾け
森の精を呼び止めて
 知恵と法について教えてもらおうとしていた。

あるいは、インドのカマ(*若者の愛の神)の玉座が
 ギザギザに尖った山脈や、
ヤシと稲の国を超えて、
 香辛料の香る夏をゆっくりと航海していた。

あるいは、優美なエウロペのマントは留め金が外れて、
 肩から後ろに落ちていた。
片手にはしおれたクロッカスがあった。片手には
 穏やかな雄牛の金の角が握られていた。

そして、頬を紅潮させたガニメデスは、鷲の羽毛に
 バラ色の太腿を半ば埋もれさせ、
一人、流れ星のように
 柱の多い街の上を突っ切って行った。

そればかりではない。生命のそのものが筋書きをした、
 コーカサス人(*インド=ヨーロッパ語族)の至高の心が
自ら自然から彫り出した
 あらゆる美しい伝説がそこにあった。

・・・・・
・・・・・

それから私は塔に、自ら揺れて
 銀色の音色を奏でる大きな鐘を置いた。
そして、王宮の台座の周りに
 選りすぐりの賢者の絵を飾った。

そこには、熾天使のように力強いミルトンがいて、
 隣には、穏やかで温厚なシェイクスピアがいた/
そして、世に倦むダンテは自らの著書を持ちながら
 いくらか険しい笑みを浮かべていた。

そして、他にイオニアの父(*ホメロス)もいた。
 その肌には無数の皺が刻まれていた/
その胸には頬と喉と顎から
 百の冬が降り積もっていた。

見上げれば、沢山の高いアーチが
 美しく荘厳な広間の天井を支えていた、
そして天使たちが昇ったり降りたりして
 贈り物を交換していた。

その下には、この広い世界の、あらゆる土地と時代の
 選りすぐりの人間の物語が
決して失われることのない
 モザイク画で描かれていた。

ここでは人々が、動きの鈍い駄獣のように、
 突き棒や痛みに追われながら、苦労して前進していた/
ここでは虎が戯れに
 王の頭や王冠をあちらこちらと転がしていた。

ここでは競技者が、全ての縛られた力を切り離し、結びつけて
 永続させるために力強く立ち上がり、
そしてここでは、再び病人のように衰えて、
 あらゆる治療に頼っていた。

しかし、彼女はそれらを通り過ぎた。
 大きな鐘が鳴り始めた。彼女は玉座についた。
彼女は輝く出窓の間に座って、
 独り歌を歌った。

そして最の高い出窓の色鮮やかな炎の向こうから、
 神のような二つの顔が見下ろしていた。
賢者プラトンと、額の広いウェルラム(*フランシス・ベーコン、1561-1626、哲学者)、
 知者たちの中の最も優れた者たちである。

そして、彼らの活動が
 変化の豊かな源泉となった名前の全てが、
多様で不思議な意匠とともに
 細い柱の間に美しく飾られていた。

その間からバラ色、琥珀色、エメラルド色、青の光が、
 彼女のこめかみと瞳へとほとばしり、
朝のメムノン像(*音を出すエジプトの巨像)のように、彼女の唇から
 旋律が川となって流れ出た。

ナイチンゲールが、ひとり長々と
 静かな序曲を続けることを喜ぶよりも、
私の魂は、石の柱の間にこだまする
 自らの歌を聴くことを喜ぶ/

祝祭のように陽気に歌い、ささやき、
 生きていることを喜び、
自然の主、目に見える大地の主、
 五感の主として/

自らに語りかける。「これらはすべて私のもの。
 世界に平和があろうと戦争があろうと、
それは私のもの。」
 神聖な若い夜が死にゆく昼を星で飾るとき、

彼女はその美味な労苦を甘美に締めくくり、
 花輪や花冠に光を灯し、
珠玉の三日月に
 純粋な第五元素(*エーテル)の貴重な油を灯し、

天国を模倣した。そして手を叩いて、叫んだ。
 「この王のように豊かで広大な大邸宅における、
私の静かな喜びが、この上なく称えられるなら
 私は不思議に思うだろう。」

「ああ、私の目を様々に満足させる美しいものたちよ!
 ああ、私を心地よくさせる色と形よ!
ああ、沈黙した偉人と賢人の顔たちよ、
 我が神々よ、共に住まう者たちよ!

