To Virgil, Written at the Request of the Mantuans for the Nineteenth Centenary of Virgil’s Death ウェルギリウス殿 啓上、マントヴァからの依頼によるウェルギリウス没後1900年を記念する詩

 

To Virgil, Written at the Request of the Mantuans for the Nineteenth Centenary of Virgil’s Death
ウェルギリウス殿 啓上、マントヴァからの依頼によるウェルギリウス没後1900年を記念する詩

 

ローマのウェルギリウス、
炎に包まれるイリオスの高き神殿、
イリオスの陥落、ローマの興隆、戦乱、
そして親孝行、ディードーの積み薪を歌った人/

風景を愛でた人、
「労働と日々」を歌った人(*ヘシオドス、BC700頃)よりも言葉を支配した人、
幾多の黄金のフレーズから、
選び抜かれた想像力の硬貨が輝き出る/

小麦と森を、耕地とブドウ畑を、
蜂の巣箱と馬と家畜の群れを歌った人/
すべてのミューズの魅力は
しばしば孤立した言葉の中に花開く/

ブナの木陰で笛を吹く
幸福な(*羊飼い)ティテュロスの詩人/
羊飼いが笑いながら花を巻きつけた
詩人の中の詩人サテュロス/

ポッリオ(*ガイウス、アシニウス、BC75-AD4、ウェルギリウスの後援者)の歌い手、
再び来る至福の時代に栄光を見いだし、
蛇のいない牧草地の夏、
労苦なき大地と櫂なき海を歌った人;

普遍的な精神に動かされる
普遍的な自然を見た人/
人間の不確かな運命を
気高く悲しんだ人/

消え去った時代の光/
この幻の岸辺を今も輝かせる星/
影たちの中の黄金の枝(*アイアネースの中の逸話)、
去って再び帰らない王たちと王国たち/

大海のうねりのようなあなたの音律が
永遠にローマ帝国を謳っているにもかかわらず—
今やあなたのフォルム(*公会広場)に歓声が轟くことはなく、
あらゆる紫衣の皇帝のドームは崩れ落ちてしまいました—

今や奴隷たちのローマは滅び、
自由民のローマがその座を占めています、
かつて全人類から隔絶されていた

北の島から来た私は、

あなたに敬意を表します、マントヴァの人よ、
私の人生が始まって以来ずっと、あなたを愛してきた私は、
人の唇が作り出した
最も荘厳な韻律の使い手に敬意を表します。

 

 

2025.6.19
https://www.poetryfoundation.org/poems/45391/to-virgil-written-at-the-request-of-the-manuans-for-the-nineteenth-centenary-of-virgils-death

In the Valley of Cauteretz コーテレッツの谷にて

 

In the Valley of Cauteretz コーテレッツの谷にて

 

谷中を流れる、
夜が深まるとともに声を潜める、白くきらめく小川よ。
お前の水が流れる谷中を、
三十二年前に、私は愛した人と歩いた。
私が今日、谷中を歩いている間、
三十二年は、流れ去る霧のようだった/
谷中で、岩だらけの川床で、
お前の生きた声は、私には死んだ人の声のようだった。
そして谷中で、岩や洞窟や木々のそばで、
死んだ人の声は、私には生きている声のようだった。

 

 

*コーテレッツはピレネー山中の地名
 テニスンは若い頃、早世した友人ハラムとこの地を訪れた。
2025.6.13
https://www.poetryfoundation.org/poems/45358/in-the-valley-of-cauteretz

To ― (”After Reading a Life and Letters”) 啓上 (『生涯と書簡』読後)

 

To ― (”After Reading a Life and Letters”) 啓上 (『生涯と書簡』読後)

 

「わが骨を動かす者に呪いあれ。」 シェイクスピアの墓碑銘

あなたは詩人の名声を得られたかもしれない、
もしそのようなものが今、勝ち取るに値するならば、
そして、私が要求できるものよりも完全な葉によって編まれた
月桂冠をかぶることができたかもしれない/

