The Letters 手紙

 

The Letters 手紙

 

I.
塔の上の風見鶏は止まっていた、
 黒いイチイの木が淀んだ空気を暗くしていた、
私は内陣の窓を覗き込んで
 冷たくがらんとした祭壇を見た。
足には鉛の靴、
 額には痛みの帯があった/
「冷たい祭壇よ、天と地が一つになる日まで
 お前が私の結婚の誓いを聞くことはないだろう。」

II.
私は振り向いて、健全な人の心を嘲笑う
 苦い歌を口ずさんだ、
そして私たちは怒り、誤解したまま会った、
 私たちは会ったが、別れるためだけに会ったのだ。
私の挨拶はこの上なく冷たく、乾いたものだった/
 彼女はかすかに微笑んで、感情をほとんど出さなかった/
図らずも私は
 彼女が私の好む色を着ていることに気づいた。

III.
彼女は小さな象牙の箱を出して、
 ため息をつきながら鍵を開け、
唇を噛んで顔を上げ、
 そして私の手紙を私に返した。
そしてかつては喜ばれた
 私の贈り物である、装身具と指輪も返した/
私はそれらを
 亡き息子の遺品を見る父親のように見た。

IV.
彼女は友達が言っていたことを全て話した;
 私は広められた嘘に憤慨した;
彼女はまるでその愛が消え失せたかのように話をした、
 しかし、私の言葉には炎の種があった。
「愛などもう沢山だ/女がどういうものかは知っている/
 私は二度と騙されない。
これからは男だけを信じる、
 女など信じない。

V.
最も卑しい地獄の子—中傷ゆえに、
 そして、中でも女の中傷は最悪なものだが、
そしてあなた、かつて私が愛した人よ、
 あなたゆえに、私の人生は呪われたものになるだろう。」
私は心と熱と力を込めて語った、
 私は漠然とした不安で彼女の胸を揺さぶり—
山の水源からほとばしる奔流のように
 私たちは互いの腕の中に飛び込んだ。

VI.
私たちは別れた:帰りに教会を通り過ぎるとき、
 星は甘く瞬き、
そして、霧は甘美な青を編み、
 鐘楼の格子には優しいそよ風が吹いていた。
くっきりと、黒々と浮かび上がった
 墓石でさえ微笑んでいるようだった/
「暗いポーチよ」と私は言った「そして会堂の静かな通路よ、
 もうすぐ結婚の鐘を聞くことになるだろう。」

 

 

2025.10.18
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/englishidyls/letters.html

The Death of the Duke of Clarence and Avondale クラレンス及びアヴォンデール公爵の死

 

The Death of the Duke of Clarence and Avondale
クラレンス及びアヴォンデール公爵の死

 

ご会葬の皆様へ。

花嫁の花冠は棺に落ち、
その上を覆っていた王冠の影を、
死の影が消し去ってしまいました。
とても高貴で、優しく、誠実で、敬虔で、清らかで―
嘆きましょう!皆様とともに世界帝国が嘆いていること、
全ての玉座が皆様が失われたものゆえに曇っていることは
ささやかな慰めに過ぎないでしょう。しかし、それでも慰めとならんことを/
なぜなら、もしこの地上を「完全な愛」が支配しているならば、
その短く、非の打ちどころのない日々の終わりの
弔いの鐘は、天使の耳に
最も朗らかな結婚の鐘よりも、幸せに響くだろうからです。
「死」の顔は「生命」の太陽を向いています、
その影は地上を暗くします:その真実の名は
「前進」です、偉大な「未来」が到来するまでは
「永遠のハーモニー」はかすかにしか聞こえません、
しかし、世界はそれに向かって
時を刻みつつあり、その響きと進展に
不協和音はありません。希望を持って嘆きましょう!