「ああ、私の神のような孤独よ、
 あの平原で飼われている豚の群れが
日暮れに追い立てられるのを眺めるたび、
 私はお前を完全な利益としか思えない。

「彼らは汚れた沼地で好色な皮をまとい、
 草をはみ、転げ回り、繁殖し、眠りにつく。
そしてしばしば、愚かな悪魔が入り込んで、
 彼らを深淵に追いやる。」

それから「運命」が完全に授与した彼女の権利として、
 道徳的本能について、
そして死からの蘇りについて長々と話をした/
 そして最後に言った。

「私は人の心と行いを手中に収める。
 宗派が何を争おうとも、私は気に留めない。
私は神として座し、いかなる信条も持たない、
 しかし、すべてを熟考している。」

・・・・・
・・・・・

彼女が独り座っているとき、苦悩に満ちたこの世の謎が
 頻繁にその胸を駆け巡った、
それでもなお、彼女は謹厳な陽気さと、
 理知的な王座を保っていた。

こうして彼女は盛んになり、繁栄した。こうして三年間
 彼女は繁栄した。四年目に彼女は没落した。
(*彼を神のようだと称える民衆の)叫び声を耳にした時、
 地獄の激痛に襲われたヘロデ(*アグリッパ1世、BC10-AD44)のように。

その前で彼女がいつも
 人格の底の底まで露わにしていた神は、
彼女が完全に失われ滅びることがないよう、
 彼女に痛切な絶望を与えた。

考え事をしようとも、視線をどこに向けようとも
 混乱が作り出した実体のない手が、
「メネ、メネ(*バビロンの破滅の予言)」と書き記し、
 彼女の思考の王国を完全に分断した。

孤独への深い恐怖と嫌悪が
 彼女を襲い、その気分から
自らへの軽蔑が生じ/そしてまた、その気分から
 自己軽蔑への笑いが生じた。

彼女は言った「何ということ!ここは私が頼りとする宮殿、
 私のために建てられた広々とした邸宅、
私が物心ついた頃から、
 ここには強固な土台が据えられていたのではなかったか?」

しかし、宮殿の暗い片隅には
 ぼんやりした姿が立っていた/そして、彼女が正午に来た時
白目をむいて血の涙を流す幻影、
 そして恐ろしい悪夢、

そして、心の炎を包む虚ろな影の上に、
 そして、額がうっすら腐りかけた
死後三ヶ月の遺体の上に
 壁にもたれて、いつの間にか、それは立っていた。

確かな一つのゴールに向かう
 果てしない前向きの動きの真っ只中で
私の魂は光も動きもない、
 鈍く淀んだ場所のようだった。

打ち寄せる波が
 月に引き上げられた白い水面を陸から引き戻すのを
夜通し聞いている、砂州に閉じ込められた岸辺の
 静かな潮溜まりのようだった。

一斉に踊る星たちとともにありながら、
 それに加わらず、しかし立って、
そして立ったままで、動き続ける「状況」の中空の球体が
 一定の法則に従って回転するのを見ている星のようだった。

彼女の蛇のような誇りは、背後でとぐろを巻いていた。
 「いかなる声も」彼女は孤独な広間で叫んだ。
「いかなる声も、この世界の静寂を破ることはない。
 ただ一つの、深い、深い、静寂を!」

十層もの怠惰な恥辱に包まれ、
 くすんだ土の朽ちゆく芝とともに朽ちてゆく彼女は、
永遠の神に見放され、
 自らの場所と名前を失ってそこに横たわっていた/

そして死と生を等しく憎み、
 絶望のあまり恐ろしい時、
恐ろしい永遠以外の何も見えなかった、
 慰めはどこにもなかった/

恐怖にすっかり混乱して、
 そして、時とともにそれはますます悪化して、
陰鬱な涙にも癒されることはなく、
 罪の中で孤独に生きていた。

崩れかけた墓のような
 堅固な暗闇の壁に閉じ込められた彼女は、
鈍い足音を
 遠くで聞いているようだった。

不安を抱き、途方に暮れて
 異国の地をのろのろと歩いている旅人が、
月が昇る少し前の
 見知らぬ海の低いうめき声を聞いているようだった/

それが雷鳴なのか、
 岩が崩れ落ちる音なのか、
それとも大きな野獣の深い叫び声なのかさえも分からない/
 そして思う「新しい土地を見つけたのに、私は死んでしまう。」

