Claribel クラリベル

 

Claribel クラリベル

 

クラリベルの静かに眠るところに
 そよ風はバラの花びらを落とし、
  止まり、息絶える:
しかし、重々しい樫の木は、
  内なる苦悶に
 古のメロディーの
 緑濃く、香しいため息を漏らす、
クラリベルの静かに眠るところに。

夕暮れにはただ一つの藪を
 カブト虫が唸りながら飛び過ぎる:
昼には苔むした墓石の周りを
 野生の蜂が羽音高く飛び回る:
真夜中には月がやって来る、
 そして一人見下ろす。
ムネアカヒワは声高く歌い、
澄んだ声のツグミが暮らし、
 ウタツグミのヒナは舌足らずに鳴き、
眠っているようなさざ波はあふれ出し、
 サラサラと流れる小川はきらめき、
虚ろな岩屋は応える
 クラリベルの静かに眠るところに。

 

 

2025.7.9
https://www.poetryfoundation.org/poems/45320/claribel

Milton ミルトン

 

Milton ミルトン

 

(アルカイオス風韻文)

ああ、偉大な口を持つハーモニーの発明者よ、
ああ、時や永遠の歌に巧みな、
  神が賜わったイングランドのオルガンの声よ、
    ミルトン、時代を超えてこだまする名前よ/
かの天使の襲撃の轟音が
深いドームを持つ至高の天に鳴り響くとき—
  その巨人天使たち、ガブリエル、アブディエルは
    エホバのきらびやかな武器庫から輝き出て、そびえ立つ、
私はむしろ、エデンの小川の当惑したようなせせらぎ、
そしておびただしい花と杉のアーチといった
  緑陰の孤独の方に魅せられるものである、
    あたかも大海の放浪者が
豊かで神々しい大海の島に流れ落ちる
インドの燦然と輝く日没と
  夕刻に高いところで香しくささやく
    深紅の堂々たるヤシの木立に魅せられるように。

 

 

2025.7.7
https://www.poetryfoundation.org/poems/45369/milton-56d224dd85f83

‘Come not, when I am dead’ 「私が死んでも会いに来るな」

 

‘Come not, when I am dead’ 「私が死んでも会いに来るな」

 

私が死んでも会いに来るな、
 私の墓に愚かな涙を落とし、
横になった私の頭の周りを踏みつけ、
 お前が救おうとしなかった不幸な塵を煩わせるな/
風を吹かせ、シギを鳴かせておけ。
  しかし、お前は通り過ぎよ。

わが子よ、それがお前の過ちであれ罪であれ
 もうどうでもいい、まったく呪わしいだけだから。
誰とでも結婚するがいい、だが私は時間に倦んでいる、
 休みたいのだ。
先へ行け、弱い心よ、私を横たわったままにしておけ。
  通り過ぎよ、通り過ぎよ。

 

 

2025.7.5
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/englishidyls/comenot.html

The Poet 詩人

 

The Poet 詩人

 