 

 

*インフルエンザと思われる流行病のために29歳で死去したヴィクトリア女王の孫、エドワード皇太子の長男、ヴィクターの死に際して書かれたものです。“花嫁の花冠”は前年にメアリー・オブ・テックと婚約していたことへの言及です。
202510.15
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/deathofoenone/deathduke.html

Kate ケイト

 

Kate ケイト

 

私は知っている、
彼女が怒ったときの、
 その輝く黒い瞳、輝く黒い髪を、
丘の麓から聞こえるキツツキのような
 野生的で甲高い、けたたましい笑い声を。
 ケイトは―言いたいことを言う/
ハープのように澄んだ響きの
 ケイトの舌には手綱がない。
 その心臓は脈を打つ星のようだ。
ケイトの魂は新しい弓のように
 常に張りつめていて、
 三日月刀の刃のようにまぶしく、鋭い。
彼女にふさわしい相手はどこにいるのだろう?
 ケイトは普通の愛に満足しない/
鋼の刃のように純粋で真実な
 私の女兵士、勇敢なケイト。

ケイトは「世界には力がない」と言う。
ケイトは「男たちは金ピカの蝿よ」と言う。
 ケイトは私の求愛に指を鳴らす/
ケイトは愛する者のため息を聞こうとしない。
私が、見事に勝ち取った冒険で名を上げ、
そして日に焼けた額に
 新たに獲得した花冠をかぶった
武装の騎士だったらよかった/
 私は貴婦人の瞳を夢見ながら
ガシャンガシャンと音を立てて
最も黒い縦隊を一瞬で貫き通し、
右に左に強く打ち倒すだろう。
 ああ、ケイトは大胆で激しい者を愛する/
しかし、ケイトにとって十分に大胆な者はいない、
彼女にふさわしい男などいない

 

 

2025.10.17
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/juvenilia/kate.html

Will 意志

 

Will 意志

 

I.
ああ、意志が強い者は幸いだ!
彼は苦しむが、長くは苦しまない/
彼は苦しむが、間違って苦しまない。
なぜなら彼は、大海の真ん中で嵐に揉まれ、
四方を轟音に取り囲まれ、
波のうねりの衝撃を受け止めている、
城を頂いた岩の岬のように、
世間の愚かな嘲笑にうろたえず、
災厄の最も巨大な波にも揺るがないからである。

II.
しかし、時とともに改善することなく、
天から授かった意志の力を腐らせ、
犯した罪、あるいは相も変わらず、繰り返し心を誘う
安易で小さな過ちによって、
ますます弱くする者は災いだ!
彼は果てしない砂漠に苦しみ、
酷暑の大地の上、
灼熱の空のはるか下、
巨大な砂丘のシワの中に点々とばら撒いた
足跡を休ませる旅人のようである、
都市は塩粒のように輝いている。

 

 

2025.10.14
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/maud/will.html

Tomorrow 明日

 

Tomorrow 明日

 

I.
旦那様がお声をかけられた女性のことですか?いつのことです?去年―
旦那様が最後にいらっしゃった時、こちらの、橋のそばに立っていた?
旦那様は、お早うございます(mornin’)とおっしゃり、彼女は「明日(tomorrow)
」と返しました。
彼女の名前をご存じですか?旦那様、モリー・マギーと言ったのです。
旦那様は、由緒あるお家柄で、いつもご親切な方です、
しかし、すべてのことには訳があります、旦那様、モリーは気が触れていたのです。

II.
ええ、私はあの夜のことを覚えています。川沿いを歩いていた時のことです、
今でも、まるで夢のように、昨日のことのように思えます―
旦那様があの女性をご覧になった場所でのことです―月は細く欠けていました。
声が聞こえました―モリー・マギーと、恋人ダニー・オ・ルーンでした―
「少し飲んでるみたいね」と彼女は言いました。ダニーは「その通り。
シェイマス・オ・シェイと、ケイティの酒場で君の健康を祝って飲んでいたんだ/
でも、もう行かなきゃいけない。」「あら、どこへ行くの?」
「サセックスへ小麦を刈りに、海を渡るんだ」と彼は言いました。
「いつまた会えるの?」と彼女が聞くと、彼は「モリー、愛しい人、
明日、教会のドアの前で会おう」と言いました。
「いつ私を置いて出発するの?」と彼女が聞くと、「月曜の朝だ」と彼は言いました。
「じゃ、明日必ず会えるのね?」「明日、明日だよ、愛しい人!」
すると、旦那様、ダニーを嫌っていたモリーの年老いた母親が、
小屋から叫んで、その男から離れなさい、と命じたのです。
モリー・マギーは、ひばりのように軽やかに私の前を駆け抜けました。
ダニーは一分ほど立ち尽くしてから、暗闇のへ消えていきました。
しかし、ああ!その夜の嵐―雷鳴、そして降った雨、
谷の後ろを流れる川は、地獄も水浸しにするほどでした。