彼女は大声で喚いた「私の内なる火は燃えている。
 しかし何の答えも返ってはこない。
私の罪を消し去って、
 死から救ってくれるものは何だろうか?」

こうして四年が過ぎたとき、
 彼女は女王の衣を脱ぎ捨てた。
彼女は言った「谷間に小屋を建ててください。
 そこで私は嘆き、祈ります。

「しかし、軽やかに、美しく建てられた
 私の宮殿の塔は壊さないでください/
罪が清められたとき、他の人たちと一緒に
 私はそこに戻れるかもしれません。」

 

 

2025.9.25
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/ladyshalott/palaceart.html

| カテゴリー : テニスン | 投稿者 : 上田エリヤ

Lady Clara Vere de Vere クララ・ヴェール・デ・ヴェール嬢

 

Lady Clara Vere de Vere クララ・ヴェール・デ・ヴェール嬢

 

クララ・ヴェール・デ・ヴェール嬢、
 貴女が私の称賛を得ることないでしょう:
貴女は町へ行く前に、
 気晴らしに田舎者の心を踏みにじろうとされました。
貴女は私に微笑まれましたが、私は惑わされず
 罠を見抜いて、身を引いたのです/
貴女は百人の伯爵の末裔ですが、
 良い方ではありません。

クララ・ヴェール・デ・ヴェール嬢、
 貴女がその名前を誇りにされていることを知っています、
貴女の誇りは私の誇りと同じものではありません、
 私の出自を愛するにはその誇りは高すぎるのです。
貴女が甘美であるがゆえに、
 私がより真実の魅力を愛さなくなることはないでしょう。
娘盛りの平民の少女には
 百の紋章にも劣らない価値があるのです。

クララ・ヴェール・デ・ヴェール嬢、
 もっと従順な生徒を見つけるべきです、
たとえ貴女がすべてを支配する女王であっても、
 そのような心に私は屈しません。
貴女は私がどれほど愛するかを試されました、
 私の軽蔑こそがその返答です。
貴女の古い石の門の上のライオンも
 私ほど貴女に冷たくはないでしょう。

クララ・ヴェール・デ・ヴェール嬢、
 貴女は私の奇妙な記憶を呼び覚まします。
ローレンスが若くして死んだ後、
 貴女の家系が大いに栄えることはありませんでした。
ああ、貴女の甘美な瞳、貴女の優しい返事!
 貴女は偉大な魔女なのかもしれません/
しかし、彼の喉には
 貴女が決して見たくなかったものが懸かっていました。

クララ・ヴェール・デ・ヴェール嬢、
 そして、彼の母は彼を見て、
逆上しました。
 彼女は貴女について、ある真実を語りました。
確かに私は聞いたのです、一つの苦い言葉を、
 貴女に聞かせるにはふさわしくない言葉です/
貴女の態度にはヴェール・デ・ヴェール家の
 社会的地位に刻まれた、あの落ち着きがない。

クララ・ヴェール・デ・ヴェール嬢、
 貴女の広間に幽霊が立っています/
貴女のドアには流血の罪があります/
 貴女は健康な心を苦いものに変えました。
貴女は自責の念もなく進み続けて、
 彼にその目立たない価値を信じさせました、
そして、最後に、貴女は白けた目で彼をじろじろ見て、
 貴女の高貴な出自で彼を殺したのです

信じてください、クララ・ヴェール・デ・ヴェール、
 私たちの上の青い空から
庭師だったアダムとイブが
 長く続いた血筋の主張を微笑みながら見守っています。
いずれにしても、私にはこう思えます、
 善くあることだけが高貴なのです。
親切な心は王冠よりも価値があり、
 素朴な信仰はノルマン人の血よりも価値があるのです。