黄金の地に、黄金の星たちの下に
 詩人は生まれ/
憎悪中の憎悪、軽蔑の中の軽蔑、
  愛の中の愛を受け継いでいた。

彼は生と死を、善と悪を見抜き、
 自らの魂を見抜いていた。
永遠の意思の驚異、
  開かれた巻物が、

彼の前に横たわっていた/足音を響かせながら
 彼は名声の最も秘められた小道を縫って歩いた。
彼の思考の、目に見えない矢の先端と、
  翼には炎があった、

銀の舌に吹かれたインドの葦のように、
 そしてカルペからコーカサスまで
矢たちは猛烈に飛んで、
  歌い、それらを運ぶ風を

光と放浪の旋律で満たした後、
 地上に火をつけた/
そして野の花の矢の形の種のように、
  実り豊かな機知は

落ちたところに深く根付き、
 そして、新しく芽生えて、
見よ、母株のそれに似た、
  すべての黄金の花へと成長し、

そして希望と若さが呼吸する春を
 荘厳な花々で満たすため
勇ましく四方八方に射るための、
  真実の有翼の矢を準備した。

炎を投げたのは一人だったにもかかわらず、
 数多くの心が光の輪を纏った/
気高い人々の数多くの夢の中で
  魂に神が流れ込んだ。

こうして真実は真実の上に増し、
 世界を一つの偉大な庭園のように見せた、
そしてうねり漂う暗闇の渦を通り抜け、
  貴重な日の光が流れ出た。

そして彼の燃える目の前で
 儀式と形式が雪のように溶けたとき、
荘厳な日の出の中で
  「自由」は美しく大胆な額を上げた。

東方の太陽に乾かされた
 彼女の乙女の衣は血塗られていなかった/
しかしその鋭い瞳の
  眼球の円周、

そしてその衣の裾は
 「知恵」の炎に縁取られていた、
それはすべての権力の悪しき夢を瓦解させる名前—聖なる名前である。
  そして彼女が話したとき、

その言葉は流れ出るとともに雷鳴を集めた、
 そして雷鳴の後に稲妻が続くように
人の心を引き裂き、
  地上を驚かせた

言葉の後に意味が続いた。
 彼女の右腕に怒りの剣はなかった、
しかし、詩人のただ一巻の巻物だけがあった、
  そして彼の言葉によって彼女は世界を揺さぶった。

 

 

*詩人とはバイロンのことです。
2025.7.5
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/juvenilia/poet.html

The Goose ガチョウ

 

The Goose ガチョウ

 

私はやせこけた、年老いた貧しい奥さんを知っていた、
 着ている服もボロボロで、それはひどいものだった/
その戸口に見知らぬ男が大股でやってきた。
 風の強い日だった。

彼は一羽のガチョウを抱いていた、
 彼は訳と理由を言った。
「さあ、このガチョウを受け取って、暖かくしなさい。
 嵐の季節だ。」

彼女は白いガチョウの足を掴んだ。
 一羽のガチョウ―それは大したものではなかった。
ガチョウはクワックワッと鳴いて、騒々しく
 黄金の卵を産み落とした。

彼女はガチョウを放り出して、お宝を掴み、
 走ってご近所に知らせに行った。
そして自分を祝福し、自分を罵り、
 そしてつらい仕事から解放された。

そしてご馳走を食べて、楽に暮らし、
 丸々と太って元気になって、
重々しい教区委員が帽子を脱ぎ、
 牧師が作り笑いで会釈するようになった。

そうして座って、男女の召使いにかしづかれ、
 彼女は自分の心が誇り高くなるのを感じた/
しかしああ、白いガチョウは卵を産むほどに
 ますます大声でコッコッ、クワックワッと鳴くようになった。

ガチョウはこちらをグチャグチャにし、そちらでクックッと笑って、
 年老いた奥さんの癪に障った/
彼女は肘掛け椅子に座ったまま身をよじって、
 フライパンと鍋を投げつけた。

「いまいましい喉め、扁桃炎で詰まっておしまい!」
 そして怒りは次第に強くなった。
「やっておしまい、ガチョウを捕まえて、首を絞めておしまい。
 この声はもう聞きたくない。」

すると犬はキャンキャン吠え、猫はニャーニャー鳴き、
 爺さんは走り、婆さんはよろけた。
ガチョウはこっちへ飛んでは、あっちへ飛んで、
 家中が大騒ぎなった。

あちらもこちらもひっくり返って、
 全員がジタバタジタバタともがいた。
その戸口に見知らぬ男が大股でやってきた。
 風の強い朝だった。

彼は腕にガチョウを抱えて、
 軽蔑して言った。
「寒くしてもいいし、暖かくしてもいい。
 嵐の朝だ。」

荒れ狂う風が、庭園と平原から、うなりを上げてやってきて、
 屋根裏でガラガラと音を立て、
全てのテーブルがもう一度ダンスをして、
 煙突の半分が崩れ落ちた。

割れた窓ガラスが吹き込んで、火が消え、
 突風は激しく、さらに激しくなった。
彼女の帽子は吹き飛ばされ、服は巻き上げられて、
 食料庫はつむじ風に一掃された/

そして何もかもがバラバラになってしまったのだが
 彼女の一家に怪我はなかった。
彼女は言った。「悪魔よ、あのガチョウを持って行け、
 そして神よ、あの見知らぬ男を忘れたまえ!」

 

 

2025.6.26
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/ladyshalott/goose.html

Far-Far-Away 遠く―はるか―遠く

 

Far-Far-Away 遠く―はるか―遠く

 

(音楽のために)

大地の緑が天上の色に溶けてゆく、
慣れ親しんだ野原から、彼を誘い出したものはなんだろう、
  遠く―はるか―遠く?

