England and America in 1782 1782年のイングランドとアメリカ

 

England and America in 1782 1782年のイングランドとアメリカ

 

おお、陸と海を治めるべく
 その男を送り出した者よ、
獅子の血統の力強い母よ、
汝から権利をもぎ取った
 汝の力強い息子たちを誇れ!

高貴な熱情とともに汝の腕に抗った者たちが、
 汝が教えた教訓を再び教え、
汝の魂で汝と戦ったことに、
驚く必要があるだろうか—
 イングランドの血を継ぐ者たちが!

しかし、汝は寛大に満ち足りて喜べ、
 汝の岩のような顔を上げよ、
そして、嵐が空を黒く染めたとき、
多くの川を激しく逆流させて
 汝の土台に衝撃を与える海を打ち砕け!

成長してゆく世界が
 いかなる法のハーモニーを奏でようとも、
汝の作品は汝のもの—
ハムデンが打ち鳴らしたあの深い和音の中の
 一つの音は、終末の日まで響き続けるだろう。

 


*ジョン・ハムデン(1594― 1643):クロムウェルの5歳年上の従兄。度々イングランドの自由の象徴とされる。
2025.8.2

https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/ladyshalott/englandamerica.html

The Miller’s Daughter 粉屋の娘

 

The Miller’s Daughter 粉屋の娘

 

裕福な粉屋を今も思い出す、
 あの二重あご、あの恰幅の良さを、
そして彼を知る者の誰が
 あの目の周りのよく動くシワを忘れるだろうか?
世間によく慣れた、
 半ば外に、半ば内に向けられたような、
粉まみれの額にひびが入る
 あのゆっくりした賢い微笑みを誰が忘れるだろうか?

古い銀のカップを三本の指でつまんで、
 彼があの椅子に座っていたのを思い出す。
冗談を言ってはきらめく
 あの灰色の瞳を今も思い出す—
夏の暖かさに満ちた、とても嬉しく、
 とても健康で、健全で、澄んだ、
そのすべての思い出が決して私を悲しませることのない
 魂の夏の稲妻が光る灰色の瞳だ。

それでもグラスをついでくれ:キスを一つくれ:
 私の甘美なアリス、私たちは死なねばならない。
この世には何か間違っているところがある
 それは徐々に解き明かされるだろう。
人生で私たちの手に入るものがある、
 しかし、それ以上に奪われるものがある。
祈ってくれ、アリス、祈ってくれ、私の愛する妻、
 私たちが同じ日に死ぬことができるように。

私は幸せに暮らして来たのではなかったか?
 私は苦しみを吐露すべきではないだろう。
神が私をもう一度生まれ変わらせて下さるとしたら
 私は私の人生をもう一度生きるだろう。
それはとても甘美に思える、あなたと歩くこと、
 そしてもう一度あなたに愛を求めること—
それはクルミとワインを楽しみながらの
 食後の会話のように思える—

遅くに生まれた地主の遺児として
 長身の物憂い少年に育って、
村の尖塔を見下ろす
 この高台にある古い邸宅で暮らすことは:
私とあなたが
 長い間暮らし、愛してきたここでさえ、
毎朝、私の眠りを破るのは
 野のひばりの朝の歌だった。

そしてしばしばもみの木の森で
 朝の優しい鳩の声を聞いたものだ/
しかしあなたの目に出会う前に、愛しい人よ、
 私が自分から動いたことはなかった。
なぜならあの心地よい夢を見る前には
 私の人生に空想など存在しなかったからだ—
あの流れの中の苔のように
 あちらこちらとただ虚しく揺れているだけだった。

あるいは、水車堰からの騒々しい流れを聞き、
 そして透き通った渦のいたるところで
閃き、舞っている小魚、
 踏み石の下の高さに咲いた
背の高いアヤメ、
 あるいはその近くの乳白色の実を沢山ぶら下げた
あの三本の栗の木を見るために
 橋から身を乗り出しているようなものだった。

しかし、アリス、あれはどんなときだっただろうか、
 私が森をさまよった後
(四月だった)その新芽が爽やかに
 青くきらめいている
栗の木の下に来て、座ったのは/
 そして、ぼんやりした愚か者のように、
私は斜面に寝転がって、あなたのことなど思いもよらず、
 高い方の池で釣りをしていた。

どこかで読んだ愛の歌、
 韻律を持つ調べのこだま、
脳の奇妙な一角が
 意味もなく打つ拍子。
それは、朝の間、
 単調な韻の退屈さで私につきまとった。
沈黙の歌の幻影が、
 千回も現れては消えて行った。

とのときマスが跳ねた。怠惰な気分で
 私は消えてゆく小さな輪を見ていた/
それらはゆるやかに流れて行った、
 そのとき私の目にある景色が飛び込んできた/
水に映った美しい姿、
 輝く腕、きらめく首、
それは暗い小川のさざ波に揺れる
 暖かな陽光のようだった。

覚えているだろう、
 あなたはその朝、窓辺にいた、
長い灰緑色の開き窓だった、
 そしてあなたは身を乗り出していた
そして私が見上げたとき
 私の目は二つの―とても大きな、明るい—
目に会った!誓って言おう、愛しい人よ、
 それらは決してその光を失っていない。

私は愛した、そして愛は
 私の早く死ぬことへの恐れを拭い去った。
愛は空気を持っていて、
 胸をより純粋な息でいっぱいにした。
母は思った、この子はどうしたのだろう?
 私が人が変わって、そして家の周りを楽しそうに、
そして確かな男の足取りで
 うろつき始めたものだから。