貴女を知っています、クララ・ヴェール・デ・ヴェール、
 貴女は貴女の城や塔の中で思いを焦がしておられます/
貴女の高慢な瞳の気だるい光は
 時の流れにうんざりしているのです。
輝かしい健康と限りない富を持ちながら、
 倦怠感に苛まれているのです、
貴女には時間の使い方が全然分からないので
 このようないたずらをしなければならないのです。

クララ、クララ・ヴェール・デ・ヴェール、
 もし貴女の手にある時間が重たいのなら、
貴女の門に乞食はいませんか、
 貴女の土地に貧しい者はいませんか、
ああ、孤児の少年に読み書きを教えてあげるといいでしょう、
 あるいは、孤児の少女に裁縫を教えてあげるといいでしょう、
人間らしい心を下さい、と神様に祈るといいでしょう/
 そして、愚かな農民は放っておいてください。

 

 

2025.9.15
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/ladyshalott/ladyclara.html

The Epic 叙事詩

 

The Epic 叙事詩

 

フランシス・アレンの家でのクリスマスイブのこと―
罰のあるゲームが終わって―女性たちは
聖なる木の下でキスを交わし、散っていった―
ホームズ牧師、詩人のエヴァラード・ホール、
主人、そして私はウォッスルボウル(*乾杯のための大杯)を囲んで座っていた。
ボウルは半分ほど空いていた。そして、私たちは語り合った。
クリスマスのかつての栄誉は、なぜ失われてしまったのだろうか、
あるいは失われて、この様な場末の
変てこなゲームにまで落ちぶれてしまったのだろうか/私はその日
池のスケートで8の字を切って
アウトサイドエッジで三回転んで、
氷に投げ出され、三つか七つの星を見ていたので、
疲れ果てて、居眠りをしてしまい/そして半ば眠りながら、
牧師が教会の委員会についてくどくどと語り、
地質学や宗派の分裂に熱弁をふるって、
どんどん話を広げていくのを聞いていたが/
彼が世界における信仰の全般的な衰退を
結論するのを聞いて、目を覚ました。
「国内にはほとんど残っていない、
国外にもない。頼るべき錨は一つもない。」
フランシスは笑いながら、エヴァラードの肩を叩き、
「私は彼に頼っている。」と言った。
「そして私は」とエヴァラードは言った。「ウォッスルボウルに頼っている。」
「そうだな」と私は言った。「我々は大学時代、君のその才能を
知っていた。だが、君が持っていたもう一つの才能、
つまり詩(当時我々はそのように考えていた)は
どうなった?」「知っているだろう」とフランクは言った。
「彼は自分の叙事詩、十二冊の『アーサー王』を燃やしてしまった。」―
そして私に「なぜ?」と言わせた。「ああ、
彼は、新しいことが何も語られていない、あるいは、
何かが語られていたとしても、
何も語られていないのと同じと考えたそうだ―真実は
泥だらけの服を着ていても、最も鮮やかなものだ。
神はご存じだ。彼には理由が山ほどあるのだろう。尋ねてみるといい。
私は十分に良いと思ったが。」「いやいや」とホールは言った。
「なぜあの英雄的な時代のスタイルでなければならないのだろうか?
自然はマストドンを生き返らせないし、
我々もあの時代を再現できない/なぜ誰かが
また原形を復元しなければならないのだろうか?私のあの十二冊は
ホメロスの弱々しいこだまに過ぎず、価値がなかった。
単なるクズでガラクタだ、燃やしてしまって良かったよ。」「しかし私は」
とフランシスは言った。「その火床から十一冊目を選び出して、
持っている。物は取っておくものだ、きっと役立つ時が来る。
私はホームズのために、シュガープラムみたいに、それを溜め込んでいる。」
彼は笑った。そして私は、眠たかったが、
飼い葉桶の音を聞く馬のように、耳をそばだてた/
というのも我々が新入生だった頃の、大学での
エヴァラードの評判を覚えていたからだ。そして私の頼みで、
彼はそれを持ってきて/詩人は促される前に、
ただし、いくらかの軽蔑的な前置きをした後で、
自らの虚ろな「O」と「A」を吐き出しながら、
まるで厚い胸板の音楽のように、読んだ、そして次のような結果になった。
(*”Morte d’Arthur”(1830年)に続く)

 

 

*作中でテニスンは自分を詩人エヴァラードとして描いています。
2025.9.8
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/englishidyls/epic.html