しかし、あなたは記録に残らない友人たちの群れ、
実り多い人生、静かなる声を経て
優雅な結末に向かう人生という、
より賢明な選択をした。

そして、あなたは詩人の王冠を被る者の
冷笑的な運命を逃れた/
今後、悪党も道化も
あなたの墓で乱痴気騒ぎをすることはないだろう。

今や詩人は死ぬことができず、
昔のように音楽を残すこともできない、
彼がまだ冷たくならないうちに
スキャンダルと叫びが始まる。

「彼が隠したであろう欠点を公表せよ。
錠を壊し、封印を破れ。信頼を裏切れ。
何も神聖なものとして残すな。
多頭の獣に思い知らせるのは当然のことだ。」

ああ、恥知らず!彼はただ歌ったのだ、
その価値が私たちを喜ばせた歌を。
彼は地上で公人ではなかった、
彼は目立った政治家でも王でもなかった。

彼は人々に最良のものを与えた。
彼の最悪なものを与えず、最良のものを与えたのだ。
彼の遺灰を休ませようとしない道化と悪党の上に
私のシェイクスピアの呪いあれ!

川岸や茨の小さな生命、
孤独な願望を歌い、
木の上で
誰にも聞かれずに死ぬ鳥である方が、

長く大きく歌い、栄光の神殿の門で倒れ、
ハゲワシがその心臓を引き裂くために
群衆の前で待っている者であるよりも
はるかに甘美であると思わせる者に呪いあれ!

 

 

2025/6/12
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/englishidyls/afterreading.html

Late, Late, so Late 遅くなった、遅くなった、とても遅くなった

 

Late, Late, so Late 遅くなった、遅くなった、とても遅くなった

 

遅くなった、遅くなった、とても遅くなった!夜は暗く、身を切るように寒い!
遅くなった、遅くなった、とても遅くなった!それでも私たちはまだ入れてもらえるでしょう。
遅すぎる、遅すぎる!あなたたちはもう入ることはできない。

私たちは光を持っていませんでした。そのことを悔やんでいます/
そのことを知れば、花婿様は心を和らげて下さるでしょう。
遅すぎる、遅すぎる!あなたたちはもう入ることはできない。

光を持っていません。とても遅くなりました!夜は暗く、そして寒いです!
ああ、私たちを入れてください、光を見つけるために!
遅すぎる、遅すぎる!あなたたちはもう入ることはできない。

花婿様はとてもお優しい方と聞いておりましたが?
ああ、私たちを入れてください、遅くなりましたが、その足に口づけをさせて下さい!
いいえ、いいえ、遅すぎる!あなたたちはもう入ることはできない。

 

 

*参考:マタイによる福音書25章1-13節
2025.6.9
https://www.poetryfoundation.org/poems/45361/late-late-so-late

To ― (“I send you here a sort of allegory”) 啓上 (ここに一種の寓意を送ります)

 

To ― (“I send you here a sort of allegory”) 
啓上 (ここに一種の寓意を送ります)

 

ここにある魂の、一種の寓意を送ります。
(あなたは理解されることと思います)
それは数多くの才能に恵まれた罪深い魂、
花盛りの雑草でいっぱいの広大な庭、
大きな心と頭脳を持つ、光り輝く悪魔であって、
(あらゆる種類の形と心に見られる)美のみを、
知をその美ゆえに、あるいは善を、その美のみゆえに愛していました。
美、善、そして知は互いに互いを深く愛し合い、
人間の友であり、同じ屋根の下に住み、
涙なしには決して引き離せない三姉妹であることを彼は知らなかったのです。
そして、愛を閉め出す彼は、愛に閉め出され、
外の暗闇でうめき声をあげるでしょう。
神はこのようなことのために
ありふれた土からありふれた粘土を取って、天使の涙で練り、
人間を完全な形につくられたのではありません。

 

 

2025.6.3
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/ladyshalott/to.html

from The Princess: The Splendour Falls on Castle Walls 「王女」より:城壁に輝きは降り注ぐ

 

from The Princess: The Splendour Falls on Castle Walls
「王女」より:城壁に輝きは降り注ぐ

 