私は水車小屋の周りの
 静かな牧草地いっぱいに渡ってゆく草の波を、
堰の上の眠っている池を、
 決して静まることのない下の池を、
白くなった床の上の粉袋、
 水車の黒い輪、
舞い上がる粉で霧のようになった
 ドアの周りの空気さえも愛した。

そして四月の夜風が吹き始め、
 四月の三日月が冷たくきらめく頃、
高原をさまよう途中で、
 私はしばしば下の村の灯りを見た/
遠くてもあなたの灯りは分かった、
 そして心を震える希望でいっぱいにして、
私は高原を降り、
 新しい花が咲いた斜面に横になった。

深い水流は水車小屋の下で軋んでいた;
 そして「ランプのそばに」と私は思った「あの娘が座っている!」
丘の上の白いチョークの採石場は
 時折思い出したように月を照らしていた。
「ああ、今あの娘のそばにいられたなら!
 ああ、私が呼んだらあの娘は答えてくれるだろうか?
ああ、私が誓ったなら、あの娘も誓ってくれるだろうか、
 甘美なアリス、もし私がすべてを話したなら?」

時々私はあなたが座って紡いでいるのを見た/
 そして、風が止んでいるときに時々、
あなたが家の中で歌っているのを聞いた/
 あなたの影は時々ブラインドを横切った。
ついにあなたは立ち上がって光を動かした、
 そして椅子の長い影は
夜の中へと飛び去った、
 そして窓全体が暗くなった。

しかしついに私が話す勇気を持ったとき、
 あの道は、覚えているだろう、白いサンザシでいっぱいだった、
あなたのふっくらした唇は動かなかったが、あなたの頬は
 日の出のように赤くなった/
そして—半分いたずらっぽく、半分恥ずかしそうに、
 あなたは、はい、とも、いいえ、とも言わなかった、かわいい人!
私が優しく懇願したにもかかわらず、
 そしてあなたと私は二人きりだったにもかかわらず。

そして私の母はゆっくりと
 私の願いを許すようになった:
彼女は私の幸せを望んでいたが、
 もう少し高望みができたかもしれない、と思っていた/
そして私は若かった—結婚するには若すぎた:
 「でもあなたのために、私は彼女を愛さないといけませんね/
あなたのアリスを連れていらっしゃい。」と彼女は言った:
 言いながらその瞼は震えていた。

そして私は花嫁を迎えに行った:
 しかし、アリス、あなたは落ち着かなかった/
この服もあの服もあなたは順番に試した、
 気に入られないことを恐れ過ぎていたのだ。
その恐れゆえに私はあなたをより愛するようになった、
 あなたがよく見えないはずがないことは知っていた/
そして、涙になって落ちたであろう雫が落ちる前に、
 私はそれをキスで拭い去った。

どぎまぎしていることが母に
 悟られないかと気にするあなたを私は見守っていた/
彼女は沢山のことをあまねく話した、
 そして最後に彼女は私のことを話した/
そして振り返って、
 このドアの近くに離れて座っていたあなたの顔を見た、
そして立ち上がって、静かな優しさで
 近づいて、あなたを胸に抱きしめた。

ああ、そうだ—私があなたに歌った
 あの馬鹿な歌を歌ってくれ、アリス、あの日
腕を組んで、物思いにふける夫婦のように、
 私たちは歩いた、そしてあなたは花嫁のブーケで
華やいでいた—私はそう、
 沢山の実をつけた栗の木がささやく夜更けに、
流れの中の水車の傍にいたときの
 ように見えたかもしれない。

 あの子は粉屋の娘、
 とても、とても可愛い、
 あの耳に揺れる
 宝石になりたい。
 巻き毛に隠れて、昼も夜も、
 暖かな白い首に触れたい。

 ガードルになって
 華奢な、華奢な腰に巻かれたい、
 悲しみと安らぎの
 胸の鼓動を感じたい。
 ちゃんと打っていたなら、
 ぎゅっと抱きしめたい。

 ネックレスになりたい、
 笑い声やため息で
 あの芳しい胸を
 一日中、上下したい。
 とても、とても軽くて、
 夜も外されない。

くだらなくて、甘美だ!真実の愛だけが正しく綴り—
 真実の愛だけが正しく演出したものだ―
その光は字義に宿っている、
 なぜなら真実の愛はすべての心の所有者だからだ。
だから、もし私が今無駄口をたたいているなら、実際
 あなたは愛を責めなければならない。その初期の猛威は
若い私に韻を踏ませる力があった、
 そして年取った私をおしゃべりにしている。

そして今、あの鮮やかな時間は過ぎ去った、
 私にとって私の人生はそうだし、あなただってそうだ、
そして過去と現在は一つに絡み合って、
 心のための花冠を作る:
だから栗の木陰で
 青い忘れな草を見つけた日、
自分の幸運に半ば怒って、
 私が作ったもう一つの歌を歌ってくれ。

 私たちは愛の網に捉えられている、
 それが消え、忘れ去られることがあるだろうか?
 沢山の太陽は昇って、沈んでゆく。
 沢山の年月は機会を与える。
 贈られた愛は、負債になる愛。
  それでも。

 愛は争いと苛立ちに傷つく。
 愛は漠然とした後悔に終わる。
 目は甲斐なき涙に濡れている。
 気まぐれは今も私たちを結びつけている。
 愛とは何だ?どうせ忘れてしまうのに:
  ああ、いやだ!いやだ!