The Talking Oak しゃべる樫の木

 

The Talking Oak しゃべる樫の木

 

門が再び私の後ろで閉まる/
 私は再び目の前に
狩猟場の中に立つ、
 崩れ落ちた修道院の壁を見る。

狩猟小屋の向こう、
 その渦巻く煙の下には街が見える/
ああ!あの樫の木を見て
 私がどんなにうれしいことだろう。

なぜなら、それまで心の中に燃えていた
 私の情熱が最初に始まった頃、
私を三倍男らしくする愛は
 答えを求めていて/

私は草原に立つあの樫の木に
 際限もなく語りかけ、
聖母に訴えるカトリックよりも
 大きな信念で訴えたからだ。

なぜなら、私はしばしば彼と二人きりで話をして、
 自分の選択を彼に伝え、
彼は私の心を読み取って、
 声に出して答えたからだ。

空の下で彼が囁いたことは、
 他の誰にも理解できなかった/
しかし、私は彼が饒舌であることを、
 大したおしゃべりだということを知っていた。

しかし、彼の返答を最後に聞いてから
 数多くの物憂い時間が過ぎた/
彼に質問してみよう、そしてまだあの力が
 残っているかどうか試してみよう。

膝までシダに隠れた、
 その一番高い枝から
サムナー館の屋根が見える
 サムナー狩猟場の大きな樫の木よ!

教えてくれ、私が彼女の名前を刻んだ、
 お前の枝の下に
私のオリヴィアのように美しい
 娘や人妻が休みに来たかどうか―

「おお、ウォルター、私はここで、
 古き良き夏が
年々サムナー狩猟場に実らせた
 あらゆる乙女の恵み(*白い肌)を守ってきた:

「頭を滑らかに剃り上げた
 修道士が太っていた頃、
古の夏は、彼に帯を強く締めさせ、
 娘たちの頬を叩いた。

「それはピーターのペンス(*法皇への献金)、
 そしてロザリオと告解を嘲笑って、
荒っぽいハリー(*ヘンリー8世)が食料庫に侵入し、
 僧衣を追い出すまでのことだ:

「そして私は、朝の五時から
 シカを追い始める時に輝く
その男らしい一団の
 二十ばかりの溌溂とした顔を見た/

「そしてすべての町から散歩に来る者たちを見た、
 あの激しい風が巻き起こって、
陰鬱な醸造業者の魂が
 コウノトリのように私のそばを通り過ぎるまで:

「忠実な血筋の少し軽はずみな娘たち、
 そして紐をしっかり締めて賞賛される
他の娘たち、しかし清教徒のコルセットを巻くには
 その蕾は膨らみすぎていた:

「そして私は数多くの美人グループに影をさしかけた
 彼女達が生まれたのは
フードと張り骨のドレスの、ティーカップの時代、
 すなわち、つけボクロが流行っていた頃/

「そして、腕と脚には蝶結びの華やかなリボン、
 当時流行のキューピッドが
私の周りを飛び跳ねて、笑って、
 そして、金ぴかの矢を鋭く射た。

「誓って言おう(違ったなら全ての葉を
 虫にひどく刺されても構わない)
あなたが心を焦しているこの娘は、
 それらすべての三倍の価値があると/

「なぜなら、それらとそれらのものは、自然の法によって、
 とっくに色褪せてしまった/
しかし、春ごとに私は見てきた
 あなたのオリヴィアが咲いていくのを、

「彼女が野原ではしゃぎ回る
 幼児だった頃から、
その十代の乙女の花が
 十から五つを数えるまで。

「葉っぱ、風、雨にかけて誓う
 (その耳でよく聞いておけ)
私は五百年の年輪に
 囲まれている—

「しかし、私が初めて影を落とすようになった頃から、
 これほど軽々と草の上を、
音楽のように、これほど軽やかに通り過ぎた
 生き物はなかった:

「草地を新鮮にするために
 飛び回る妖精に
絶妙に似ている、
 しかし、はるかに痩せていると思った。」

ああ、お前の瘤のある膝をシダで覆い隠せ、
 そして狩猟場を見下ろし/
そして一番高い枝から
 サムナー館の屋根を見渡せ!