彼の故郷の谷の、最も優しい音は何だったのだろう?
リン、ラン、ローンというまろやかな、夕暮れの鐘の響き
  遠く―はるか―遠く。

どのような曖昧模糊とした世界のささやき、神秘的な痛みや喜びが、
少年時代の彼に、その三つの言葉でつきまとったのだろうか、
  遠く―はるか―遠く?

彼の人生の夜明けからの囁きだろうか?
死の扉の向こうの、美しい夜明けからの息吹だろうか
  遠く―はるか―遠く?

遠く、遠く、どれほど遠くからだろう?誕生の門、
おぼろげな地平線、地上のすべての境界線を越えて、
  遠く―はるか―遠く?

言葉にはいかなる魅力があるのだろうか、いかなる言葉も持ったことのない魅力が?
ああ、消えゆく言葉たちよ、音楽はお前たちを生き永らえさせられるだろうか
  遠く―はるか―遠く?

 

 

2025.6.25
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/demeter/farfaraway.html

Leonine Elegiacs レオニヌス韻のエレジー連句

 

Leonine Elegiacs レオニヌス韻のエレジー連句

 

低い空のそよ風が、暮れゆく広い谷をさまよっている/
黒い幹の松の木を通して、遠い川のきらめきだけが見える。
花盛りのイグサや、満開のバラの茂みの陰を通り、
背の高いポプラの脇を抜けて、小川はさらさらと流れている。
牧羊犬は元気よく吠え/キリギリスは澄んだ祝歌をうたい/
森の鳩は深く/フクロウは甲高く鳴いている/
風が忍び寄り/冷たい露が落ちる。眠りに入ろうとする大地は静かに息をしている。
淀みの上ではブヨが日に映えて、かすかに呟き、嘆いている。
遠くで雌牛が悲しげに鳴いている。水はちらちらと光りながら流れ出している。
双子の峰と松が、暗いガラスのような水面に斜めに影を落としている。
低く座すヘスペロスは二つの峰の間にある/しかし軽くせわしく
拍動するナイアスは、その胸の下に彼を捉えている。
古の詩人は、ヘスペロスがあらゆるものをもたらし、
疲れた心を癒すと歌った。私の愛しいロザリンドを連れてきてくれ。
君は朝にも夕方にも来る/しかし彼女は朝にも夕方にも来ない。
盲目のヘスペルス、無情な者よ、私の愛しいロザリンドはどこにいるのか?

 

 

*ロザリンドはシェイクスピア「お気に召すまま」の女主人公の名前でもあります。ギリシャ神話においてへスぺロスは宵の明星、ナイアスは水の精です。
2025.6.25
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/juvenilia/leonineelegiacs.html

The Kraken クラーケン

 

The Kraken クラーケン

 

深い海の雷鳴のさらに下の、
遥か、遥か下の、奈落の底で、
クラーケンはその永く、夢見ることも、
侵されることもない眠りを貪っている。
その暗い影には微かな日の光さえ差すことがない。
頭上にうねるのは千年も成長し続ける丈の高い巨大な海綿/
そして遥か彼方の弱々しい光の下、
数多くの不思議な洞窟と無数の秘密の穴と
とても大きなイソギンチャクの中に微睡んでいる緑を
巨大な腕が扇ぎ出す。
眠っては巨大な海虫を食い荒らし
永らく彼はそこに横たわってきた、
そして最後の火が深海を熱する日まで
横たわり続けるだろう/
その時、彼は一度だけ人々と天使の前に姿を現す、
すなわち轟音とともに浮かび上がって、水面で死ぬのである。

 

 

2025.6.24
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/juvenilia/kraken.html

Adeline アデリーン

 

Adeline アデリーン

 

I.
謎の中の謎、
  かすかに微笑むアデリーンよ、
  地上のものでもなく、神でもなく、
不幸せでもなく、安らいでもいない、
  しかし亜麻色の髪を漂わせたあなたは
  言葉では言い表せないほどに美しい/
あなたのバラ色の唇と青く澄んだ目は
  私の胸から心を奪い去る。
 なぜそのようにおぼろげな姿なのか、
 影のような、夢見るアデリーンよ?