私の目に映るあなたの目を見てくれ。真の妻よ、
 私の真実の心にあなたの腕を絡ませてくれ。
私の生命の中の、もう一つの、より親愛なる生命よ、
 あなたの魂で私の魂を見てくれ!
どれだけ月日が通り過ぎても、
 その優しい目に永遠に変わりなきように!
私がそれをよく知るようになってから
 愛しい目よ、それは多くの涙を流さなかった。

それでも涙を流したことはあった:悲しいことも
 あった:時が来て、
心の中の静かな愛情は
 外に向かって呼吸するようになった、
そして再び静寂が訪れたとき、
 以前には存在しなかった空虚が残っていた/
その喪失は私たちに痛みをもたらした、
 しかし、その喪失は私たちをさらに愛させ、

さらに遠くを見させることになった。キス、
 編み込みのアームチェアは、
私があなたの中に見る、落ち着いた至福、
 慰めの弱々しいシンボルに過ぎない。
しかし—二つの魂から同じ一つの心を作り上げた—愛しいあなたに
 希望や思想を超えた祝福を
いかなる言葉をも超えた祝福を、
 神よ、祝福を与えたまえ。

立ち上がって、散歩に出よう、
 高原を越えてあの古い水車小屋まで/
外をご覧、夕焼けが、北から南まで、
 谷全体をバラ色のカーテンで包んで、
そしてあなたの細い窓ガラスに火をつけ、
 その下の暗い池にまで映っている:
チョークの丘の、ウサギ足草は
 乾いていて露もない。行こう。

 

 

2025.7.27
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/ladyshalott/millersdaughter.html

| カテゴリー : テニスン | 投稿者 : 上田エリヤ

The Miller’s Daughter 粉屋の娘 (部分)

 

The Miller’s Daughter 粉屋の娘 (部分)

 

彼女は粉屋の娘、
そして、とても、とても愛らしくなった、
私はその耳に揺れる
宝石になりたい。
昼も夜も、あの巻き毛の中に隠れて、
とても暖かく白い首に触れていたい。

そして、華奢な、華奢な腰に
巻かれるガードルになりたい、
そして、悲しみや安らぎのとき
彼女の胸の鼓動を感じるのだ。
そして、それが正しく打っていることを知ったなら、
私はそれをぎゅっと、強く抱きしめることだろう。

そして、私はネックレスになりたい、
そして、彼女の笑い声やため息とともに
その芳しい胸の上で
一日中、上下するのだ。
そして私は、とても、とても軽いことだろう、
夜もほとんど外されないくらいに。

 

 

2025.7.17
https://www.poetryfoundation.org/poems/50267/the-millers-daughter

Break, Break, Break 砕けよ、砕けよ、砕けよ

 

Break, Break, Break 砕けよ、砕けよ、砕けよ

 

砕けよ、砕けよ、砕けよ、
 その冷たい灰色の石の上に、ああ、海よ!
そして私もそのように
 胸に湧き上がる思いを語りたい。

ああ、妹と遊びながら叫んでいる、
 漁師の子は楽しそうだ!
ああ、入江の小舟の上で歌っている
 船乗りの若者は楽しそうだ!

そして堂々たる船は
 丘の下の港へと入っていく/
しかし、ああ、消えてしまった手の温もりよ、
 静まってしまった声の響きよ!

砕けよ、砕けよ、砕けよ
 その険しい岸壁の下に、ああ、海よ!
しかし、過ぎし日の優しい恵みは
 二度と私に戻っては来ない。

 

 

2025.7.16
https://www.poetryfoundation.org/poems/45318/break-break-break

Crossing the Bar 砂州を渡る

 

Crossing the Bar 砂州を渡る

 

日没と宵の明星、
  そして私を呼ぶ澄んだ声!
そして船出のとき、
  砂州の呻きなからんことを、

 無限の深みから出てきたものが
  再び家路につくとき、
眠っているように流れ
  音もなく泡も立たないほどの満ち潮あらんことを。

 夕暮れと夕べの鐘、
  そしてその後の暗闇!
そして私が船に乗り込むとき、
  別れの悲しみなからんことを/

 たとえ潮が遠く、この世の時間と空間の外へと
  私を押し流そうとも、
砂州を渡り終えたとき私は、私を導いて下さる方に
  顔と顔を合わせてお会いできると信じているのだから。

 

 

*砂州の呻きとは、干潮時に危険な乱流が起こる際の低い持続的な音のことです。イングランド南西部サルクームを訪れた時に着想を得たとされています。
2025.7.12

https://www.poetryfoundation.org/poems/45321/crossing-the-bar

Claribel クラリベル

 

Claribel クラリベル

 

クラリベルの静かに眠るところに
 そよ風はバラの花びらを落とし、
  止まり、息絶える:
しかし、重々しい樫の木は、
  内なる苦悶に
 古のメロディーの
 緑濃く、香しいため息を漏らす、
クラリベルの静かに眠るところに。

夕暮れにはただ一つの藪を
 カブト虫が唸りながら飛び過ぎる:
昼には苔むした墓石の周りを
 野生の蜂が羽音高く飛び回る:
真夜中には月がやって来る、
 そして一人見下ろす。
ムネアカヒワは声高く歌い、
澄んだ声のツグミが暮らし、
 ウタツグミのヒナは舌足らずに鳴き、
眠っているようなさざ波はあふれ出し、
 サラサラと流れる小川はきらめき、
虚ろな岩屋は応える
 クラリベルの静かに眠るところに。

 

 

2025.7.9
https://www.poetryfoundation.org/poems/45320/claribel

Milton ミルトン

 

Milton ミルトン

 

(アルカイオス風韻文)

ああ、偉大な口を持つハーモニーの発明者よ、
ああ、時や永遠の歌に巧みな、
  神が賜わったイングランドのオルガンの声よ、
    ミルトン、時代を超えてこだまする名前よ/
かの天使の襲撃の轟音が
深いドームを持つ至高の天に鳴り響くとき—
  その巨人天使たち、ガブリエル、アブディエルは
    エホバのきらびやかな武器庫から輝き出て、そびえ立つ、
私はむしろ、エデンの小川の当惑したようなせせらぎ、
そしておびただしい花と杉のアーチといった
  緑陰の孤独の方に魅せられるものである、
    あたかも大海の放浪者が
豊かで神々しい大海の島に流れ落ちる
インドの燦然と輝く日没と
  夕刻に高いところで香しくささやく
    深紅の堂々たるヤシの木立に魅せられるように。