しかし、しばしば私の誓いを聞いてきた、
 私が彼女の名前を刻んだ樫の木よ、
オリヴィアが最後に
 お前の枝の下に遊びに来たのはいつか教えてくれ。

「ああ、昨日、知っているだろうが、
 町で祭りがあった/
彼女の父親は良い肘掛け椅子から立ち上がって、
 狩猟馬に乗って出かけた。

「アルバートも彼と一緒に馬で来た。
 私は彼を見て嬉しかった:
カウスリップとオックスリップが似ているように、
 彼女と少年は似ているのだ。

「一時間ほど経って、
 まだらの灰色馬に引かれた
車輪の低い馬車に、背筋を伸ばして座った
 彼女の母親が門を出た。

「しかし、彼女だけは、家にいた。
 そして屋根に上って、
あなたが来た道を上から、
 不満そうに見ていた。

「小説は半開きのまま、
 ローズウッドの棚に置かれていた/
新しいピアノは閉じられたままだった:
 彼女は楽しそうではなかった。

「それから彼女は駆け出した、子馬のように元気に、
 ヒバリよりも生き生きと。
彼女は目の前の、そして庭園の
 すべての木立にその声を響かせた。

「軽い風が翼に乗って彼女を追いかけ、
 追いかける途中で激しくなって、
その愛らしい娘の
 できる限り近くにまとわりついた:

「しかし、吹く風よりも軽く
 彼女はとても素早く動き回った。
彼女が触れた花は傾いては立ち上った、
 そして彼女を一目見ようと振り返った。

「そしてここに彼女が来た、私の周りで遊んで、
 あなたが作った私の『巨大な幹/』の
三つの詩節を全部、
 私に歌ってくれた。

「そして、喜び戯れるあまり
 彼女は私の腰周りを測ろうとした。
ああ、私の胴はあまりに太くて、
 抱きしめてもらうことができなかった。

「私が、私の周りに、ここ私の隣に
 立っている若くて美しいブナだったら
良かった、彼女の手は一つに絡み合って、
 しっかりと組み合わされたことだろう。

「それでも、その圧力はスイカズラのかよわい抱擁よりも、
 あるいはベリーをつけるブライオニーが
足元に絡みつくのを感じる時よりも
 三倍も甘く感じられた。

ああ、お前の膝の周りをシダで覆い隠し、
 サムナー狩猟場を影で覆え!
お前のてっぺんの枝からいつまでも
 サムナー館の屋根が見えんことを!

しかし教えてほしい、彼女は名前を読んだだろうか?
 最後に私が胸を弾ませながら
お前の枝の下に休みに来た時、
 数多くの誓いとともに刻んだ名前を。

「ああ、読んだ、彼女は私のこの瘤のある膝の周りを
 ぐるぐる、ぐるぐると歩き回った。
そして見つけ、見つけた名前にキスして、
 そして甘くささやいた、あなたが彫ったのだと。

「一粒の涙が震えながらこぼれ、
 そして私の表皮を伝って落ちた。
私の触覚は粗雑なものだ、
 しかし、彼女は泣いたと私は信じている。

「そして彼女の頬にバラ色の光が輝き、
 彼女は平原を向こうまで見渡した。
しかし、動物はなにもいなかった。
 彼女はもう一度私にキスした。

「彼女のキスはとても親しく、優しかったので、
 信じてほしいのだが、
私は硬く、樹皮もしわくちゃな木だが、
 それでも樹液をかき乱されたほどだ。

「そして一年が過ぎたことを示す
 あの春の盲目の衝動のように
私は私の最も内側の年輪にさえ
 喜びを見出した。

「その波打つ香油のような
 巻き毛を愛撫し
乙女の柔らかい手のひらを
 その手のクッションで押せる者は三倍も幸せだ。

「私は、ここ森の中に根を下ろしている、
 そして、私の退屈な植物の愛を
雄蕊と花粉によって
 気だるく調整している。

「なぜなら、ああ、友よ、詩人が歌う
 葉っぱの中に息づくものが、
その樹皮を脱ぎ捨てて歩けた
 時代は短かった。

「しかし、もし私が、昔のように、
 小枝、枝、茎から、
それらに散らばっている生命を吸い込んで、
 一つに集めることができたなら、

「彼女が私を見逃すことはなかっただろう/
 そして軽やかに走り寄って来たことだろう、
彼女のキスに、私は高い利子をつけて
 キスを返したことだろう。

ああ、葉っぱの塔を高く繁らせ、
 そして野原を見下ろせ、
木陰の中にお前の愛を探し求めよ、
 しかし私の愛はお前のものだ。

ああ、シダの中に深く隠れて繁れ、
 古い樫の木よ、私はお前をとても愛している/
お前が私に教えてくれたこと
 そしてまだ語っていないことについてとても感謝している。