Ⅱ.
 悲しくも衰えていく太陽が
  光を差しかけるユリ、
 そしてそれに枝を垂れるバラの茂みのような
  その空虚な華やぎはどこから来るのか、
 日の入りを見つめる
  井戸の中のナーイアスのように、
 あるいは二時間前に世を去った
  その穏やかな唇がまだ冷めていない
  乙女の幻のように
 静かに微笑むあなたよ?
 なぜそのようにかすかに微笑むのか、
  神秘のアデリーンよ?

Ⅲ.
あなたの希望や恐れや喜びは何なのか?
誰があなたと話しているのか、アデリーンよ?
 きっとあなたはまったく一人ではないはずだ。
  噴き出す泉の脈打つ心臓が
 あなたの心臓と調べを合わせているのか?
    蝶たちが
  その羽の間で話していることを聞いたことがあるのか?
  あるいは、最も静かな夕暮れ時に
どのような声でスミレが
その花芯に銀の露を誘い込むのかを聞いたことがあるのか?
  あるいは、そよ風が吹くとき、
 陽気なアオツリガネソウが足下の苔に向かって
   どのように鳴るかを聞いたことがあるのか?
   あなたは日の出のときに
  ユリが息をするのを見たことがあるのか?
なぜそのようにかすかに微笑むのか、
影のような、夢見るアデリーンよ?

Ⅳ.
何らかの甘い語らいがあなたの心を育てている、
 ある深紅のバラの精は
 あなたに恋して、花びらを閉じるのを忘れ
 一晩中、何も見えない暗闇の中で
空しく香しい溜息をついている。
あなたは何に苦しんでいるのか?
誰を待っているのか?
その柔らかな、影のある眉で、
 そしてその露に光る瞳で、
 あなた、かすかに微笑む人、アデリーンよ?

Ⅴ.
あなたは空を見つめるとき
  悲しげな風を愛するのか?
 暁の傍らからさまよい出た
  声低く語る曙が、
   シバの香料を滴らせながら
 あなたの枕に低く身をかがめ、
  恋煩いのメロディアスなアリアとともに、
 あなたの顔に光を吹きかけ、
その垂れ下がった髪の房は
 あなたの首に絡みつく繊細な輪になり、
光の首飾りになって、
  そしてあなたたちは、
 春がキバナノクリンザクラの文字で
  丘に書くような言葉でまだ語り合うのか?
それゆえのその姿形と微笑みなのか、
   神秘のアデリーンよ。

 

 

2025.6.22
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/juvenilia/adeline.html

from The Princess: Ask me no more 「王女」より:もう尋ねないでください

 

from The Princess: Ask me no more
「王女」より:もう尋ねないでください

 

もう尋ねないでください。月は海を引き上げるかもしれません。
  雲は天から降りてきて、
  何層にもなって、山や岬を包むかもしれません。
しかし、ああ、あまりに愛しい人よ、私がいつあなたに答えましたか?
    もう尋ねないでください。

もう尋ねないでください:なんと答えればいいのですか?
  私はやつれた頬や色褪せた目を好みません。
  それでも、ああ、友よ、あなたに死んでほしくありません!
私があなたに生きよと命じてしまうことのないよう、もう尋ねないでください/
    もう尋ねないでください。

もう尋ねないでください。あなたと私の運命は定まっています。
  流れに逆らおうと努力しましたが、すべて無駄でした。
  大いなる川が私を大海へと連れて行くままにさせてください。
もうやめてください、親愛なる人よ、触れられたら私は崩れ落ちてしまいます/
    もう尋ねないでください。

 

 

2025.6.18
https://www.poetryfoundation.org/poems/45377/the-princess-ask-me-no-more