 

 

2025.7.7
https://www.poetryfoundation.org/poems/45369/milton-56d224dd85f83

‘Come not, when I am dead’ 「私が死んでも会いに来るな」

 

‘Come not, when I am dead’ 「私が死んでも会いに来るな」

 

私が死んでも会いに来るな、
 私の墓に愚かな涙を落とし、
横になった私の頭の周りを踏みつけ、
 お前が救おうとしなかった不幸な塵を煩わせるな/
風を吹かせ、シギを鳴かせておけ。
  しかし、お前は通り過ぎよ。

わが子よ、それがお前の過ちであれ罪であれ
 もうどうでもいい、まったく呪わしいだけだから。
誰とでも結婚するがいい、だが私は時間に倦んでいる、
 休みたいのだ。
先へ行け、弱い心よ、私を横たわったままにしておけ。
  通り過ぎよ、通り過ぎよ。

 

 

2025.7.5
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/englishidyls/comenot.html

Locksley Hall Sixty Years After ロックスリー・ホール、六十年後

 

Locksley Hall Sixty Years After ロックスリー・ホール、六十年後

 

遅いぞ、孫よ!午前中を半ば、わしはこの砂浜を歩き回っておった。
再び、中に空洞を抱いた波が轟音を立てて崩れるのを眺め、

聞き覚えのあるダイシャクシギの鳴き声に、心は少年時代に戻った。
わしは死に近く、死はロックスリー・ホールにある。

そうか―お前の幸せな求婚は実らなったのか―彼女は申し分なく、すばらしい女性だったのに/
そしてお前は―子供じみた戯言と―お前のその子供っぽい愛をわしの愛に重ね合わせようというのか。

わし自身、愚かな過去について何度も口走ったことは間違いない。
戯言、戯言/わが古きイングランドも、最後は戯言の中で滅びるのかもしれない。

「呪いあれ!」だと?自分と同じ犠牲者を呪うのか?怒りに任せて、彼を老いぼれ呼ばわりするのか?
夢見る少年を誘惑した目なのだから、老いぼれだって騙せるだろう。

金持ちに乗り換えたのだと!金持ち?しかし、多分彼女は賢くなかったのだろう/
お前がうっとりした目で、彼女の肖像画にキスをしていたのを覚えておる。

広間には絵が飾ってある―エイミーがわしの首に腕を回している―
難破船の残骸に座って、日だまりの中で幸せそうにしている子供たちだ。

わしの人生の絵はそれとは違ったものだ。わしの首を抱きしめた彼女は、飛び去ってしまった/
わしは影の中に取り残され、難破船の中に一人座っているのだ。

お前の病は、もっと軽いものだ。彼女ゆえに病人になるとでもいうのか?
お前は、お前はならない!現代の恋愛家は、もっと軽く、現世的にできている。

エイミーはわしを愛し、エイミーはわしと添えなかった。エイミーは臆病な子供だった/
だがお前のジュディス―お前の俗物な―彼女は決してわしを狂わせることはなかっただろう。