III.
しかし、翌朝、大地は穏やかで、空は光に満ちて輝いていました、
まるで栄光の聖母が眠る我が子に微笑むように―
そしてー彼女は教会の広場に足を踏み入れ、まわりを見回して、
ダイヤモンドのような涙をこぼしました、ダニーはいなかったのです。
ミサで涙を流す彼女を何度も見かけました、
しかし、旦那様、なんということでしょう、ダニーは四十年間、まったく現れなかったのです。

IV.
ああ、モリー・マギー、バラの赤と、サンザシの白、
あなたの髪は夜のように黒く、瞳は太陽のように輝いていました!
私の愛しい人、あなたのささやきは鳥の歌声のように甘やかでした!
私の宝、あなたの言葉一つ一つが、音楽のように私の心臓を鳴らしました!
王笏を持つ女王の手でさえ、あなたのものほど優雅ではなかったでしょう。
踊るあなたの足取りは、雪のように軽やかでした。
あなたが街を歩けば、太陽が雲間から顔を出したかのようでした。
シェイマス・オ・シェイはあなたの影のようでした、そして、あなたの足元にひれ伏しました。
私はあなたを、心ひとつ半、愛していました、私の愛しい人。シェイマスは
あなたのキスのためなら、自分の魂を撃ち抜きさえしたでしょう、モリー・マギー。

V.
しかし、彼女をめぐって私が彼の脳天をかち割って以来、私たちは良い友達になりました。
そして老ドノバンの葬儀で、彼は私にできる限りの仕返しをしました。
ダニーがいなくなって、若い男たちが再び彼女の周りに集まりました、
シェイマスもその一人でした、しかし彼女は皆を追い払いました。
その後、鳥のように、彼女が呼びかけに応じるかどうか、私も試してみました。
しかし、神様、モリーはどちらにもまったく、まったく聞く耳を持ちませんでした。

VI.
そして、彼女の隣人や友人たちは、朝晩、慰め、同情しました。
「あなたのダニーは、サセックスの小麦を刈りに海を渡らなかったのよ/」と言いました。
「彼はアメリカへ行ったのよ、愛しい人。そして別の人と結婚したわ。
あなたが二度とあの裏切り者の顔を見ることはないでしょう。
結婚している男を夢に見るのは、生きていても死んでからも、大罪だわ。」
しかし、モリーは言いました「彼と約束したのよ。きっとまた会えるわ。」

VII.
そして、両親が、一日のうちに天に召された後、
彼女は自分と酒に語り、ささやき、言い始めました。
「明日、明日!」そしてモロニー神父は彼女の手を取って、
「モリー、私が間違っていなければ、あなたは
ご両親とダニー・オ・ルーンに、祝福された殉教者や聖人たちと一緒に
神様の前で再び会うことを言っているのですね。」と言いました。彼女は頷きました。
「明日、明日」と彼女は言いました。欺くつもりはなかったのです、
しかし彼女は気が触れて、髪の毛は墓地に積もる雪のように白くなってしまいました。

VIII.
ああ、先月、沼地を掘っていたとき、
泥水に漬かった死体が見つかりました。

IX.
旦那様の代理人は、ケイティの酒場で私にこうおっしゃいました。
「悪魔め、すべての黒い土地を持っていけ。緑こそが祝福である!」
では、貧しい者はどこで火を焚くための泥炭を切り出せばいいのでしょう?
しかし、ああ!沼地よ、人間を丸ごと飲み込んでしまうお前を呪う!
天国には、まばゆい光や輝きを放つ沼地などありません、
そして悪魔の台所にはそれらを放たない、憎しみだけが十分にあります。