輝きは降り注ぐ、城壁と
    古い物語の雪の頂に。
  長い光が揺れながら湖を渡り、
    荒々しい滝が光の中を跳躍する。
鳴れよ、ビューグル、鳴れ、荒々しいこだまを返り来させよ、
鳴れよ、ビューグル/答えよ、こだま、消えゆく、消えゆく、消えゆく。

  ああ、聞け、おお、聞け!なんと細く澄んだ音色だろう、
    そして、より細く、より澄んで、より遠くへと行く!
  ああ、そして遠い崖や岩肌から
    妖精の国の角笛が甘く、微かに聞こえてくる!
鳴れよ、そして、聞こう、紫の谷の答える声を。
鳴れよ、ビューグル/答えよ、こだま、消えゆく、消えゆく、消えゆく。

  おお、恋人よ、それらはあの豊かな空に消え、
    丘や野原や川で衰えてしまう。
  しかし、私たちのこだまは魂から魂へと鳴り響いて、
    永遠に、永遠に成長し続ける。
鳴れよ、ビューグル、鳴れ、荒々しいこだまを返り来させよ、
そして答えよ、こだま、答えよ、消えゆく、消えゆく、消えゆく。

 

 

2025.6.10
https://www.poetryfoundation.org/poems/45385/the-princess-the-splendour-falls-on-castle-walls

You ask me, why, tho’ ill at ease あなたは問う、なぜ、安ぎのない

 

You ask me, why, tho’ ill at ease あなたは問う、なぜ、安ぎのない

 

あなたは私に問う、なぜ、安らぎのない、
 この土地に住んでいるのか、と
 その魂は霧の中で弱り、
紫の海に恋い焦がれているのに。

ここはしらふの自由に選ばれた、
 自由人が耕す国、
 敵や味方に囲まれながら、
人が思うことを口にできる国/

安定した政治の国、
 正義と古き名声の国、
 自由が先例から先例へと、
ゆっくりと広がりゆく国/

党派的謀略は稀だが、
 何らかの散漫な思想の力が
 徐々に遺憾なく鍛え上げられて、
働き、広がってゆく時間と空間がある国。

もし、団結した連合体が
 世論を迫害し、
 何らかの思想が罪とされる時代を招き、
個人の自由を沈黙させるならば、

たとえ政権が諸国の間で、
 ブリテンの名を三倍に高めようとも―
 たとえ国のあらゆる水路が、
黄金の砂に満たされ、塞がれていようとも、

そのときは、私を港から運び去ってくれ、
 荒ぶる風よ!私は暖かい空を目指し、
 死ぬ前に見よう、
南のヤシの木と神殿を。

 

 

2025.5.23
https://www.poetryfoundation.org/poems/45393/you-ask-me-why-tho-ill-at-ease

from The Princess: Home They Brought Her Warrior Dead 「王女」より:戦士の遺体が妻の家に戻ってきた

 

from The Princess: Home They Brought Her Warrior Dead
「王女」より:戦士の遺体が妻の家に戻ってきた

 

戦士の遺体が妻の家に戻ってきた/
 妻は気絶もせず、叫び声もあげなかった/
侍女たちは皆、見守りながら
 「泣かないと、奥様は亡くなってしまわれるわ。」と言った。

それから彼女たちは彼を優しく低い声で称え、
 愛されるにふさわしい者、
最も忠実な味方であり最も高貴な敵と呼んだ/
 しかし彼女は何も言わず、動じなかった。

忍び足の侍女が自分の場所から、
 軽やかに戦士のもとに歩み寄って、
顔の覆いを取った/
 しかし彼女は動じず、泣かなかった。

九十歳の乳母が立ち上がって、
 彼の子を妻の膝に乗せた―
夏の嵐のように涙が流れ落ちた―
 「愛しい子、あなたゆえに私は生きていく。」

 

 

2025.5.21
https://allpoetry.com/Home-They-Brought-Her-Warrior-Dead

The Dying Swan 瀕死の白鳥

 