金の指輪よりもダイヤモンドのネックレスを大切にする女、
春の朝よりも冬の日没を美しいと感じる女。

心の中で、彼に早く死んで欲しいと思っている女、
「死が二人を分かつまで」と誓ったのに、未亡人になることを望んでいる女。

俗物から生まれた俗物の女。満足しているがいい。
質素な農家でさえ、家系の価値を教えてくれることがあるというのに。

あそこの礼拝堂、今ではゆっくりと地面に沈みつつあるあの礼拝堂には、
わしの先祖である戦士が、足元に犬を置いて眠っている。

十字を切る!かつて彼は海を渡って、イスラム教徒の傲慢を打ち砕いたのだ/
戦士は死に、彼の栄光は消え、彼が命を捧げた大義もまた消え失せた。

それでも、わしとエイミーは何度、あの朽ちかけた会堂の通路に立ち止まって、
憂いに沈みながら、わが血統の創始者を見つめたことだろうか。

今日、わしは再びそこに立った。そして昔、祈りを捧げた場所、
ロックスリー家の紋章の深紅に塗られた窓枠のすぐ下には―

出産で命を落とし、母子ともに死んだわしのエイミーが
白いイタリア産の大理石になって、今も微笑んでいるかのようだ、

死んだのだ―六十年も前に。そして今や、彼女の年老いた夫も死んだ―
この年老いた白髪頭の夢想家は、身をかがめて彼女の大理石の額にキスをした。

青春の炎、愚行、激怒、呪い、情熱的な涙は消え去った、
まるで惑星の黎明期の炎、洪水、地震のように消え去った。

かつてわしを揺さぶった炎も、今では静かな灰と化してしまった。
死んだ火山の表面には、消えゆく日の光が冷たく留まっている。

青春時代の暴君は消え去り、内陣の石の下で、沈黙している。
若さの美徳を―わしはそれらを許しているのだ―すべて白い骨の上に黒く浮かび上がらせて。

ともに野営した仲間たちも消え去った。敵との戦いで命を落とした者もいれば、
老齢や病気でゆっくりと死んでいった者もいる。地上のすべてのものがそうであるように。

四十年間、わしと黄金の人生をともにした、
女性の魅力と、男性の寛容さを兼ね備えていた彼女も消え去った、

意志が強く、知恵に富んでいたエディス、しかも謙虚で優しく、
心の奥底まで女性であり、優しい足先までも女性だった彼女、

まさに女性の中の女性であり、心身を病んだ者の看護婦であり、
わしと人々を繋ぐ壊れた鎖を、再び繋ぎ止めてくれた彼女も。

今日、わしが海岸を彷徨っているとき、エイミーが一緒にいて、
わしらの近くには、そのうっすらした亡霊を微笑みながら見ている、エディスの聖い影があった。

お前の父親で船乗りだったわが息子、レナードも、早くに海で亡くなった/
エイミーやわしの血筋の中で、お前だけがわしに残されたのだ。

優しい心の持ち主だったお前の母親も、一人残されることを寂しがって、
かつて自分の心臓の傍で鼓動していた、より強い心臓を恋しがっていた。

真理は真理であるがゆえに、勇敢であると同時に真実だった彼は真理を熱愛していた/
善は善であるがゆえに、彼は善に従った。彼は既に墓の向こうを見ていたのだ、

お前よりも賢明だ。不毛な死を万物の王者と考え、
棺桶こそが、この過剰に悲劇的なドラマの幕切れと考えているお前よりも!

死ぬと分かっていながら、甲板に留まり、女性や子供たちを救って、
沈みゆく船とともに沈んだ彼の死は美しかった。

永遠に去ってしまった!永遠に?いや―わが滅びゆく種族が始まって以来、
常に、常に、そして永遠に、人間を導く光が存在した。

奴隷を野蛮に埋葬し、妻を殺した(*殉死)者たちも、
自らの中に、来世という聖なる情熱を感じていた。

インディアンの戦士たちは、夜の向こうにある、より広大な狩猟場を夢見る/
黒いオーストラリア人でさえ、死ぬときには白人として戻ってくることを願う。

真理には真理、善には善!善、真、純粋、正義―
「永遠」という魅力が失われたなら、それらは砕けて塵になってしまう。

「前へ、前へ」という叫びは過ぎ去って、深まる闇の中に消えてしまった/
消えた、あるいは沈黙する墓の中から、静かに聞こえてくるだけだ。

わしの人生の朝の驚異の半分、時間と空間に対する勝利は、
頻繁さによって新鮮さを失い、習慣によって最もありふれた普通のものになってしまった!

「前へ」という声が響いていた、そして多くの声の中にわしの声もあった。
一万年が過ぎるまで、この「前へ」という叫びを黙らせよう。

遥か昔に消え去った種族の中で、古代アッシリアの王たちは、
戦いで捕らえた捕虜の皮を剥いだ―鉄の心を持つ勝利者たちだった。

後の時代、アジアにおいて、荒々しいモンゴル人を率いたティムールは、
八万人の人間の頭蓋骨で恐ろしい塔を築いた。

そして、エドワード1世の時代、イングランドの名が最も高かった時代に、
キリスト教徒の征服者たちは、征服されたキリスト教徒を捕らえ、炎の中に投げ込んだ。
(*フランスでカタリ派が滅ぼされた)

敵を愛し、憎む者を祝福せよと、最も偉大な方は言われた。
教会におけるキリスト教の愛は、異教徒の憎しみにそっくりだった。

祝福という黄金の恵みから、人は自身への呪いを鋳造した。
カエサル(*皇帝)のローマ、ペテロ(*教皇)のローマ、どちらが残酷だったのか?どちらが悪かったのか?

フランスはすべての人々に光を示し、すべての人々のための福音を説いた。
ケルトの民は悪魔になって、金切り声を上げ、光を血で消し去った。

希望は常にその山の上にあって、夜明けを待ち望んでいた―
まだ昇らない太陽から―暗闇の上に―太陽の光を戴くときを。

結局のところわしらは、原初の部族の情熱を超越したのだろうか?
「敵を殺せ、憎いのならば」しかし「敵」は人間だった。

わしらは彼らよりも堕落したのだろうか?農民たちは寄る辺ない馬を(*酷使して)不具にし、
罪のない牛を茅葺屋根の下に追い込み、優しい獣たちを生きたまま焼く。(*地主への抵抗としてのCattle Maiming)

獣たち―お前たちを傷つけたりしない獣たちは、真夜中に焼かれ、
死ぬ間際の苦悶に身をよじった姿の、物言わぬ母親にすがりついている、

生前、生後のその子供たちと一緒に、朝に発見される!わしらは悪魔なのか?人間なのか?
優しいアッシジの聖フランチェスコ、彼が再びここにいてくれたなら。

彼は普遍的な愛ゆえに、花を姉妹、兄弟と呼び―
そして、わしらと全く何も変わらない痛みを感じる―獣たちをもそう呼んでいた!

混沌、秩序!秩序、混沌!すべてがどのように終わるのかを、誰が知っているだろうか?
広い世界の年代記を読み、その知恵を友とするがいい。

最良の希望を持ちながら、現在を過去の宿命的な娘として捉え、
今この時に対峙するための心構えをするがいい。だが、今この時が続くなどと夢見るな。

ああ、ダイナマイトとリボルバーが、お前に賢明であるための勇気を残してくれるなら/
これほどまでの脅威と狂気、書物と言葉の嘘に満ち溢れていた時代があっただろうか?