X.
神父様がおっしゃるには、エジプトの無知蒙昧の黒人たちは、
異教の王の肉体を、最後の審判の日まで保存できたそうです。
そして、なんと、猫や犬まで保存していましたが、
もしアイルランドの沼地のそばに住んでいたなら、それはもっと簡単なことだったでしょう。

XI.
そして、見つかった遺体は教会の門のそばの
芝生の上に置かれました。人々はミサへ行く途中にそれを見ました。
しかし、世代は新しくなっていて、古い世代はほとんどいなくなっていました。
私自身も、教区の誰も、彼を知りませんでした。

XII.
しかし、モリーが杖をついて、足を引きずりながらやってきました、膝がわるかったのです、
一人の若者が尋ねました、「あなたはこの方をご存じですか、モリー・マギー?」
彼女は世界の女王のようにまっすぐに立ち上がって―顔を上げました―
「彼は明日会おうって言ったのよ!」そして、死者の傍らに倒れて死にました。

XIII.
ああ、モリー、私の愛しい人、あなたたちの葬儀であなたたちが、まるで夫婦のように
横たえられた時、私たちは、あなたたちが再び生き返るのではないかと思いました。
亡くなった友人たちのために、誰もが涙を流し、乾いた目は一つもありませんでした!
音のない喉は一つもなく、聞こえていたのは「ああ!」という嗚咽だけでした。
そして、今や十人の子供の親になったシェイマス・オ・シェイが、
立派に育った子供たちとともに、まるですべてを失ったかのように、嘆き悲しんでいました。

XIV.
そして神父様は二人を、セイヨウニワトコの老木の傍の、一つの墓に葬りました、
若きダニー・オ・ルーンと、老いたモリー・マギーを。

XV.
エルサレムの花々が、草から萌えて咲き誇り—あなたたちがそうしたように—
あなたたちの十字架の上で、抱き合い、キスし合いますように!
そして、ヒバリが花の中から歌を歌いながら太陽と月へと飛び立ち、
天国にモリー・マギーとダニー・オ・ルーンのことを告げ、
聖ペテロが鍵を持って立ち上がり、門を開けますように!
そして、祝福された母、そして無数の聖人や殉教者たちと共にいて、
そして、永遠に「アヴェ・マリア」と「主の祈り」を歌い続ける方が
サセックスで小麦を刈るより良いことは、十字架に誓って、確かです。

XVI.
さて、私は見たこと、聞いたことを、旦那様にすべてお話ししましたので、
旦那様は私に、旦那様の健康をお祝いするためのポティーンを一杯くださるでしょうね。

 

 

*アイルランドが舞台です。原文はHiberno-Englishと呼ばれるアイルランド英語で書かれています。泥炭に埋まった死体は長期にわたって保存状態が良い場合があります。ポティーンとはアイリッシュ・ウイスキーのことです。
2025.10.13
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/tiresias/tomorrow.html

Audley Court オードリー・コート

 

Audley Court オードリー・コート

 