The Dying Swan 瀕死の白鳥

 

I.
その平原は草深く、人跡未踏で、何もなく、
広く、荒涼としていて、空が開けていた。
その空は至る所、
 陰鬱な灰色の屋根裏のようだった。
川は声をひそめて流れ、
そこに瀕死の白鳥が漂っていた。
  そして、大きな声で嘆いた。
 真昼だった。
物憂い風が絶えず吹き続け、
  葦の先端を捉えては過ぎ去って行った。

II.
遠くには冷たく白い空を背に
青い峰々がそびえ立ち、
その頂に白い雪を輝かせていた。
 川の上では一本の柳が泣いて、
風がため息をつくたびに波を打っていた/
上空では、ツバメが風の中を、
 我が物顔で飛び回っていた。
 そして、遠く、緑深く静かな湿地には、
 紫、緑、黄色に彩られた
入り組んだ水路が眠っていた。

III.
白鳥の野生の死の賛歌は
悲しみの中に秘められた喜びによって
この打ち捨てられた土地の魂を捉えた/
始めその歌声は低く、豊かに、澄んでいた/
そして中空を漂い、
弱々しく広がって、
嘆きの歌はいつか、
あるいは遠くへ、あるいは近くへと忍び入った
しかしやがて、その荘厳な歓喜の声は、
不思議で多彩な音楽とともに、
自由で大胆な祝歌になって流れ出した。
まるで強大な民族が
オーボエ、シンバル、金のハープで歓喜し、
その喝采の騒ぎが遠く、
都市の開かれた門を通って、
宵の明星を眺める羊飼いのところまで聞こえてくるようだった。
そして、地を這う苔や這い上る蔓草、
白い湿った柳の枝、
そよぐ葦の波のようなうねり、
こだまが響く土手の、波に浸食された入江、
そして、寂しい小川や池に群生する銀色の湿地の花々は、
渦を巻く歌の洪水の下に飲み込まれた。

 

 

2025.6.4
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/juvenilia/dyingswan.html
テニスン小曲集 幡谷正雄訳 大正14年
https://dl.ndl.go.jp/pid/977732/1/57

The Merman 人魚王

 

The Merman 人魚王

 

I.
   何者だろう、
   海の底で、
   金の冠をかぶって、
   玉座の上に
   ただ一人座って、
   ただ一人歌っている、
   大胆な人魚王とは。

Ⅱ.
大胆な人魚王とは私のこと、
私は日がな座って歌っている/
私は海の広間を力強い歌声でいっぱいにする/
しかし夜には、外に彷徨い出て、
岩の中や外で、人魚たちと戯れる、
彼女らの髪を白い海の花で飾り/
そして彼女らの流れる髪をつかんで引き止め、
海の底で何度もキスし、
そして彼女らが私にキスするまで何度もキスする
 笑いながら、笑いながら/
そして私たちは彷徨う、遠くへ、遠くへと
まっすぐに高く伸びている淡い緑の海の森へと、
 お互いを愉快に追いかけながら。

Ⅲ.
月も星もないだろう/
しかし波が私たちの頭上で音楽を奏でるだろう—
魔法の夜の低い雷鳴と稲光—
 月も星もない。
私たちは夢のような小さな谷で大声で呼びかけ、
お互いを呼んで、雄叫びを上げ、泣き叫ぶだろう
一晩中、愉快に、愉快に。
彼女らは私に星のように輝く砂と貝殻を投げつけ、
笑ったり、手を叩いたりする、
 一晩中、愉快に、愉快に。
しかし、私から彼女らに投げ返すのは
トルコ石、瑪瑙、アルマンディン。
そして、物陰から彼女らに飛びかかり、
海の底で何度もキスし、
そして彼女らが私にキスするまで何度もキスする
 笑いながら、笑いながら。
ああ!虚ろな深い緑の大海の底で
なんと幸せに暮らしていることだろう!
海の底の苔のベッドは柔らかい/
私たちは愉快に、愉快に暮らすだろう。

 

 

2025.5.13
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/juvenilia/merman.html