羨望は愛の仮面をかぶって、しらふの事実を嘲笑いながら、
最も弱い者と最も強い者に「お前たちは平等だ、平等に生まれたのだ」と叫ぶ。

平等に生まれた?ああ、そうだ。もし、あちらの丘と平地の高さが同じなのであれば。
雄弁家よ、その過熱した言葉の蜃気楼でわしらに魔法をかけ、

ライオンを猫より大きく見えないように、
猫をライオンより大きく見えるようにせよ―民衆による支配は結局自滅に終わる。(*ライオンは偉大、猫は卑小の象徴)

ロシアがわがインドの国境を突破する。戦うべきか?屈服すべきか?
立ち止まれ!ラッパを鳴らす前に、畑からの声を聞け。

今や一つの皇帝の笏の下にある三億人の人々を、
わしらは保持すべきか?解放すべきか?鋤の投票を受け入れるべきなのだろうか。

いや、彼らは真実を感じ、従うだろう。もし、王国を滅ぼすライバル政党の、
お前たちとお前たちが、語るときに完全に真実を語るならば。

真実であり、信頼に足り、心の完全な高潔さにおいて神の子、人の王である農夫、羊飼いが、
熟練した嘘つきの選挙演説を見上げているのをわしは見かけた、

一度ならず見かけた、そして今でも見かけられるだろう/
高い者はそうやって低い者を操る、その低い者は高い者なのだが。

あちらこちらで、貧しい農民の赤ん坊が、神授の権利によって王として生まれて来る/
あちらこちらで、領主は、自分の牛や豚よりも下劣である。

混沌、秩序!秩序、混沌!再び、うんざりするようなゲーム。
自由、自殺する自由、そして彼らは自由の名を叫びながら死んでいく。

一歩ずつ、わしらはヨーロッパに、すべての人々に知られている自由を獲得した/
一歩ずつ、わしらは偉大さに向かって上って行った―口達者な者たちゆえに、わしらは没落するかもしれない。

民の声に取り入ろうとするお前たちよ―彼らに「経験など役に立たない」と伝えよ。
お前たちの王に媚びて、字が読めない者だけに支配権があると教えよ。

力ある者をその地位から引きずり下ろせ。だが、柔和な者をその場所に据えるな/
知恵を市場でさらし者にし、その顔に生ゴミを投げつけろ。

自然をひっくり返し、そして、通りの叫び声とともに叫び、
脳の上に足を置いて、脳は足にあると断言せよ。

信仰も希望もない、古い暗黒時代を取り戻せ、
国家、教会、玉座を壊し、その瓦礫を坂から転げ落とせ。

著作家―エッセイスト、無神論者、小説家、リアリスト、詩人、劇作家よ、お前たちの役割を果たせ。
芸術の生きた色彩で、本性の許されざる恥を描け。

お前の兄弟の悪徳を暴き、自らの汚い情欲を剥き出しにしろ/
寡黙を、敬虔さを打ち倒して―前へ―ありのままを―見せつけろ。

芽を出した少年のバラを、お前たちの下水で育てろ/
流れが清らかにならないよう、泉に下水を流し込め。

乙女の空想を、ゾラ主義の飼い葉桶の中で転げ回らせろ。
―前へ、前へ、ああ、後ろへも、下へも、深淵までも。

最悪の者を操り、上ってゆく人々を堕落させるために全力を尽くせ/
わしらは獣から這い上がってきたのだろうか?それなら、再び獣の中へもどるのだろうか?

お前たちの無法な大騒ぎにはうんざりだ、わしは「塵は塵に」、これだけだ、
新しい世界が始まる前の、健全な古き良き世界の塵だ。

わしが興奮しているって?お前は―驚いているな―まあ、わしの年齢には似合わないかもしれない―
辛抱してくれ!死にかけの役者に、舞台で最後の台詞を言わせてくれ。

時代遅れの老いぼれの、眠りに落ちる前の叫びか?
流れが狭くなる音か、それとも深海の音楽か?

ああ、確かにわしは年老いており、灰色の考えを持っている。なぜなら、わしは灰色だからだ。
嵐のような変化の後で、わしらは元と変わらない五月を見られるだろうか?

狂気の後、虐殺の後、ジャコバン主義(*フランス革命後の独裁政権)とジャックリーの乱(*1358年のフランスの農民反乱)の後、
わしが見ることのない時代に、人間を導く、より聖なる力が現れるだろうか?

組織やすべての制度、王国や共和国が崩壊した後に、
全員は一人のために、一人は全員のためにという―より優しく、より高く、より聖なる力が?

すべての完全な頭脳、半分の頭脳を持つ種族が、正義、愛、真理に導かれ/
わが青春のすべての幻の通りに、ついにすべての人々が一つになるのだろうか?

科学によってすべての病が癒され、足を引きずる者も、耳が聞こえない者も、目の見えない者もいなくなり/
より弱い者からより強い者が生まれ、より丈夫な体、より大きな心を持つのだろうか?

地球がついに戦争のない、単一の種族の、単一の言語が話される世界になる―
わしはそれを遠くから見てきた―そうなるためには地球は若すぎるということはないのではないか?―

あらゆる狂気の虎が口輪をかけられ、あらゆる情欲の蛇が殺され、
あらゆる険しい谷が庭園になり、あらゆる燃え盛る砂漠が耕され、

北極から南極まであまねく収穫に覆われ、大地は微笑み、
あまねく海は、すべての戦争のない島々を穏やかに洗う。

戦争がない?数十人が数千人になり、数千人が数百万人に増えたとき―
地上のすべての収穫はあまりにも少なすぎる―戦争をしない人々など想像できるだろうか?

戦争がなくなる?その日はすぐには来ないだろう。その日はいつか来るのだろうか?遅かれ早かれ?
この地球が使い古され、あの死んだ世界、月のように死ぬまでに、それは可能だろうか?