「宿屋も酒場も満員で、もうどうにもならない。
ピクニックでもしようじゃないか、
オードリー・コートで。」
   オードリーの祭りで狭い波止場が
蜂の巣のようにブンブンとうなっている時、
腕にバスケットを提げたフランシスに、ボートから降りたばかりの、
潮の香りを吸い込んでいるフランシスに、私はそう言った。「いいね!」
フランシスは言った。それから私たちは人混みをかき分け、
静かな浜辺を巡って、湾の一番奥の小さな入江まで行った。
 私たちは赤い平らな花崗岩に弱々しくキスしては、
消えてゆく引き潮を後にして/草が刈られた後の
平らな牧草地をいくつも通り過ぎ、グリフィンに守られた
門にたどり着いて、柱のようなオオカエデに
囲まれた夕闇をすべて通り抜け、
そして庭を横切って庭師の小屋に行った、
その窓はすべてはめ込み式で、その壁と
煙突はツタの葉に覆われていた。
 そこでフランシスは果樹園の斜面に、
馬と猟犬の柄のダマスク織のナプキンを広げ、
黒っぽい家庭的なパン、そして半ば切り分けられた
中にウズラとハト、ヒバリと野ウサギが
岩の中の化石のように並んで黄金の黄身に埋め込まれ、
ゼリー状にされたお金のかかったパイ/そして最後に、
携帯瓶に入った、上等なことが分かっている
彼の父親の樽のリンゴ酒を取り出した/そして私たちは座って食べ、
昔の話をした/誰が死んだか、
誰が結婚したか、誰がしそうか、そして
競馬はどうなったか、そして誰が館を借りるだろうか:
それから狩猟について触れた、今シーズン
いかに獲物が少なかったか/そこから移って、農場、
四圃制、そして穀物価格について議論し/そして
穀物法に触れ、そこで意見が分かれた、
そして王について再び顔を熱くして
一致して/そして彼は大声で笑い/
そして、クロウタドリがリンゴの木にぶら下がって
聞いている中、私の手を手で叩いて歌った—
「ああ、誰が戦い、行軍し、行軍して戻りたいだろうか、
6ペンスもらって戦場で撃たれ、
誰にも知られずに血まみれの塹壕に
埋められたいだろうか?私には私の人生を生きさせてくれ。
「ああ、誰が机に向かって計算し、天秤を使いたいだろうか、
その若さがすべて干上がって、
その指の節がすべてチョークまみれになるまで
カラスみたいに三本足の椅子に留まっていたいだろうか?私には私の人生を生きさせてくれ。
「誰が国に奉仕したいだろうか?もし
祖国を守る崖に私が名を刻んだとしても、
砂にそれをなぞったのと同じことだろう/
海はすべてを洗い流してしまう:私には私の人生を生きさせてくれ。
「ああ、誰が愛したいだろうか?私はかつて女性に求愛した、
しかし彼女は東風よりも冷たかった、
そこで私の心はすっかり彼女から離れてしまった、
イバラが海から離れるように/私には私の人生を生きさせてくれ。」
 彼は歌い、私は私の歌で応えた:
私はそのすべての歌を、私を打ちのめした一冊の中に見出した、
老いたロバート卿の誇りだった彼の本たちは―残念なことに、と私は言った―
3月にここで競売にかけられた―そしてこれは―
私が言葉を直し、知っている名前を加えたものだ。
 「眠れ、エレン・オーブリー、眠れ、そして私の夢を見よ:
眠れ、エレン、姉の腕に抱かれて、
そして眠っている、その腕が私のものであるかのような夢を見ながら。
 「眠れ、エレン、エミリアの腕に抱かれて/
君以外の何よりも美しいエミリアの腕に、
なぜなら、君はいかなる存在よりも美しいのだから。
 「眠れ、彼女の胸に健康と平和を吹きかけながら:
眠れ、彼女の唇に愛と信頼を吹きかけながら:
私は今夜行く:明日の朝帰る。
 「私は行く、しかし私は帰る:私は闇と夢の
支配者になりたかった。
眠れ、エレン・オーブリー、愛する人、そして私の夢を見よ。」
 そうして私たちは互いに歌い合った、フランシス・ヘイルは
湾の向こうに住む農夫の息子で、
私の友人だった/そして私は、余裕があって、
そして人生の不毛な余暇には
どこへでも転がって行く石のように、
したいことをしていた/しかし夜になる前に私たちは立ち上がり
月の下を散歩しながら家路についた、三日月は
私たちが丘の端にたどり着くまで、
木の葉の上にうっすらと空気のような
銀色の黄昏を降らせていた/そして私たちが
岩から岩へと薄暗い波止場の上まで滑り降りると、
足元で町は静まり返っていた:その下の
湾は油のように穏やかだった/静寂の中にただ一つ、
緑色の火の粉を放つ燐光の星のような
港のブイが時折浮かんでは
沈み込んでいた、そして私たちは心から喜んだ。

 

 

2025.10.11
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/englishidyls/audleycourt.html

To one who ran down the English イングランド人を貶める者へ

 

To one who ran down the English イングランド人を貶める者へ

 

あなたは私たちの過ちを大げさに言う。そして
私たちの暗い未来を予言する。あなたの心配が杞憂に終わらんことを!
ときに窓ガラスに留まる小さな黒いハエが
遠い平原の黒い雄牛のように見えることもあるのだから。

 

 

2025.10.12
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/demeter/downenglish.html

Lilian リリアン

 