「もう少しだけ話そう:暖かい日だった/
 ついに遊び疲れて、
彼女は頭を腕にのせ、
 そして私の足元に横たわった。

「彼女のまぶたはその絹の軒を垂れた。
 私は彼女の目に息を吹きかけた
それは私のすべての最盛期の葉っぱの
 ため息混じりの歓迎だった。

「私は、群れをなす生命の音を捉えた—
 街からの音楽を—
鼓笛隊のつぶやきを
 そしてそれを私の中に吸収した。

「時々、私は一本の光線を滑らせて
 彼女の影になった目に当てた/

 金色の蝶のように舞わせた/

「三本目は彼女の首にきらめかせて
 ネックレスを輝かせた/
もう一本は、頭から細い足首まで
 太陽の小片のように滑らせた。

「それから私は濃く暗い腕を広げ、
 そして休む彼女の体に影をさしかけて—
その金色の頭に露を、
 その胸にドングリを落とした。

「しかし、彼女は驚いて跳ね起き、
 それをほじり出して、私の小さな樫を
胸からつまみ出した、
 そして露の中に投げ捨てた。

「それは心を込めた贈り物だったのだ—
 私の親族を切り倒すために
木こりが斧を振り上げるのを
 見たときのような痛みを私は感じた。

「私の最も美しい子だったから
 私はそれを揺り落としたのだ。
それはあなたの隣に、草の中に転がっている。
 ああ、一度だけキスしてやってくれ。

「ああ、キスする唇のない私に代わって、
 二度、三度キスしてやってくれ、
野原にかつてなかったほどに
 美しい樫の木になるだろうから。

ハーブとシダにさらに深く分け入れ、
 狩猟場のさらに先を見ろ、
お前の大枝を高く伸ばせ、
 サムナー館の正面が見えるまで。

いつか幸せな未来に
 より美しい愛の果実が宿るかもしれないところに
ほんの一瞬、横たわった
 お前の果実は愛に祝福されている。

私はそれに二度、三度とキスする。
 生命を成熟させるその暖かさは
中にいる赤ちゃん樫の木の
 心を動かすだろう。

しかし、王国が転覆しても、
 あるいは手から手へと渡っても、
この地にお前の葉っぱとドングリが
 尽きることは決してない。

ここからリザード岬(*ブリテン島西南端)までの間で
 最も美しく話す木であるお前を決して、
ノコギリが切り倒すことなく、
 斧がバラバラにすることのなきように。

ああ、すべての甘くゴクリと鳴る喉よ
 塔のようなお前のてっぺんで揺れ動け!
すべての満天の星よ
 お前の足元に香油の露を落とせ!

すべての絹のような羽根のような草よ、伸びよ—
 そしてそれが沈んだり膨らんだりするとき
豊かな南風がお前の周りを吹き
 大聖堂の鐘が鳴る。

肥えた土はお前の
 深く、枝分かれした根を養う!
北の朝は銀色の穂を
 お前の上に高く突き出す!

そして、稲妻よ、お前を焦がすなかれ、
 しかし低い雷よ、
眠っているようにゴロゴロ鳴って
 お前を大きく奥深くする芳醇な雨を降らせろ!