新しい天文学は、それを死んだ世界と呼んでいる…今日、この時間に、
この砂丘の切れ目からロックスリー・タワーが見える場所で、

ここでわしらは会った。エイミーと―最後に会ったのは―六十年前だ―
彼女とわしは―月はちょうど門の塔の上で、今、お前が見ている場所で、

バラ色に輝いて緑がかった光を落としていた―
ここでわしらは立ち止まって、抱きしめ合い、永遠に続くと思った誓いを立てた…

死んだ。だが、その生きた光は、広間を、砂丘を、草を照らしている!
月の光は太陽の光であって、太陽自身もいつか消え去るとはいえ。

その近くには金星が!より太陽に近く、おそらく決して色褪せることのない花に覆われて、
わしらのより地上的な地球を見下ろして微笑んでいる。

詩人が、すべての良きものをもたらす者と呼んだヘスペロス。
すべての良きものはヘスペロスの下に集まるのかもしれない。完璧な人々、完璧な王たちも。

ヘスペロス―金星―わしらがあの光輝や火星に生まれついていたなら
わしらは自分たちが呻き声を上げている地球を、夕星の中で最も美しい星と見ていただろう。

あの平和な光の点から、戦争と虐殺、策略と狂気、欲望と悪意、
吠えるロンドン、狂乱のパリを、想像できただろうか?

天空の美しい銀色の星を一瞥して、
憧れ、手を握りしめて「ああ、あそこに生まれたかった」とつぶやかなかっただろうか?

前へ、後ろへ、後ろへ、前へ、計り知れない海の中で、
お前やわしには知り得ない、より大きな潮の干満に揺られながら。

すべての太陽は―これらは無数の人間の象徴に過ぎないのだろうか、
計画者、あるいは計画の影を見る、人間や心の?

地球にだけ悪があるのだろうか?それとも、あらゆる人の住む惑星に苦痛があるのだろうか?
ここでは、健全な合言葉「進化」に感謝するがいい、

理想的な善を求めて常に登り続ける進化、
そして進化を泥の中に引きずり込む先祖返り。

人が何者なので神はこれを御心に留められるのか?と聖歌の王は叫んだ(*詩編8章3節)/
虫けらのように、絶え間なく兄弟の虫けらに罪を犯し

一方で沈黙の天は回転し、太陽はその炎の道をたどり、
その周りを旋回するすべての惑星は、一日に何百万マイルも閃いて行く。

その最高傑作である人間が生まれる前に、永遠の何倍もの歳月が地球を形作った。
地球が無人になり、見捨てられた後にも、永遠の何倍もの歳月が過ぎ去るかもしれない。

地球はとても巨大である、しかしとても限られている―塩の池、小さな土地―
緑と紺碧の薄い皮―山の鎖、砂の粒に!

だからこそ、わしらを造られた方は、わしらがやがてより強くなることを意図されて、
人間の目の前に、まったく無限の天空を置かれ、

人間の魂を通して、ご自身の影という、無限のものを示されたのである/
内側は原子の中で無限であり、外側は全体の中で無限である。

・・・・・

ここにロックスリー・ホールがある、わが孫よ、ここにライオンが守る門がある。
今夜はロックスリー・ホールには泊められない―明日だ―お前は、お前は来るのが遅すぎた。

脱線した―お前の列車が―ほとんど脱線しかかった?車輪が粉々に?大変だったな!
よろしい、お前の説く前進を祝ってやろうかね?(*テニスンは鉄道を前進の象徴としている)

わしらが科学と共に歩み、繁栄を誇っている間、
都市の子供たちが、魂と感覚を都市のぬかるみに浸し、汚しているのは良いことなのだろうか?

薄暗い裏通りでは、進歩の足は麻痺して立ち止まっており、
犯罪と飢餓は、何千人もの乙女たちを道端に投げ出す。

親方は、やつれた裁縫女の日々のパンを惜しんでいる。
一室の汚い屋根裏部屋に、生者と死者が詰め込まれている。

燻るような熱病の炎が、腐った床を這いずり回り、
そして、貧困層のうさぎ小屋の中には、混み合った近親相姦の寝台がある。

いや、勘弁してくれ、「前へ」と叫ぶのは、お前たちには希望と若さがある、しかし、わしは―
八十の冬を越えた犬は、その叫びについてゆくには足が弱り過ぎている、

足が弱って、年老いて、時代遅れになって、今や夜に向かっているのだ/
それでも、わしは台頭する種族には、少しでも光に向かう熱意を持っていてもらいたい。

夕暮れの薄れゆく光だろうか?夜明けのかすかな光だろうか?
老いの目には、夜明けの光が、日没の光に見えるかもしれない。

来るべき無数の変化のはるか向こうで、地球は
今のお前やわしの想像もつかない何物かになっているだろう。

地球はこの世で最悪の場所になるかもしれない、あるいは、もしこの世で最高の場所になったとしても、
地球は安心して人類の子孫を理想の人間と認められるだろうか。

だから、前に進め、だが時の流れが数多くの後ろに向かう流れによって、
どのように逸れ、曲がり、それ自身に立ち返るかを忘れるな。

今夜はホールには泊められない、わが孫よ!死と静寂がいる。
最後の眠りについた主人を、その最初の暗さの中に憩わせてやれ。

彼の方が、わしよりも価値ある魂の持ち主だった。健全で正直な、田舎紳士で、
親切な地主で、陽気な仲間だった―若い頃の嫉妬は見る目を誤らせる。

胸から毒を捨て、脳から狂気を追い払え。
踏みつけた蛇によって、お前が無駄に生きてこなかったことを知れ。

若い頃の!老いと若きは、まだ下級学校の生徒に過ぎない、
そして、自らの愚かさに気づいたことがない者は、最も賢い人間ではない。

あちらにわが新しい海辺の村がある―芸術と優雅さはますます失われている。
科学は成長し、美は衰退する―スレート葺きの醜い屋根!