Lilian リリアン

 

I.
  軽やかな、妖精のリリアン、
  ひらひらと舞う、妖精のリリアン、
私を愛しているかと尋ねると、
  この上なく笑って、私の頭上で小さな手を叩き/
私を愛しているかどうかを教えない、
  残酷な小さなリリアン。

II.
  私の情熱が
  愛のため息に喜びを感じるとき、
 彼女は私を隅から隅まで見抜いてしまい、
私をすっかり打ちのめすために
微笑んで、決して何も言わない/
とても無邪気でいたずらっぽく、とても狡猾で単純、
その襞のあるベールの下から
 黒いビーズのような瞳が覗いて、
稲妻のような微笑みは
  その赤ん坊のような頬にえくぼをつくる/
  そして彼女は飛び去る。

III.
  どうか嘆いてくれ、メイ・リリアン!
  曇ることのない陽気さが
  私をうんざりさせる、メイ・リリアン/
深紅の糸の唇から
 銀の玉を転がすような笑い声が聞こえると
私の心臓はまるごと震えてしまう:
  どうか嘆いてくれ、メイ・リリアン!

IV.
  もし私がどんなに頼んでも、
あなたが静まらないのなら、
  軽やかなリリアン、
あなたをバラの花びらのように圧し潰してしまおう、
  妖精のリリアン。

 

 

2025.10.11
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/juvenilia/lilian.html

The Dawn 夜明け

 

The Dawn 夜明け

「君たちはまだ子供だ。」

エジプトの神官からソロンへ。


 

 

I.
夜明けの赤!
ティルスのモロクの赤く焼けた手のひらで泣き叫ぶ赤ん坊、
南方の森で、兄弟であることを忘れて人間を食らう人間、
主の御名の下に、次から次へと、魂を炎の餌食にする司祭たち、
首狩り族と、人間の血の上を漂うダホメーの舟!

II.
夜明けの赤!
神なき民衆の怒り、キリストに似ていない王たちの浮かれ騒ぎ、
そして都市に降り注ぎ、農場を燃え上がらせる戦争の稲妻、
なぜならバビロンは生まれたばかりの嬰児、ローマは腕に抱かれた赤子、
そしてロンドン、パリ、その他すべてはまだ手引き紐につながれた子供だからである。

III.
夜明けであって昼間ではない、
不名誉がその食人の宴で冷血の名前を口にし、
そして肉体と魂が滅びて、ともに沈み、
そして千の都市の新聞がその獣臭さゆえに重宝され、
あるいは硬貨や小切手のために汚れなき真実が容易に侵犯されるときは。

IV.
夜明けであって昼間ではない!
低い獣の巣穴から登ってきた者、心と魂を持った人間、
四つ足の意思の奴隷ではない者がこれほどまでに少ないことは恥ではないだろうか?
しかし、もし太陽の光がまだ二千万の夏を与えてくれるなら、
人類の真昼にほど遠い我々にも、成長のための時間はある。

V.
夜明けの赤!
その赤は薄まりつつあるのだろうか?そうあって欲しい、しかしいつ、我々は
いまだ徘徊して、我々を悩ませる野獣の亡霊を葬り去って、自由になれるのだろうか?
百、千の冬の後だろうか?ああ、我々の子供たちはどうなっているのだろうか、
十万、百万の夏の後の人間たちは?

 

 

*ダホメーは現在のアフリカ・ベナンの旧名、奴隷狩りで有名でした。
2025.10.10
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/deathofoenone/dawn.html

The Roses on the Terrace テラスのローズとバラ

 

The Roses on the Terrace テラスのローズとバラ

 

ローズ、五十年前、このテラスで、
   私が人生の六月を、あなたが五月を迎えていた頃、
「私のバラ(*ローズ)」という二語に、あなたは顔を赤らめた、
   そして今、私の髪は白く、あなたのそれは灰色になり、
五十年前のあの赤面は、愛しい人よ、
   過ぎ去った日のバラ色だが、まるで五十マイル先の
青を背にして輝いている私たちのテラスの
   この赤いバラのように、今日、私には近く感じられる。

 

 

2025.10.10
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/demeter/rosesterrace.html