そして私は厳粛に誓う、
 お前だけを立会人として
私はオリヴィアに誠実を誓い、
 そして彼女を私の花嫁にしよう。

そして結婚の朝、
 彼女はドリュアス(*木の精)のように、
葉っぱとドングリが交互に並んだ花冠で
 髪を飾るだろう。

そして私は散文と韻文を書こう、
 そして両方でお前をより称賛しよう。
詩人がブナやライムを、
 あるいは黒ずんだキジバトが住み、

そして神秘的な言葉が語られた
 テッサリアの茂みを称賛するよりも称賛しよう/
そしてイングランドが
 すべての道が暗くなって、

そしてはるか下を粗野な賛美歌を口ずさむ
 円頂党(*清教徒革命の議会派)の馬が行き過ぎるまで
若きチャールズを匿った、
 お前の有名な兄弟樫を称賛するよりも称賛しよう。

 

 

2025.9.6
*清教徒革命で処刑されたチャールズ1世は追手を逃れるために樫の木の上で一晩を過ごしたことがある。
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/englishidyls/talkingoak.html

| カテゴリー : テニスン | 投稿者 : 上田エリヤ

Fatima ファティマ

 

Fatima ファティマ

 

ああ、愛、愛、愛よ!ああ、失われゆく力よ!
ああ、私が目を凝らすとき
真昼の高さにあって、
身体を震わせ、すべての熱と光を脈打たせる太陽よ、
 見よ、私はいつもの私ではなく、
 見よ、焦げて、枯れ果て、聾の盲になって、
 吹き荒れる風の中の木の葉のように渦を巻いている。

昨夜、私は街の東の塔の下で
憎むべき時間を無駄にした:
喉が渇いて小川や雨が恋しかった:
柔らかい花々の中を転がった:
 私はそれらを胸に、口元に押しつけて/
 南の長い砂漠の
 燃え盛る日照りの向こうに想いを馳せた。

昨夜、誰かが彼の名を口にしたとき、
私の中を素早く流れる血潮が放つ
千の小さな炎の矢が
私の細い身体の中で震えた。
 ああ愛、ああ炎!かつて彼は
 一度の長いキスで私の唇から魂のすべてを
 吸い取った、太陽の光が露を飲み干すように。

彼はきっと素早く来る、
彼が丘を登る前に:深い庭園から
吹くような甘い風が
吹き上がって、私の額を打つ。
 私の脳は乾いていて、心はたちまち、
 恍惚から恍惚へと深く沈み込み、
 朝の月のように朦朧としてしまう。

風は銀の糸のような音を立て、
そして真昼を過ぎて、丘には
炎が注がれ、そして空は欲情して
さらに低く身をかがめる/
 そして、彼の姿を見たとき、
 突然の激しい喜びに貫かれ、
 私の心は光の海に浮かび、花開く。

私の魂のすべては静かに待っている、
蒸し暑い空の下、まったくの裸で、
彼の目の輝きに目が眩んでうなだれている:
私は彼を手に入れるか、死ぬかだろう。
 彼のところで、彼の周りで、私は育つ、
 彼の顔を見ながら育ち、生き、死ぬ、
 死ぬ、しっかりと彼に抱きしめられながら死ぬのだ。

 

 

2025.9.2
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/ladyshalott/fatima.html

The Sailor Boy 船乗りの少年

 

The Sailor Boy 船乗りの少年

 

夜明けに彼は起き上がり、希望に燃えて、
 騒然とした港の砂州を越えて、
船にたどり着き、ロープを掴み、
 明けの明星に向かって口笛を吹いた。

そして、長く大きな口笛を吹いているとき、
 人魚の不快な声が聞こえた「ああ、坊や、
あなたは若く、うぬぼれているが、
 私にはあなたの行く末が見える。

「砂と泡立つ波が混ざり合う
 荒れ果てた入江の洞穴の中、
あなたのあばら骨にはカサガイがつき、
 胸には落書きのような跡ができる。」

「馬鹿野郎」と彼は答えた「旅に出ても、出なくても
 みんないつかは必ず死ぬんだ、
だが家でぼーっとしていることに
 俺はもう耐えられない。

「お袋は俺の首にしがみつき、
 姉貴たちは『おとなしく家にいて』と泣き、
親父は死と難破についてまくしたてた、
 碌でもない、碌でもないやつらだ。

「神様、俺を助けて下さい!俺は荒れ狂う海の
 危険の中に飛び込もうとしています、
俺の心には悪魔が現れます、
 そいつは俺にとってどんな死よりも悪いのです。」

 

 

2025.9.2
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/enocharden/sailorboy.html