古い宿が一つだけ残っている、そこにはロックスリー家の盾がぶら下がっている、
百姓の牛が「右足を上げて歩くライオン」を角で突き飛ばしていなければ。

哀れな古い紋章、哀れな古い歴史、哀れな古い詩が過ぎ去ってゆく、
古い政治的常識を溺れさせる平凡の洪水の中に!

消え去った声に向かって叫ぶ、八十歳の哀れな年老いた声!
わしが愛するのは消え去った声だけであって、わしのすべての歩みは死者に向かっている。

世界のすべてはわしにとって亡霊である、そして、幻影が消え去るにつれて、
八十年の希望のすべては、前方の、遥か遠い彼方にあるのだ。

・・・・・

その宿で―わしは覚えている―彼が死んだ今、わしはそれを後悔している―
道化師みたいだ―偶然、彼はわしに会った―わしは彼が差し出した手を拒んだのだ。

崩れかけたレンガをつる草がすっぽり覆っているあの窓から―
当時わしは幼く、エディスはたったの六歳だったが―

激しい雨の日に、わしがこのアーチの道で雨宿りをしていたとき―
花の中の花のように、エディスの愛らしい顔が覗いていた。

今夜ここで!明日ホールで、礼拝堂の鐘が鳴るとき!
暗い部屋の中で「私はあなたを深く愛していました」という嘆きをわしは聞くだろうか。

そして、玄関を揺るがす鐘の音―花嫁の迎えが来たのだ。
身体をすくませて、わしを押しのけ、金切り声を上げて、わしの傍から出て行った彼女の―

黙りこくってしまったな!お前、わしのレオナルドよ。お前の今日を使い、無駄にするな、
人々の間を動き回って、彼らを知れ、

男やもめになってから六十年間、質素な隣人たちを助けようと努め、
貧しい人々に仕え、小屋を建て、学校を立ち上げ、沼を干拓した彼の後に続け。

彼は今、あの中傷を聞いているだろうか?聞いていないと誰が断言できるだろう?
もし、五十人に一人でも彼のような人間がいれば、地上が最悪の場所になることはないだろう。

それが天国のような最高の場所になるためには、神がゲームに参加しなければならない。
いや、わしらには見えもせず、名前も分からないが、

わしらの内なる善の力、悪の力として感じられ、
意志の泉に、香油を振り注いだり、毒を撒き散らしたりするものが、わしらの周りにあるのかもしれない。

砂漠の道を照らす星に従え、お前のものであろうと、わしのものであろうと。
前へ、人間の最も高い本質が聖なるものであるとわかるまで。

光に従い、正しいことを行え―人は自分の運命を半ば支配できるのだから―
空っぽの墓に座っている不死の天使(*キリストの復活)を見るまでは。

前へ、嵐のような時を飛び去らせ、過去に混じらせるがいい。
気が進まなかったわしも、彼を愛するようになった。愛は最後には勝利するだろう。

八十歳で亡くなったのだ。わしと同じ年齢だ。わしとお前で棺を担ごう/
そして、お前を領主にして主人、ロックスリー・ホールの新しい家長とする。

 

 

2025.7.5
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/locksleyhall/locksleyhall.html

| カテゴリー : テニスン | 投稿者 : 上田エリヤ

The Poet 詩人

 

The Poet 詩人

 

黄金の地に、黄金の星たちの下に
 詩人は生まれ/
憎悪中の憎悪、軽蔑の中の軽蔑、
  愛の中の愛を受け継いでいた。

彼は生と死を、善と悪を見抜き、
 自らの魂を見抜いていた。
永遠の意思の驚異、
  開かれた巻物が、

彼の前に横たわっていた/足音を響かせながら
 彼は名声の最も秘められた小道を縫って歩いた。
彼の思考の、目に見えない矢の先端と、
  翼には炎があった、

銀の舌に吹かれたインドの葦のように、
 そしてカルペからコーカサスまで
矢たちは猛烈に飛んで、
  歌い、それらを運ぶ風を

光と放浪の旋律で満たした後、
 地上に火をつけた/
そして野の花の矢の形の種のように、
  実り豊かな機知は

落ちたところに深く根付き、
 そして、新しく芽生えて、
見よ、母株のそれに似た、
  すべての黄金の花へと成長し、

そして希望と若さが呼吸する春を
 荘厳な花々で満たすため
勇ましく四方八方に射るための、
  真実の有翼の矢を準備した。

炎を投げたのは一人だったにもかかわらず、
 数多くの心が光の輪を纏った/
気高い人々の数多くの夢の中で
  魂に神が流れ込んだ。

こうして真実は真実の上に増し、
 世界を一つの偉大な庭園のように見せた、
そしてうねり漂う暗闇の渦を通り抜け、
  貴重な日の光が流れ出た。

そして彼の燃える目の前で
 儀式と形式が雪のように溶けたとき、
荘厳な日の出の中で
  「自由」は美しく大胆な額を上げた。

東方の太陽に乾かされた
 彼女の乙女の衣は血塗られていなかった/
しかしその鋭い瞳の
  眼球の円周、

そしてその衣の裾は
 「知恵」の炎に縁取られていた、
それはすべての権力の悪しき夢を瓦解させる名前—聖なる名前である。
  そして彼女が話したとき、

その言葉は流れ出るとともに雷鳴を集めた、
 そして雷鳴の後に稲妻が続くように
人の心を引き裂き、
  地上を驚かせた

言葉の後に意味が続いた。
 彼女の右腕に怒りの剣はなかった、
しかし、詩人のただ一巻の巻物だけがあった、
  そして彼の言葉によって彼女は世界を揺さぶった。

 

 

*詩人とはバイロンのことです。
2025.7.5
https://www.telelib.com/authors/T/TennysonAlfred/verse/juvenilia/poet.html